令和2年の大晦日。
朝起きてみたら、チンクにちょっと雪が積もっていたのである。
下関で雪が積もるのは、珍しいのである。
チンクには、寒そうな雲の浮かぶ冬の空が写っているのである。
細(さい=妻)は、おうちで大掃除に忙しいのである。
チンクとわが輩は、細に買い物を頼まれたのである。
細の書いてくれたメモを見ながら買い物をするのである。
しかし、細のいない買い物は、なかなかに難しいのである。
時々わが輩は、細に電話をしながら買い物をしたのである。
「細、ワンコ用の豚耳は、細切りしかないのであるが、それでも良いのであるか?」
「良いのでありますよ。」
そんな感じなのである。
『ぷぅ』どうにか買い揃えて、チンクに積んだのである。
帰り道、高台に上がってみた。
禍はあったのだけど、みんなで頑張った1年が終わるのである。
『さあ、帰るか、チンク。細が待っているのであるぞ。』
「ぽろぽろぽろ」と、エンジンを鳴らしながら、チンクはわが輩を乗せて、大晦日の空の下を帰っていったのである。
『チンク、ご苦労さんであったな。今年、よくぞ細とわが輩のもとに来てくれた。ありがとう。来年もよろしく頼んだのであるぞ。』
わが輩は、チンクのライトを消し、少しゆっくりキーをひねった。
チンクは、静かにエンジンを止めたのである。
Posted at 2020/12/31 22:16:53 | |
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FIAT 500S | 日記