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今週と来週は土日返上でフォークリフトの講習。
昨年、会社の組織変更があって、うちの部署にはフォークリフトのライセンスホルダーがいなくなってしまい、しばらくの間、名目上は他部署から人手を借りてフォークリフトの運転をお願いしていた。
やっぱり一人ぐらいは部内に運転者がいないと不便よね、ってことで白羽の矢が当たったのが、自他共に認める乗り物オタクのこのわたし。
子供の頃から乗り回してみたいと思っていたフォークリフトに触れられるのはうれしい反面、土曜も日曜も朝イチから夕方まで拘束されるのはキツイ。
屋内での実技講習といっても、朝晩は底冷えする季節だしね。

昨日は学科講習だったけど、今日はバイク用のジャケットとオーバーパンツを着込んで、人生初のフォークリフト運転だった。
後輪操舵に特有の感覚は、つい行きたい方向の逆にハンドルを回してしまうのもわかる気がする。
前輪操舵なら、右に切れば体には右方向への加速度がかかるけど、後輪操舵はその逆に体が動くので、切った瞬間に間違えたかと錯覚してしまう。
受講生の何人かは右に切るべきところを左に切って、あらぬ方向に車体が向いてしまうシーンが何度もあった。
講習のひとつに、パイロンを立てたスラロームがあったのだけど、これも勘をつかむには前輪操舵の習慣を打ち崩さなければならなかった。
前輪操舵でスラロームをするときは、ひとつ先のパイロンを意識しながら回ると素早くコンパクトに回ることができるのだけど、後輪操舵では車体が通り過ぎるまで手前のパイロンを意識しておかないと、振った尻で押してしまう。

そんな後輪操舵のクセよりも、わたしにとっては、ギア比の低いステアリング応答に慣れるのが難しかった。
何年かのバイク運転歴を経て四輪の免許を取ったとき、教習コースのカーブを曲がった後にハンドルを戻すのが遅れて蛇行した記憶がよみがえる。
同様にフォークリフトでも曲がった後に、なかなかまっすぐコースに沿って直進できない。
結局、今日のうちにこれを克服することができなかった。
来週は5日間のブランクをあけての運転だから、また蛇行してしまわないようにしっかりと頭にたたき込んでおかなくてはね。

それにしても今日の講師はポンコツだった。
歳はどう見ても70前後のおじいちゃん。
目も耳も遠くて、講習者名簿の漢字を読み間違える。
わたしが訂正しても、2回聞き返したあげくに間違える。
なんといっても、声が小さいのが致命的。
周りが静かなら何とか聞き取れるけど、隣のグループの講師の声が響くとかき消されてしまう。
フォークリフトのエンジンがかかったら、もはやなにを言っているのさっぱり聞き取れない。
懸命に耳を傾ければ、しゃべっているのは与太話だったりしてイライラする。
運転席に座ったまま、ボソボソしゃべっているのでエンジンのかかっているフォークリフトに触れるぐらいまで近づかなければ聞き取れない。
フォークリフトに顔を近づけなければ聞き取れないのに、いきなりフォークをガチャンガチャンと上下させる。
どうやら、こんな風にフォークを動かしたら荷崩れすることがあるから気をつけて、というレクチャーらしいけど…
人の顔が数十センチのところにあるのにいきなり動かすか？
これ、安全講習なんだぜ？

もう、隣のグループの講師の声を注意深く聞いていた方がよっぽどためになる。
隣のグループで教えている安全確認の動作だって、うちのグループではすっ飛ばされているし。
これで、最終日の実技試験で落第したら、講習料を返してくれるのだろうか。