
11月のとある週末。
良いお天気。
とうとう、わが輩の悲願達成の日がやって来たのである。
関門海峡を望む海辺の大観覧車。
乗ってみるのが、ずーっと以前から、わが輩の悲願だったのである。
『行くのだ、チンク!』
チンクは、初冬と言えどポカポカ陽気の中、元気にぽろぽろぽろと、細(さい=妻)とわが輩を乗せて大観覧車に向かったのである。
チンクは、駐車場でお留守番。
チケットを買って並んでいると、床まで透明のゴンドラがやって来たのである。
細とわが輩が座ったゴンドラは、ずんずん上がっていくのである。
おー、関門橋も良くみえる。
手前の大きな白い屋根は、水族館なのである。
わが輩は、高いところが大好きなのである。
しかし、細は、高いところがちょっと苦手で、下まで見える床から足を離してみたりしていたのである。
テッペンに届く頃には、細も高さに慣れてきたのである。
ん?関門海峡を挟んだ門司側には、豪華客船"飛鳥Ⅱ"が入港中であるな。
お、チンク、チンク!
ここ、ここ!
いやぁ、なかなか楽しかったのである。
最初は緊張していたのに、細はゴンドラから降りた後、「年間パスポート買おうかしら」なんて言い出したのである。
夜もう一度、大観覧車のある海辺に来たのである。
大観覧車は、ピカピカ光って綺麗なのである。
観覧車を眺めていたら、飛鳥Ⅱが出港。
花火まで上がって、なかなか優美なのである。
『きれーい!飛鳥が出港することと花火が上がるの知ってたの?』
『いや、知らなかったのであるよ。』
『見られて良かったね。』
『うん。見られて良かったのであるな。』
思ってもみなかった花火と明かりを灯す飛鳥Ⅱを見ることが出来て、細もことのほか喜んでいたのである。
月にも見送られて、飛鳥Ⅱは、海面を滑るように航行し始めたのである。
だんだんと寒さが、薄いコートの下に入ってきたのである。
『そろそろ帰ろうか、チンク。細とわが輩を乗っけておくれ』
暖房を効かせて、チンクは、ぽろぽろぽろと走り始めたのである。
Posted at 2021/11/14 23:54:39 | |
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