2020年11月30日
雪道シリーズその3
今シーズン向けとしては出遅れた感の否めないスタッドレスタイヤについて。
まず、雪道がなぜ危ないかというと、路面の摩擦が下がるからです。
どんな高性能車でも、タイヤと路面の摩擦力を超えた動きはできません。
それを覚えておかなければなりません。
そのためにスタッドレスタイヤを履くわけです。
そのスタッドレスタイヤですが、夏タイヤより雪道が走りやすいと言うだけであって、乾燥路面と同じように走れるわけではありません。
圧倒的に限界は低くなります。
タイヤは通常水分を排出してグリップを確保しますが、スタッドレスは水分を含んで氷結路面とのグリップを確保しようとします。
「乾いた氷は滑らない」というCMコピーもありましたね。
その性質のため、ウェット路面は大の苦手です。雪国では消雪管から大量の水が路面に散水されるので、「ヒャッハー!雪がないぜ!」と調子に乗ると痛い目に遭います。
当然ドライ路面も夏タイヤの方が得意です。
どれくらいドライグリップが低いかというと、RX-8のようなスポーツカーであればちょっとラフにクラッチをつなげば即ホイールスピン、ちょっと強めにブレーキ踏めばABSが作動したりするレベルです。
これ、普通の乾燥路面の話ですからね。
特にブレーキ性能の低下は問題で、雪道でなくとも制動距離が伸びます。
とにかくドライでもウェットでも、積雪でも圧雪でも凍結でも、夏タイヤでドライ路面を走るようにはいきません。
それを肝に銘じていただきたいです。
ではスタッドレスタイヤなら何でもいいかというとそうではありません。
スタッドレスタイヤは基本3年、どんなに長くても5年までしか使えません。
スタッドレスタイヤはその柔らかいゴム質が非常に重要になるので、夏タイヤのように程度の良い中古品でなんとかなる、とはいきません。
ゴムが硬化したらそれまでです。
これは必要経費として覚悟しておきましょう。
そういう意味で、スタッドレス用に新しくホイールを買うのであれば、インチダウンも有効な選択肢です。タイヤはインチダウンした方がタイヤも工賃も安いです。軽いし。
そしてメーカーはどうすればいいの?という人も多いでしょうけど、個人的には国産タイヤをおすすめします。
私は夏タイヤは欧州タイヤが好きですが、スタッドレスに限って言えばこの限りではありません。
理由は気候の違い。
日本最北端の宗谷岬は北緯45度、これはヨーロッパで言ったらイタリアのベネツィアです。今調べたから確実。
ベネチアと言えば地中海に面した、ヨーロッパでもかなり南の方です。ヨーロッパって日本人が思っている以上に北にあります。
北の方の大陸の冬と南の方の島国の冬が全然違うのは想像に難くありません。
一部メーカーは現地法人が日本向け(アジア向け?)スタッドレス作っていますが、それなら普通に国産でいいじゃん、という話です。
ちなみにブリヂストンとヨコハマは吸水ゴムの技術面でかなり抜きん出いていますので、確実なタイヤが欲しいのならこの2メーカーの一番高いやつ(VRX2, IG60)にしておけば外れはないです。
どっちが性能がいいかは比較したことないので分かりません。どちらも履いたことはありますが、少なくとも2度と履かない!とは思いませんでした。
他メーカーのスタッドレスは履いたことないのでノーコメントとします。
今回はスタッドレスタイヤについてのお話でした。
雪国では車に興味の無い方でも夏タイヤとスタッドレスの2セットを持っていることは珍しくありません。
駐車場に保管場所があるか、無ければ自宅のベランダなどに保管しますがエレベーターがないと地獄です。あとはショップさんが預かってくれますが有料のことが多く、大抵預かり枠がいっぱいになってしまっています。
駐車場に消雪管が引かれているかも結構大事なポイント。
雪国は物件選びの段階からすでに冬を基準に行うのです。
Posted at 2020/11/30 22:01:54 | |
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