明日は10月10日。かつては「体育の日」だった。
ちょうど60年前の1964年,東京オリンピックの開会式の日にちなみ翌々年から30年以上施行された祝日である。
2000年からはハッピーマンデー制度に基づき,10月の第2月曜日に変更されたが,秋であることに何ら変わりはない。
食欲や読書と並びスポーツは,やはり秋の代名詞と言えるだろう。
ところが,最近は文科省の指導とやらで,運動会を春に移行する学校が増えている。
どうやら,厳しい残暑の練習中における熱中症対策や文化祭,合唱コンクールの行事が秋に集中することによる分散化。受験に備える時期でもありカリキュラム圧迫の回避などがその理由らしい。
しかし運動会といえばクラス対抗や紅白に分かれ,団結力を競うのが目的であり,まだ連帯感も深まっていない春に実施するのは,違和感を感じざるを得ない。
週末から3連休。秋雨前線の影響が少し気掛かりだが,どこかで応援合戦の大声援が,高らかにこだますることを,期待するや切である。
そんな季節感をこよなく愛でる私ではあるが,実は,出場するのは嫌いだった。
だが私の少年時代,クラスに誰よりも運動会を待ち望んでいる友人がいた。
彼は,巨漢と言えば聞こえは良いが,体操着の上からも脂肪のたるみが分かるぐらいの,俗に言うデブである。
当然100メートルを走らせても遅い。組体操や騎馬戦では地味なポジションしか与えられなかった彼だが,唯一,みんなの期待を一身に受ける種目があった。
運動会で最も力が入り盛り上がりを見せる競技。それは綱引きだ。
最後尾で体に綱を巻き付け,さながら,孤軍奮闘するかのごとく鎮座する勇姿は,彼を一躍クラスのヒーローに押し上げたのだった。
その彼と数年前,何十年か振りで顔を合わせた。
巨漢さは相変わらず健在で,心なしか当時よりもリファインされたシルエットに安堵さえ覚えた。
ところが,私が懐かしさのあまり,綱引きのことを喋り出すと,何故かその話はやめてくれと,さえぎるのだ。
「どうした?何があったんだ?」私が問いただすと,彼は重い口を開き始めた。
数年前に息子の運動会で父兄参加の綱引きに出場したときのことだそうだ。
いつものように最後尾に陣取り,体に綱をグルグル巻きにして,家族に良いところを見せようと,心を落ち着かせ準備した。
号砲と共に綱はギュと軋(きし)み,彼のキャリアでも稀に見る好勝負で一進一退。
敵もさる者。白熱の攻防戦を繰り広げている最中に大向う(歌舞伎の掛け声)が飛んだ。
「よっ!待ってました!ボンレス屋!」
会場は笑いの渦に包まれ,どちらが勝利したかさえ記憶にないそうだ。
「ネタに使えるじゃん!」笑いながら私がそう慰めると,彼は下を向いた。
「翌日から地元じゃ俺はボンレスおじさんさ。それだけならまだいい。息子はチャーシューと呼ばれているらしい」
「ガキのころは,笑いを取れる奴が人気者だったじゃないか…」私の意味不明のツッコミに,彼は反応しなかった。
それを最後に友人とは会っていないが,彼を思い出すのが運動会シーズンから,お中元・お歳暮の時期に変わったのは,言うまでもない…
10月だというのに,なぜかまだ暑い。
例年なら,そろそろ鍋料理でも…なんて気分になるのに,今日はどう見ても冷やし中華が恋しい。
しかし,当然ながら冷やし中華なんてありゃしない。
そんなことを思いつつ街を歩いていたら,ふと目に飛び込んできた「冷製煮干しそば」。
なんだこれ?冷やしラーメン?しかも煮干し?あの,煮干しって冷やすものなのか?と一瞬頭をひねりつつも,暑さに負けて即注文。
席に座って,冷やしラーメンを待ちながら頭の中は混乱していた。
例えば,10月にカキ氷を出す店は季節感のない店?秋の真夏日に出すなら季節感がある店?
…と思い悩んでいると,ついに待望の一杯がやってきた。
目の前に置かれた丼ぶりを見た瞬間,思わず二度見した。
冷たいスープに浮かぶ具材たちは,まるで「これが新しい秋の定番さ」とでも言わんばかりに堂々としている。
なんとも見慣れた顔ぶれなのに,冷やし中華の代わりに出てきたと思うと妙に可笑しい。
ナルトよ,ゆで卵よ,お前たちも秋の冷やし担当か?と心の中でツッコミを入れたくなった。
恐る恐る一口スープをすすってみると,これが意外にも…うまい。
え?冷たいのに,煮干しの風味がしっかりしている?冷たい煮干し… ありじゃないか!
スープの清涼感に驚きつつ,次は麺を一口。
これまたしっかり冷えているのに,煮干しのコクが存分に絡んでくる。
冷やしラーメンなのに秋らしい,なんて無理矢理に思っていた自分を反省しつつ,ついにラーメンを完食。
季節感なんて忘れて,ただ自分の欲求に従ってみるのも悪くない。
冷やし中華がなくたって,こうして偶然出会った「冷製煮干しそば」。
これが私の新しい秋味だ。
ラーメンに季節感があるのか?ないのか?そんなことはどうでもいい。
美味しいものは美味しいんだから。
憧れていた学校の入試に失敗したり,優勝まであと一歩のところで涙を飲んだとき…
「ちくしょう!来年こそは!」と熱い闘志を胸に秘める。
案外,人は…敗北感に打ちひしがれたときこそ,意気が揚がるのかも知れない。
自民党の党内基盤が安定していない石破茂新総裁は,党の役員人事において決選投票で敗れた高市早苗氏に総務会長への就任を打診した。
しかし,何と高市氏はこれを固辞。
総裁,幹事長に次ぐ美味しい要職を蹴ってまで彼女が目指すのは?
もちろん次期総裁のイスであり,初めてづくしの大谷選手ばりに,初の女性総理大臣という肩書きだ。
そのためなら挙党一致態勢もかなぐり捨て,最悪自民党がいったん下野しようがアウトオブ眼中。
まず,自分が役職に就くと「言いたいことが言えなくなる」と考えている節がある。
重要な党内役職に就くと,党の方針に従わざるを得ず,自分の信念や政策に反することがあっても自由に発言や行動ができなくなる。
自身の主張やスタンスを守るため,党の統制下に置かれたくないという意向だろう。
そして,石破内閣を不安定にさせ,弱体化を図る狙いが見え隠れする。
彼女が石破体制に積極的に協力せず,党内の反発を煽ることで,早期に石破内閣の退陣を促し,その後釜を狙うつもりなのは見え透いている。
このような動きに見られる権力闘争は,自民党ではむしろ御家芸とも言えるが…
高度成長期にあった昭和ならば,誰が神輿(みこし)に乗っても問題なかったし,返って中身のない空っぽな奴の方が,かつぐ方も楽だった。
だが,国民生活を始めとする問題山積の令和において,所属政党さえ食い物にする利己的な政治家に,国民が待望する首相が務まるだろうか?はなはだ疑問である。
これだけ政治とカネの問題で自民党が失墜したにもかかわらず,総裁選挙に必要な推薦人20人のほとんどが裏金議員だった高市氏。
キャッチコピーの「サナエあれば,憂いなし。」は,誰に向けられた言葉なのか?空々しく聞こえる。
安倍元首相の後継と目され,おごり高ぶる前に,先ずはそこから襟を正す必要があるだろう。
夏が終わる、その前に・・・ ( ´・ω) カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/08/31 06:55:10 |
![]() |
岡谷のうなぎとニッコウキスゲ (後編) カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/07/12 06:11:10 |
![]() |
スイッチラベルの自作 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/05/26 09:25:32 |
![]() |
![]() |
ヴァイパーブルー (ケータハム セブン480) 480R(LHD 5MT)に乗っています。 ★Open top ☆Wheelbase- ... |
![]() |
ファイアーレッド (ロータス エリーゼ) ELISE 220Ⅱ(LHD 6MT)に乗っています。 ★Targa top ★Whe ... |
![]() |
ブルーラリー (アバルト 695 (ハッチバック)) 695 TRIBUTO 131 RALLY(LHD 5MT)に乗っています。 Hat ... |
![]() |
ブルーアルピーヌメタリック (アルピーヌ A110) A110 PREMIERE EDITION(LHD 7DCT)に乗っています。 Co ... |