JK03 フォークOリング劣化修理とフォークオイル交換
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
いつもバイクカバーをかけているので、乗車前には必ずフロントホイール付近を見ることになるのですが、何やらオイルみたいなものが付着しているのに気が付きました。
フォークのオイルシール付近もキレイで、ドレンや上の方を覗き込んでもオイル汚れも無く原因不明で、走行後にもオイル汚れが無いので様子見しておりましたが、翌週も乗車前に見たらオイルが付着しておりました。
ネットを徘徊して調べて、同じOリングを使っているカブでOリングの劣化と思われる内容を見つけ、ほぼ原因が確信できたので、Oリングとフォークオイル交換作業をすることにしました。
画像は、左上が問題発生していた右フォークのOリング。右上が左フォークのもの。ほとんど違いがわかりません。
左下は純正品にサイズが近いものですが太過ぎて使用できず。
右下が新品の純正品です。入手が少し難しいのですが、旧JASO F404-2017 NOK型番:CO0608-H0 が同サイズになると思います。
2
ホイールを外す前に一通りボルトを緩めておいてからジャッキアップして作業しました。
ブレーキキャリパー12mm30N
ブレーキホース8mm
フォーククランプ14mm64N
アクスルシャフト14と19mm59N
3
フォークを外してからの作業は屋内で行いました。画像左が問題のあった右フォークです。オイルが漏れた跡などは見つかりませんでした。
4
難関キャップ外しです。ポイントは、フォークが伸びた状態で作業することです。フォークを縮ませた分は、キャップを押し込むチカラに加算されます。
椅子に座った体勢でインナーチューブをクランプしたものを膝に乗せて、フォークが床に付かない浮いた状態で作業しました。
それでも大変なので、次回やることがあれば、三方締めクランプか自作治具を用意したいです。
砂粒があったのでブラシでかき出しオイルスプレーを吹いて動きやすくしました。
5
短いプラスドライバーを左手と顎でキャップを押し込んで、ピックツールでリングを外しました。リングの切れ目の反対側をかき出す感じでした。
リングを外した後は、フォークを縮めるとキャップが盛り上がってきました。
問題があった右側は、気密が抜けてい
た感じでした。
6
漏れた量を測りたかったので、計量カップを被せてからひっくり返してシュコシュコと動かしてオイルを抜きました。目盛りが大きいので正確にはわからないのですが、抜けた分は微量でわからない程度のようでした。
7
300mlのオイラーに左右2本分ちょっとで150mlほどフォークオイル(スズキ純正エクスター G-10を使用)を入れて作業しました。
外径5mmのABSパイプに100均の熱帯魚シリコンチューブと側面が平らな洗濯バサミ、太さ合わせのゴム管で即席自作のオイルレベルゲージです。オイラーをスポイトの代わりとしても使用します。
バネは密の方が下です。
バネを抜いて、63.5ml以上のオイルを入れてゆっくりシュコシュコして馴染ませます。フォークを一番縮めた状態にして10分くらい放置して気泡が抜けるのを待ってから、オイルレベルゲージで74mmに合わせます。
フォークを伸ばしてバネを入れて、 Oリングを交換したキャップを押し込み、ストッパーの金属リングを嵌め直します。
小さなマイナスドライバーを使いましたが、溝の中でリングを回転させることができれば、しっかりと嵌まっている確認ができます。顎も使って短いプラスドライバーを押し込んでいるので、老眼が進行した年寄には見えません。
8
再び屋外に戻って、元に戻します。ついでに普段できない裏側の掃除もやっておきます。
フォークの取付手順ですが、アクスルシャフトの水平出しに注意しました。詳しくはKMTさんの動画を見ていただくのがよろしいかと。
https://www.youtube.com/watch?v=31gTX6Zm42s
フォークには溝があって、フォーククランプ上側ボルトが通るので、ある程度位置が固定されますが、それでも2-3mmくらいは上下します。
最初に左フォークを手探りで上下真ん中あたりになるようにして動かない程度に固定します。
次に右フォークを軽く固定してからアクスルシャフトを通し、右フォークを上下させて、手で軽く回る位置に合わせて固定します。
ホイールを嵌めてジャッキを外してから規定トルクまで締めます。
このひと手間でハンドリングが結構変わります。ホイールベースが短くなった感じで微速域でも安定して、タイヤ温度も上がらない真冬なのに無駄にコーナーに突っ込みたくなってヤバいです。
最初の数kmはタイヤの偏摩耗修正で少し不安定になります。
9
最近、作業に使っている椅子です。軽くて場所を取らずスゴくいいです。
10
今回、いくつか条件が重なって偶然オイル漏れに気が付きましたが、フォークに直射日光が当たらない場所にバイクカバーをしないで保管していて毎日のように乗っている人だと、気付かないことが多いような気がします。
オイルシールからの漏れも無く、ダストシールもキレイなので、バイク屋さんに見せても原因不明になりそうです。
作業前、最後にはブレーキかけるとゴゴゴってなるのも久々に経験しました。空気のダンパーが効かなくなったせいかもしれません。
コロナ下サプライチェーンの混乱で粗悪品が使われたのか、ネジ込みタイプのキャップと比べてキャップが動きやすいせいで劣化が早いのか定かではありませんが、現在3年半8500kmほどですが、初回だけでも2年か5000kmくらいでOリングとフォークオイル交換をしておいた方が良かったように思われました。
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