
御岳山(みたけさん)まで行ってきた。
岐阜の御嶽山(おんたけさん)ではなくて、東京都青梅市の御岳山。
金曜は青梅で仕事があったので、出張ついでに一泊して、ケーブルカー乗りつぶし旅の第七弾とした。
御岳山からは日の出山を経由して、あきる野市方面に降りるハイキング。
青梅は2年前から定期的に出張に来ていたが、武蔵五日市駅からトレーラーバスが運行されているのを知って、いつか出張ついでに乗りに来ようと思っていたのだ。
もみじ狩りはついでのつもりだったが、雲ひとつ無い秋晴れの下、紅葉が見頃の奥多摩野山を散策することができた。
プレ・カレー
宿泊したのは立川のビジネスホテル。
夕飯は立川駅近くの雑居ビル2Fの「カレー工場ハイジ」。

カレー工場といっても、ジョニー・デップな工場長が出てきて、カレーの川が流れているわけではない。
厨房には山親父風のマスターがいて、店内は山小屋風のシンプルな内装だ。
ここでチキンカレーとキーマカレーのツインカレーを注文した。

インド風のスパイシーなカレーだが、日本の米に合うようにアレンジされているようだ。
ラ・サングリアという謎の飲み物を合わせてみた。
なんでも、シナモンやらレモンをつけ込んで醸造する赤ワインだそうで、カレーとの相性はよい。
食べてる途中で気がついたのだが、スプーンは右利き用のカレースプーン。

柄に対して先の部分が傾いている。
右手で口に運んだときに手首が楽…なのかな。
ちなみにこちらが我が家の右利き用カレースプーン。

新潟県燕市の食器製造業者製で、皿のカレーが残さずすくえる。
それにしても、店員さん、何も聞かずに右利き用を出してきたが、はたして客の利き手をよく観察しているのだろうか。
間違って左利きの客に出したら、食べにくいことこの上ないだろう。
いざ御岳山へ~日の出山へ縦走
朝は5:45にホテルを出て、立川駅のコインロッカーに仕事の道具を放り込む。
いまどきのコインロッカーはICOCAで支払いと鍵代わりができるのね。
時代は変わったなあ…某ハンバーガーは進歩しないけど…
6:04発の青梅行きに乗り込むと、乗客の2割がたはリュックをしょって、今から山を登るぞって格好だ。
青梅発6:35の奥多摩行きに乗り換えると、もはや9割がたが登山客だ。
6:56、御嵩駅に到着。

駅舎の屋根はまるでお寺のお堂のようだ。
ここから西東京バス“御10”系統「ケーブル下」行き7:10発に乗ると、始発にもかかわらず満席で立ち乗り客も出るほどだ。
およそ10分で御岳登山鉄道「滝本」駅に到着。

7:30発の始発に乗り込む。

乗ったらすし詰め状態。

ケーブルカーでこんなに混んだ車両に乗るのは初めての経験だ。
かぶりつき席に陣取ることもできず、車窓はまったく楽しめなかった。
6分ほどで御嶽山駅に到着。

降りてきた客で賑わっているが、土産物屋も食事処もまだ開店前だ。
沿線を歩く撮り鉄モードにも後ろ髪引かれるが、今回はここでケーブルカーとはお別れ。
軽自動車が通れるほどの幅の舗装された道を歩いて御岳神社へと向かう。

神社の門前町には宿坊や旅館が多く立ち並ぶ。

ここらに泊まるのも風情があって良かろうが、仕事の道具を持って山をうろうろしなきゃならなくなるのであきらめた。
御岳神社の拝殿と山ガール。
ケヤキと茅葺きとドミーーーーン…

ゴー!

どういうわけか、この町で見かけたのはすべてスバル車、しかもこのドミンゴ以外は全部サンバーだった。
急な坂道ばかりだからリヤエンジンのサンバーはトラクションがかかりやすくて走りやすいのだろうか。
御岳神社の門前町を抜け、日の出山へと向かって歩くと舗装は無くなるが、歩きやすいトレッキングコースとなる。

アップダウンもきつくなく、むしろ神社の石段の方がきつかったぐらいだ。
9時ちょうどぐらいに日の出山山頂、三等三角点に到着。

ここから都心方面を眺めると…

おっ!スカイツリーだ!
初めて生で見た~!
高っけーなー!
青春号に乗車
しばらく奥多摩の山の景色を堪能した後、あきる野市方面へと下ると、「顎掛岩」なるものがあった。

立て札によると、ヤマトタケルが顎を乗せて関東平野を見渡したとか。
だが、おとぎ話にしたってリアリティがない。
遠景を見渡すのに、わざわざ顎を乗せるのはスナイパーぐらいだ。
小一時間ほど下ってハイキングコースを抜けると、ここからは都道184号線を歩く。

写真の中央奥がハイキングコースの入り口だ。
手前に苔むした橋が架かっていて、欄干には板金のオブジェが飾られている。
向かって右にはザリガニとカエル。
この二つは良くできているのだが、左手奥のはなんだ?

胴体はなかなか動きのある魚だけど、顔は…ハゼどん?
都道を20分ほど歩くと、つるつる温泉に到着。
ここからトレーラーバスの「青春号」に乗るのだ。

西東京バスの“五20”系統で、土日はおよそ1時間に2往復の運行のうち、1往復はこのトレーラーバスで運行されている。
外観はSLと客車というデザインに改造されていて、救急車などの特装車両を手がけるメーカーが製造したそうだ。

自動車をSL風の外観にすること自体にムリがあるのだが、この造形はまだましなうちか。
外観はともかくとして、乗用の牽引自動車が登録されている事例は、ここの他にはないはず。
幕張などで走っている
連接バスも日本ではめずらしい乗り物だが、これは牽引自動車ではない。
マニアックな乗り物として、乗車する価値は十分だ。

運転室と客室が分かれているので、ワンマン運行はできず、車掌が乗務している。

朝の便で温泉から帰る方向に乗る客なんてわたしぐらいのもの。
車掌さんと世間話をしながらの乗車体験だった。
エンジンの振動や音が直接は行ってこないので車内は比較的静かだ。
だが車掌さん曰く、普通のバスより乗り心地が悪いとのこと。
たしかに、サスペンション自体も乗用としては硬すぎる感じがする。
それよりもやはり、セミトレーラー特有のロールが大きい。
例えば、4輪で支えられる普通のバスは右後輪がギャップに乗り上げても、左前輪が踏ん張るから横揺れは少ない。
それに対して、後輪と連結部の3点で支えられているセミトレーラーは、踏ん張りがきかずに乗り上げた衝撃がそのままロールとなって顕れる。
なるほど、トレーラーバスにはこんな欠点もあったのか。
ポスト・カレー
武蔵五日市からは五日市線、青梅線で立川に戻って仕事の道具を回収し、中央特快で東京駅に出た。

初めて見る新装東京駅。
やっぱかっこいーなー。
東京に住んでいた子供の頃、子供の目で見ても旧駅舎は古くささだけが目立つ中途半端な建物だったと思っていたものだ。
東京駅では、八重洲北口近くのキッチンストリート内にあるカレー屋「京橋ドンピエールエクスプレスカレー」で昼食。
贅沢に特性ビーフカレー大盛り、サラダ・ドリンクセット(2100円)を注文した。

まあ、3500円のカツカレーには及ばないが。
カレーとしてはパンチがなくて、やさしすぎるかな。
カレーと言うより、ビーフシチューのカレー風味といったところか。
ごろっと角切りにしたビーフはとろけるほど柔らかく煮込まれていてうまかった。
天気もサイコーで、ハイキング日和だったわ~。