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2024年06月30日 イイね!

磐梯吾妻スカイラインに行ってみた

磐梯吾妻スカイラインに行ってみたゴールデンウィークの中日はエリーゼで福島県の吾妻磐梯スカイラインまでドライブに行ってきた。

福島市の西にそびえる吾妻連峰。
その峰々を縫うように、標高の高いところを走り抜ける楽しそうな道。
エリーゼの屋根を開けてドライブしたら気持ちよさそうなので行ってみた。

まずは福島市内に宿を取り、夕飯に福島名物の円板餃子をいただく。

食前酒に地ビールのヴァイツェン。

ヴァイツェンとしてはやや辛口な気がするかな。
日本で普通に売られているビールと比べても違和感がないレベルのヴァイツェン感ってところ。

ひと瓶飲み干したころに円板餃子の登場。

ひと皿20個で見た目にボリューミーだが、野菜たっぷりで軽く平らげられる。
揚げたように焼かれた皮はパリパリ、うめー!
さて、餃子のアテにもう少し酒が飲みたいな。
てなわけで店内に貼られている酒のリストを見たら、4年に一度の限定醸造「天明 一火閏号」が入荷したという張り紙が目に入った。
ちょっとお高いが、せっかくなので奮発してみよう。

一口ふくむと、鼻に抜けるフルーティな香りがたまらん!
私の好きなタイプの日本酒のおいしいところだけを切り取ったような大吟醸。
裏書きによるとカプロン酸エチルを多く産生する酵母を使っているとか。
そうか、このリンゴやブドウを思い起こさせる香りはカプロン酸エチルなのか。
フルーティな日本酒と言えば獺祭も有名だけれど、あちらはバナナっぽい香りの酢酸イソアミルが多く、私はあまり好きではないタイプ。

お腹も満たされ気持ちよく酔っ払ったところで乗り鉄旅。
昭和臭が漂う看板の駅は福島交通の飯坂電車。

福島市の中心と郊外にある飯坂温泉を結ぶ地方私鉄だ。
車両は元東急の1000系電車だけど、顔が一新されて今風のイケメン。

車内には温泉のれんも掛けられて、温泉旅行を盛り上げてくれる。

終点の飯坂温泉駅に到着。
ひとっ風呂浴びて福島駅裏のビジネスホテルに帰る。

レトロな建物が並ぶ温泉街は今度ヨメも連れて、昼間に来てみたくなった。

そして翌朝、8:30ごろにホテルを出て駅裏通りをただ道なりに西へ向かう。
白い雲が低くぷかぷかと浮かぶ青空の下、吾妻山が裾野を広げて出迎えてくれる。
きもちいいねー
山裾の森の中を抜けるクネクネ道を登り、温泉街を抜けたところで磐梯吾妻スカイラインのスタート。

標高は780m。
エリーゼだと2速で曲がってストレートエンドで3速に入る、ちょっと忙しいリズムのクネクネ道。

アスファルトがもう少し滑らかなら気持ちいいんだけどなあ。
水道管かガス管か道路工事跡のデコボコがひどい。
反対車線ならまだましなのかな。

そんなクネクネ道の途中に突如現れる橋。

左の欄干越しに見える景色から、かなり高いところを走っているようだ。
橋を渡りきったところの駐車スペースにエリーゼを止めて、橋まで歩いて戻ってみた。

標高1200mぐらいのところにある不動橋という橋で、つばくろ谷を跨いで掛けられている。
深い渓谷の底から橋までの標高差は200−300mはありそうだ。
山側をみると旧不動橋の橋台が残されている。

1999年の秋まで旧橋が使われていて、2000年の春から新橋が共用されたらしい。

標高1400mあたり、登り勾配が落ち着くと急斜面を貼り付くようにトラバースする道になる。
右へ左へステアリングを切る楽しい道だが、クロスオーバータイプのクルマは対向車線に大きくショートカットしたくなるようだ。

正面に見えてきた草木の生えない峰は一切経山。

その稜線の左手には大穴火口があり、いまでも火山性ガスを噴いているため草木が生えない。
道路脇の看板によると「窓を閉めて走行してください」とのこと。
エリーゼは走りながらでは屋根を閉じられない。
とはいえ、バイクだって平気で走ってるし、そんなに硫黄臭くないから今日はきっと大丈夫。

この荒涼とした峰の向こう側は酸ヶ平という高原もあるらしいので、2泊3日ぐらいでゆっくりまた来てみたいな。
中日の平日とはいえさすがのゴールデンウィーク、浄土平の駐車場は混み合っていたのでスルーして猪苗代方面へ向かう。
浄土平から5分弱、磐梯吾妻スカイラインの最高地点、標高1622mに到達。

道路脇には雪が残り、空気もヒンヤリ。
標高1600ちょいということは、滋賀県最高峰の伊吹山より高く、関西あたりだと大台ヶ原ぐらいの高さか。
吾妻連峰の南斜面を下って行くと、ほぼ正面に見えてきたのは安達太良山。

厚い雲が山容をほとんど覆ってしまっていて残念。

吾妻磐梯スカイラインを下りきり、土湯峠の交差点から福島県道70号を猪苗代方向へ向かうと香ばしい雰囲気の廃ホテルが見えた。
廃墟になって間がないのか外観に朽ちた感じはしないけれど、窓の越しに見える建屋の中には椅子やマットレスなどが乱雑に積まれている。
上水道か温泉水の配管か、管の継ぎ目が外れかかって水が吹き出していたりして廃墟感がてんこ盛り。

なんて思っていたら、日帰り入浴だけは営業中らしい。

楽しく走った後は新潟周りで一心不乱に北陸道を南下して帰宅した。
写真は道中で立ち寄ったラーメン屋のカウンターにおかれたフィギュア達。


さて、今度はどこへ遊びに行こうかな。
Posted at 2024/06/30 19:51:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | ヱリーゼ日記 | 日記
2023年05月28日 イイね!

標高1416m

標高1416mGW明けの仕事の忙しさも落ち着いた5月20日、芝桜まつりが開催中の茶臼山に行ってきた。
愛知県と長野県の県境にあり、愛知県では最も標高が高い山。
といっても山頂からすぐの標高1200mのあたりには休暇村茶臼高原が拓かれていて、駐車場から200m登るだけのイージートレッキング。
3日前まで雨予報だったけれど、すっきり晴れた空の下、鮮やかな新緑と芝桜を楽しんできた。

家を出たのは早朝5時ごろ。
途中のコンビニで朝ご飯をすませて、R153経由で茶臼山に着いたのは7:30過ぎだった。
休暇村茶臼高原の第4駐車場にえり子さんを停めて歩き出す。

休暇村のWebサイトによると駐車場の営業開始は8:30からと書かれていたけれど、芝桜まつりの開催期間中だからか、すでに誘導員と駐車料金を徴収する係員が立っていた。

当初は南アルプス展駐車場から東登山道を登るつもりにしていたけれど、そちらへの道は通行できないようだったので、「西登山道」を往復することにした。

歩き始めて5分ほどで「自由の丘」と名付けられた、芝生が敷かれた広場に出る。

広場を登って振り返ると、スキー場のある萩太郎山が見える。
あの頂上付近に芝桜の花壇が拡がっているらしいのだけど…

前日の雨の雫がキラキラと光る芝生の広場を歩いて5分、いよいよ登山道らしい様子を見せ始める。

さらに5分歩くと若干の下り勾配。

道を間違えたかと不安になるが、地図を確認すると等高線とほぼ平行な道になっているようだ。
階段を上がる急登を10分ほど、えっちらおっちら登り切ったところで勾配が緩くなり、ゴールが見えてきた。

登り始めて30分ほどで頂上に到着。

頂上付近には木製の展望台が設置されている。

展望台から南に目をやれば、向の萩太郎山が見える。

頂上の芝桜園をズーム。

東には南アルプスの山々が見えるはずだったけれど、この日の南アルプスは雲の中だった。

第4駐車場に戻ったのは8:50ごろ。
えり子さん1台だけだった駐車場の枠は少しずつ埋まりつつあるが、ほとんどはここから奥へ進んだ第1駐車場に停めるのだろう。

自販機でジュースを買って水分補給を済ませたら、今度は芝桜園のある萩太郎山へ向かおう。

往復800円でリフトも乗れるが、乗るにはここからいったん下らなければならない。

登るために下るなんて、なんだかちょっと悔しいので歩いて登ることにした。
スキーゲレンデの斜面にクルマが通れる幅で舗装された道を登るのだけれど、さすがにゲレンデの斜面だけのことはあり、なかなかの急勾配だ。
開けた斜面で景色が変わり映えしないので、たぶん茶臼山の登山道よりきつい。

途中、リフトの下を通るが、リフト下はサンパチェンスという植物の花壇になっていて、今の季節はまだ小さな苗しか見えない。

秋になったらまた来てねってことらしい。

映えスポットの展望台からハート型の花壇を写真に収める。

こうして写真にすると広大な花壇が続いているように見えるけれど、実際に立ってみると思っていたよりこじんまりとしていたな。

10:00前にえり子さんを回収して休暇村を後にすると、対向車線は駐車場に入るのを待つクルマの列が100mほど。
今回も早起きしたおかげでストレスなくドライブできた。
さて、来月は生駒山地へ遊びに出かけてみようかな。
Posted at 2023/05/28 21:10:59 | コメント(1) | トラックバック(0) | ヱリーゼ日記 | 日記
2020年11月16日 イイね!

登って下って11時間

さて、利尻山登頂の続き。
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前編の記事でも触れたが、今回の山登りは今までに経験がないほどハードな山行である。
標高220mから登り始めて、山頂は1721mと、標高差は約1500m。
富士山には登ったことがあるが、山頂が3776mとはいえ、登り始めるのは五合目の2600mだったから、標高差は1100mしかなかった。
しかも富士山の登山道は歩きやすくて、大きな岩をよじ登るような場所はない。
1合おきに売店やトイレがあるから、なんなら雨合羽と防寒着さえ持っていけば、水ですら途中で買って賄うこともできてしまう。
それに比べると、利尻は山小屋なんてないので、少なくとも2Lの水とお弁当は背負って登る必要があるし、トイレは一切ないから携帯トイレも必要だ。
まあ、酸素が薄いということだけが富士山の厳しさと言えるだろう。
そんな厳しい山登りだが、学生時代に見た”あの山”に登ってみたくなり、1年前から計画を立てていた。
年明けすぐに宿を予約したものの、新型コロナ騒動で断念することも危ぶまれた。
だが、宿は6月に営業を再開し、政府もキャンペーンを展開して宿泊旅行を推進していることだし、決行することにした。

登山口にほど近い宿に前泊して、朝は午前4時に宿を出た。
北麓野営場の駐車場にえりぴよさんを停めて、歩き始めたのは4:20ごろ。
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空を見上げればまだ満天の星が瞬く真っ暗闇。
30年前から使っている豆電球ヘッデン(ヘッドランプ)の明かりだけを頼りに歩みを進める。
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3m先の地面を中心に、半径1mぐらいしか照らさないので、道の両脇の様子はもちろん、道の先がどのようにつづいているのかさえ見えない。
歩き始めて10分もしないうちに、甘露水という湧き水が汲める場所の看板に突き当たる。
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水場までは本道からすこし下るようではあるが、真っ暗なのでどれぐらい下りるのかわからない。
まあ、2L背負ってるから足りるだろう。

4:30、三合目に到着。
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ここで、ポン山という440mぐらいの高さの山に続く道と分かれる。
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ストロボを焚いているのではっきり写っているが、ストロボを焚かずにヘッデンだけの明かりだとこんな感じ。
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手ぶれ補正機能でも補正しきれないほどシャッタースピードを落としてこの状態である。
森の木の葉の隙間から明けかかった空がわずかに紺色を見せているが、まだまだ森の中は暗い。
道を木の根が横たわっていると、行き止まりに迷い込んだかと不安になるぐらい先が見通せない。
宿の泊まり客の1人がガイドを連れて先行していて、彼らの煌々としたLEDヘッデンの明かりがときどき見えるとほっとする。
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小刻みにアップダウンを繰り返す道でゆるやかに標高を上げながら、5:00ごろに四合目に到着。
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ようやく明かりがなくても周囲が見渡せるようになったし、ちょっとした広場には丸太で作ったベンチがあるのでここで朝ご飯を食べることにした。
宿で用意してくれた、おにぎりと唐揚げのお弁当を頬張っていると、後発の登山者が登ってきた。
序盤であんまりのんびりしてはいられないと思って、ガツガツとおにぎりをむさぼっていたのだが、この薄暗い中でわたしの姿を見た彼は、一瞬ぎょっとしたに違いない。

耳のとがった少女がスマホを片手に「ウェルカムトゥー メァンガ」って耳元でささやきそうな薄明かりの森のなか、弁当を平らげたらすぐに歩き出す。
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四合目から20分ほど歩いたあたりで、ようやく山を登る斜度になってきた。
道の脇に生えているダケカンバは、雪の重みのせいか幹が這うように横に伸びている。
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5:50ごろ五合目に到達。
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地元の山でトレーニングをしてきたおかげで、ここまで息が切れることもなく楽に歩いてこれた。
振り返ると、宿がある町が見える。
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ふもとは星空が見えるほど晴れていたけれど、標高を上げると雲がかかってきた。

なかなか明るくならない北側の斜面、雲が低くて展望も開けないが、ヤマハハコたんのつぼみに癒やされつつあるく。
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いつの間にか森林限界を超えて見渡す限りハイマツの六合目に到達したのは6:25ごろだった。
第一見晴台とのことだが、真っ白で何も見えない。
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まずまず順調か。
しかし、ここから傾斜がきつくなる。
尾根をジグザグに登りながら、6:50ごろに七合目に着いた。
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ここまでせいぜい、横たわる木の根っこが小さな段差を作っていた程度だったが、ここからは大小の岩の間をよじ登る道になる。
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歩くペースが急速に落ち、七合目と八合目の間にある第二展望台に着いたのは7:40ごろ。
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やっぱり霧で何も見えない。
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脚は辛いが気持ちはまだ軽い。
稜線を歩くルートはときおり冷たい霧の風が吹き付けるが、それさえ楽しむぐらいに余裕はある。
汗だくの体に冷たい風が気持ちいいのだ。
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足下では1輪だけ花を付けたノコギリソウたんが応援してくれている。
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8:00ごろ、八合目である長官山という峰に到着した。
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予定より若干遅れ気味か。
ここからは傾斜が緩くなり、ややも歩くといったん下るので楽になった。
八合目と九合目の間にある避難小屋に着いたのは何時だっただろうか。
写真を撮り忘れ、GPSロガーも電池切れで止まってしまったので記録が残っていない。
避難小屋では長めの休憩を取り、汗と霧でびしょびしょになったシャツを着替えた。
さすがにじっとしていると体を冷やしそうだった。
ここですこしトイレの話。
利尻山にはトイレがない。
なので、登山者には携帯トイレという名のポリ袋を携行することが強く推奨される。
40.JPG
袋はだいたい45L容量のゴミ袋と同じぐらいの大きさ。
そして、トイレブースが六合目から九合目までの間に3カ所あって、便座が設置されている。
避難小屋はトイレブースがある箇所のひとつなのである。
袋を便座にセットして、その中に用を足すのである。
袋の中には紙おむつと同じような吸水ポリマーのシートが入っているので、チャプチャプしないようになっているということだろう。
汚物入りの袋はさらに、チャック付きの外袋に入れて登山者には自分が出した排泄物は持って下山してもらうというスンポウである。
41.JPG
下山後は回収ボックスに入れると、地元の有志が回収してくれるのだそうだ。
いやはや、地元の有志には頭が上がらない。
わたしは今回、11時間の山行中に、小すら一滴も出なかったので使わなかったが、いくらチャックのついた袋だとはいえ、臭いんだろうなあ。

さて、話は戻って、山小屋で汗がひくまで休憩しながら、天候の回復を待ってみる。
どうにも回復の見込みがないようなら、ここで引き返すことも念頭に置きつつ、合羽を着て待機。
窓の外に目を向けると、うっすらと日が差しているようだ。
ほかの登山客に付いているガイドが、ふもとからの情報を話しているのに聞き耳を立てると、どうやら回復に向かうようである。

よっしゃ、Goだ!
避難小屋から歩き始めてすぐ、雲が切れて山頂のシルエットが見えるようになった。
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雲が切れたりかぶったりを繰り返していたが、ついに完全に青空が広がった。
43.JPG
利尻山の山容は裾が広がった富士山のような姿。
だから利尻富士とも呼ばれている。
しかし富士山とは違って、山頂が鋭くとがっている。
これは利尻山が8000年間にわたって噴火していないことによるものである。
もともとは富士山のようにお鉢があったのだけど、やがてお鉢が侵食されてマグマの通り道の芯の部分だけが残ると今の利尻山のような姿になる。
お鉢の周りは噴出後に冷えて固まったので浸食されやすく、芯の部分は圧力を受けた状態で固まったから硬いのである。

雲がすっかり晴れて、見渡せば空と海の境界線が曖昧なほど青い。
44.JPG
よく見ると水平線の向こうの左のほうに陸地が見える。
ロシアの大陸、沿海地方だろう。
サハリンぐらいは見えると思っていたが、大陸が見えるなんて期待以上の絶景だ。
北の方角に目をやると、礼文島が見える。
45.JPG
サハリンは雲に遮られて見えない。
日が差すとまた暑くなってきたので、合羽を脱いだ。
山頂からのさらなる絶景に期待を膨らませつつ、軽い足取りで登って9:30ごろ、九合目に到達。
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この急登、最後のひと踏ん張りである。
だが道は険しく、七合目からの岩場よりさらに大きな岩をよじ登る。
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再び雲に覆われつつある空に気をせかされつつも、大幅にペースダウン。
岩場を過ぎると、赤いスコリアが覆うエリアになる。
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富士山にも見られる、鉄分を多く含んだ軽石だ。
ビー玉ほどの小石は歩幅を大きく踏み出すと軸足が滑って登りにくい。
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休み休み登りながら、10:20ごろに沓形(くつがた)ルートとの合流点に到着。
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わたしが今回登ってきたのは鴛泊(おしどまり)ルートという中級者向けのルート。
沓形ルートは上級者向けで危険を伴うのだそうだ。
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10:30ごろ、大きくえぐれた場所が現れた。
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深さは3mぐらいだろうか。
実は人が歩くことによって登山道が徐々に削られていき、このようにえぐれた状態になったのだそう。
この日は登山道を補修している方がいて、大きな資材を背負子にくくりつけて登ってきていたのだ。
つくづく頭の下がる思いである。

山頂まであと少し、重くて上がらない脚にムチを打って登ると、スコリアの表面に苔が繁茂しているエリアに来た。
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ん?なんだか苔が蛍光を放っているような…
ヒカリゴケの類い?
いや、近づいて見ると苔が霧から得た水分を蓄えて水玉を作り、艶を放っているのであった。
54.JPG
終始晴れていたら見られない光景だ。
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そんな苔たちの緑に救われながら、えっちらおっちら登り続けて11:00ごろ、ようやく山頂に到着した。
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登り始めてからここまで6時間40分。
予定より30分ぐらい多くかかってしまったが、まあ、こんなもんだろう。

雲が晴れないか、20分ぐらい待ってみたけれど一向に雲が薄くなる気配はない。
風が強くて、体感気温は氷点下。
手袋をしなければ指先がかじかんでくるし、合羽のフードをかぶらなければ耳たぶが痛い。
山頂からの景色は諦めて下山を開始した。

しかし、下りは輪をかけてきつい。
大きな岩をよじ登った九合目までは、下るときのほうが脚への負担が大きいのだ。
そして八合目から七合目の間の岩場で太ももの前の筋肉、ハムストリングスが限界を迎えた。
もはや脚の力だけでは下り坂を一歩踏み出したときの体重を支えきれない。
トレッキングポールを前に突いて両腕で体重の半分を支えながら、そろりそろりと下らなければ膝が耐えられずに転びそうになる。
それもやがて大胸筋と上腕三頭筋に疲労が溜まり、おぼつかなくなる。
這々の体で、六合目まで戻ってきたのは14:00ごろだった。
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登りは霧で真っ白だった第一見晴台からの景色が素晴らしい。
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見込みでは、ここから登山口まで1時間半。
短いようで長い。
しかも1時間半でたどり着けるのかも不安な状態。
なんとか日没までには下山できるだろうけど…
と、不安になりながらも、どうにか見込み通りの1時間半で下山できた。
2Lの水は四合目まで下りたところで空になった。
万一のことを考えたら、あと1Lは多く持ってきてもよかったかな。

ともあれ、成し遂げた余韻に浸りながら宿に帰って露天風呂に浸かり、夕食は利尻の水で造ったという日本酒で独り祝杯をあげた。
ってなわけで、次回は飯テロの時間だ。

つづく
Posted at 2020/11/16 22:55:35 | コメント(3) | トラックバック(0) | ヱリーゼ日記 | 日記
2020年11月15日 イイね!

高い島

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9月下旬のシルバーウィーク、遅めの夏休みをいただき9連休にして、今年も北海道へ渡ってきた。
今年はさらに利尻島に渡り、利尻山の登頂に挑戦。
トップの画像は、利尻山の8合目付近に一株だけみつけたチシマフウロたん。
9月になっても花を咲かせて迎えてくれた。
入山から下山まで11時間。
わたしの山登り史上で最もハードな山行だった。
下山後は階段の上り下りもおぼつかないほど脚が悲鳴を上げていたが、どうにか山頂まで登って下りきることができた。

出発は9月22日、大洗からの夕方便フェリーで苫小牧へ渡った。
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苫小牧からは蝦夷富士こと羊蹄山のふもとの京極町を通って小樽へ向かう。
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途中の支笏湖で土砂降りに見舞われた以外は晴天で、えりぴよさんの屋根を開けて走ると空気はヒンヤリと冷たいが、日差しが暖かい。
山間部を抜ける道では、紅葉が始まった木々の酸っぱいような匂いに包まれる。

京極町にある道の駅 名水の郷きょうごくで一休み。
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山中牧場の出店があったので久しぶりのソフトクリームをいただいた。
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山中牧場はここから小樽に向かった先の赤井川村にあって、学生時代にはドライブがてらよく立ち寄ったものである。
山中牧場の売店が閉まる時間には間に合わないスケジュールだったので、ここでソフトクリームにありつけて、ちょっとうれしい。
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赤井川村を抜けると毛無峠。
札幌に住んでいたころ、週末の明け方にしょっちゅうドライブしていた峠道だ。
祝日の夕方ということもあって交通量が多く、快適ドライブとはいかないけれど懐かしの峠道を堪能した。
途中の展望台からは小樽の夜景が見下ろせるデートスポットでもある。
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わたしが学生だったスキーブームのころ、kiroroスキーリゾートへスキーに行った帰りに毛無峠展望台からの夜景、そして小樽のラブホというのが当時のリア充の鉄板コースだったにちがいない。

小樽ではグランドパーク小樽というシティホテルに宿泊。
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翌朝は6時に起きて、ヨットハーバーの見えるレストランで朝食をいただいたあと稚内に向けて出発した。

道央道で旭川を経由して上川地方の内陸部を北上すると、美深あたりでまたもや土砂降りに遭遇するも、スカッと晴れた青空の下、いかにも北海道といった景色の直線道路を快走。
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12:00を少しまわったところで稚内に到着し、フェリーターミナルからほど近いところにある中華食堂でお昼を済ませた。
予約したフェリーは14:30に出港するので、乗船受付にもまだ時間がある。
港の近所に見える、不思議なカタチの建物が目をひいたので少し散策してみた。

こちらは、稚内市温水プール 水夢館。
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「稚内港北防波堤ドーム」というのがあるというのは地図を見て知っていたけど、このドーム型の建物がそれかと思ってしまった。
郷土資料館のような展示施設があるのかと少し期待してしまった。

んで、こちらが本来の防波堤ドーム。
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なにやら平成のバブリーな時代に建設された観光目的の建造物にも見えるけれど…
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建造物の上は特に遊歩道が整備されているわけでもないし、内部も媚びた雰囲気がない殺風景な造り。
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実は昭和初期に造られた本気の防波堤なのである。
そう聞くと、じつに合理的に思えてきた。
調べたところ、当時はコンクリート建造物の技術が未熟だったため、こういう形を採用したということだ。
しかしそれだけでなく、波の圧力を受け流して、必要なコンクリート資材の量を抑えながらもしっかりと波を防ぐことができる構造なんじゃないかと考えてしまう。
なんだかバットレスダムを眺めているかのような機能美。
さすがに当初の構造物は老朽化して危険な状態になってしまったため、いまあるものは昭和56年に改修されたものだというが、技術が発展してもこんなふうに後世に残していきたい建造物のひとつだなあと感じる。

防波堤公園をぐるりと一周してターミナルに戻るとちょうど良い時間。
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利尻島に向けて出向である。
宗谷岬の沖をぐるりと周ると…
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見えてきた!学生時代のバイクツーリングでオロロンラインを走ったときに沖に見えたあの島が!
「リ」はアイヌ語で「高い」、「シリ」は「島」。
利尻は高い島を指すアイヌ語に由来する。
標高1000mを超える山がある離島って、利尻のほかは屋久島ぐらいじゃないだろうか。
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いつかあの島に渡ってみたいと思いながら30年。
山頂は雲に隠れて見えないが、あの当時は先のとがった円錐形の島がくっきり見えたのだった。
明日は山頂まで晴れると良いなあ。

つづく
Posted at 2020/11/15 20:59:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | ヱリーゼ日記 | 日記
2018年06月03日 イイね!

お花見ドライブ2018(後篇

お花見ドライブ2018(後篇3月末に大阪まで出かけたお花見ドライブの続き。
阪堺電車の乗りつぶし旅は睡魔に負けて撃沈してしまったけれど、気を取り直して帰り道、静岡の久能山東照宮に寄り道してみた。

静岡市内のビジネスホテルに泊まって翌朝は8:30ごろにチェックアウト。
20分ほどクルマを走らせて、久能山の南側に到着。
一ノ鳥居近くにある土産屋にエリーゼを預けて表参道を上る。
ほとんど崖のような急斜面に築かれた1159段の階段。
いつぞやのブラタモリでやっていたけれど、ここは3つの地殻プレートがぶつかって隆起した泥岩が隆起した山で、黒潮の海流が削ってこのような急峻な崖になったのだそうな。
息を切らせて登っていくと、ところどころに植えられた桜が満開の花を見せてくれて癒やされる。


途中、香港風の英語を話す外国人が下ってきて、この先どのぐらいでふもとに着くのか?とか、ふもとでバスに乗れるのか?なんて聞かれて言葉を交わしつつ、30分ほどかけて一ノ門に到着。

ここから先は大人1人300円の拝観料が必要になる。

拝観料を払って楼門をくぐり、神楽殿の奥へ回り込むと、なにやらガラスケースにカラフルな置物が飾られている。

堺のザビエル像のあたりにも鯉のぼりが吊るされてたし、五月人形でも置いてあるのか?


と思って、近づいてみるとガンプラだった。

それにしても、なぜこんなにアッシマー推し?

他にも戦車やら城やら、様々なプラモデルが奉納されていた。

さすがはバンダイのお膝元、静岡といったところか。

10分もかからず境内を一通り見て回って、東照宮を後にした。


帰り道、石段を降りて行くと、駿河湾に漁船が4隻。
2隻で1組の底引き網漁船かな。

この漁船は桜えび漁のものではないだろうけど、そろそろ桜えび漁の漁期だな。
また、由比漁港の桜えびを食べに行きたいな。

てなわけで、大阪と静岡を巡った花見ドライブは終了。
次はどこへ遊びに行こうかな。
Posted at 2018/06/03 17:36:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | ヱリーゼ日記 | 日記

プロフィール

「ボンクラメカ部員の必修夏期講習に来ています。」
何シテル?   08/02 14:36
ボンサイスト 心得の条 我が車 我が単車 我が躯と思ひ 盆栽の儀 あくまで自己満足にて 己の技量無く 凡才いかにても覆らず なお 死して屍拾う者なし...

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ロータス エリーゼ えりぴよさん (ロータス エリーゼ)
2008年11月29日に新規登録されたツーリングマシンです。 雨の心配がない天気なら、気 ...
スズキ ジムニーシエラ スズキ ジムニーシエラ
注文してから1年半、待ちに待ったジムニーシエラが納車されました。
ドゥカティ ムルティストラーダ1200 ドゥカティ ムルティストラーダ1200
2012年夏、新しい旅のお供がやってきました。 CRMでは行けなかった超長距離を行動半径 ...
その他 ステップクルーズe その他 ステップクルーズe
ブリジストンの電動アシスト自転車です。 2輪駆動(リア人力駆動+フロントモーター駆動)で ...

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