東 大輔(久留米工業大学大学院) Car Aerodynamic Desigh  

高校のときに読んでいた流体工学関連の書物。英字本だが、図解が丁寧かつ豊富なので、なんとなく文意を理解できるし、感覚的に捉えやすい。
無料アプリで閲覧できるように、あらゆる物体まわりの流れに関する風洞実験、また流体解析の結果が付属しており、それを多角的に眺めるだけでもかなり勉強になる✏️。
※ナビエストークスとかベルヌーイ、クッタジューコフスキー、連続の式を駆使せよ、みたいなそんな激ムズなことは記載されていないのでご安心を。


さてさて、いまさらパーツレビューしたのは、エアロパーツ設計に関する問い合わせが数件あったことが理由のひとつ↓。あとは興味。
★エアロパーツ(カナード、スポイラー、ウィング、タンブルジェネレータ、フィンアンテナ、ボンネット、グリル、ドアパネル、ルーフも含む)の装着にはもちろん物理的な意味があり、装着目的により選択的な位置設計が必要になる。
たとえば、目的が同じであっても、それをクルマAに装着した場合とクルマBに装着した場合とでは、獲得できる効果は違ってくる。流体と物体との間に働く相互的な作用により、複雑に絡み合っている。
無論、素人がエアロパーツの(見た目以外の)本当の存在意義を理解し、装着することは困難を極める。
(つまり、メーカーのいうとおりに着けることしかできない)

そんなときに是非一度、読んで欲しい書物のひとつ。
冒頭のとおり、流体工学は非常に難しい学問であることは間違いない。ただ、現実世界(身の回り)に引き付けて考えると、あぁなるほど!そういうことか! 似たような体験がある! ということを自覚することもしばしば。頭が狂いそうになるほど難しい数式、現象も、エアロダイナミクスの概要を把握するうえでは、完全に忌避されたものではない。
是非一度、読んでみて欲しい!
(ネットで6000円くらいで買えます。もう中古しかないかも?ですが、この場合は10000円くらいはするかも。)


【特徴】
・自動車メーカーの研究結果(グラフ等)が記載されている。有益情報。
・パーツ・ボディ形状が空力特性に与える影響を把握できる。


【導入として読んで欲しい部分】
・ボディ側面の流れ
→バンパー側面、フロントコーナーのデザインが平坦な理由を説明できますか??

・リアウィンドウ
→ハッチバック、セダンによって、汚れかたが異なりますよね? もっというと、リアワイパーがあったりなかったり。カッコいいデザインは空気抵抗が大きい。ある車種は、空気抵抗(燃費性能)を犠牲にして、デザインにふっているところもある?!