OBDlinkシリーズの比較

最安系のelm327 約1000円
高めのobdlinkシリーズ各 約12000円～



下記のどれかがヒットする人はコスト差10倍以上の価値があると思います。

高速な更新周期
CANbusモニタ
セキュリティー
特殊プロトコル対応（BMWコーディング、GM&Ford)

【ELM327がお勧めな人】
とりあえず雰囲気を感じてみたいだけ。
ダイアログコードをちょっと見るだけ。
挿しっぱなしにしない。

【OBDlink LX,MXがお勧めな人】
挿しっぱなし。
セキュリティーが気になる。
OBD2でレスポンス良く表示させたい、データを記録して後で見たい。
★racechronoのCANbusモードでCANを直接モニタしたい。

【CXがお勧めな人】
LXの特徴に加えて
BMWを所有しててコーディングしたい。
ただし、挿しっぱなしにしない。
★追記
複数のアダプタを同時使用する人にもCXはオススメです。
CXだけBLEなので複数同時使用でもスピードが落ちにくかった。例えばLXでOBD、CXでCANbusモニタみたいな使い方。
CX以外で同時使用すると速度ほほぼ半減でした。

■iPhoneはNG
OBDlink Wi-Fiなら繋がるらしいですが未確認です。

■まずは更新レート
数字は1秒間に何回送信しているか（Hz）です。

基本的にOBD2の方が遅いです。
仕組み上仕方ありません。

■全体的に
OBDlinkシリーズは速い。
ELM327は遅い。
※CANbusのモニタリングはELM327は非対応です。

ただし、ATOTO S8（ナビ）はOBD2の差があまり出てません。

機種への依存度が大きいので試してみないとどれだけ早くなるかは分からないのが微妙なところ。

■Androidの差
CANbusのモニタでPixel7の速度がいまいちだったりしますが、これはAndroid側の仕様によります。

正確には、AndroidのドライバとBluetoothを使うアプリのコマンド（ベースの転送周期など）に依存します。

なので、同じ機種でも入れてるアプリや同時に繋いでるBluetooth機器により早い遅いの差が出ることがあります。

■表示レスポンス
obd2コネクタに挿して回転数やアクセル開度なんかをスマホのメータ表示してる人、多いと思います。

でも
表示は遅れるし
カクカク動くし
なんか残念…

て人も多いのではないでしょうか？
それは更新レートが高いアダプタに換えるとマシになるかもしれません。
※車両側のレスポンスが遅いとどうにもなりません。

■CANbusモニタ
したいならOBDlink一択です。
OBDlinkシリーズの違いは下記で。

OBDlinkシリーズの大きな違いはペアリングボタンが有るか無いか。

CXはペアリングボタンが無く、Bluetooth接続してない状態では誰でもペアリング出来てしまいます。挿しっぱなしで放置には向いてません。（ELM327も同じ）

CXはBMWのコーディング対応が特徴なのでロガーとして使うだけなら現行品のLXがお勧めです。Android端末によってはLX,MXより早いことがあるのでログのサンプリング周期が欲しい人はメリットになるかもしれません。

MXは廃盤です。現行品はMX+。
MX+は高いのでFord,GMと通信する人以外メリットが無いかもしれません。

OBDコネクタの電源は常時電源なので、自動待機モードが無いと長期保管でバッテリー上がりするかもしれません。ELM327は触るとそこそこ暖かいので消費電力は無視できないと思います。

配線を作ってアクセサリー電源から給電するとバッテリー上がり問題は解決できますし、保管時に知らない人にペアリングされるリスクも下げられます。（アイドリングや信号待ちではどうにもならないけど）

CXは小型。

OBD2の更新レート確認方法

OBD2で車両側にリクエストを出し、取得したデータをracechronoに転送する周期を確認しました。

OBD2は必ず1データ毎に
ECUへリクエスト
→ECUからのレスポンス
というやり取りが必要です。

なので、OBD2は取得対象の項目を増やすほど確信号の更新レートが下がります。

逆に項目を減らせばそれなりに高速化できます。（半分に減らせば確信号の更新レートは倍）

ただし、車両側の応答レスポンスやAndroid側の性能に影響を受けるので思ったほど早くならないかもしれません。
※画像はOBDlink MX＆Pixel7の例

CANbusの更新レート確認方法

CANbusに流れているデータをracechronoに転送する周期を確認しました。

OBD2と異なり項目を減らしても更新レートはほとんど変わりませんでした。
（恐らく取得したデータをある程度まとめてAndroid側へ転送しているものと思われます）

もちろんCANbusもOBD2と同様２車両側の通信レートやAndroid側の性能に影響を受けます。
※画像はOBDlink MX＆Pixel7の例

GR86の場合、車両側に流れているCANのパケットは1000～500Hz程度のようなので、できる限り取得している状況。

リスクの話し

■ELM327
安いパチモンチップ搭載のELM327は内部にどんな機能が仕込んで有るか分からないので個人的に使う気になりません。

極端な話、悪い人が繋いで●●なことをできる可能性もゼロでは無い…

リスクは自分で判断＆管理しましょう。

■独り病み
GRヤリスで話題なので気になる人はOBD2コネクタに何も挿さない方が良いと思います。

変な通信、高負荷な連続リクエストで変なモードに入るリスクは０ではないです。
（連続通信だけならトヨタのサービスツールもそこそこの更新周期だから独り病みのトリガは別にあると思うけど）

■CANbusモニタ
CANbusモードはモニタするだけなので配線をやたらと延長しなければリスクは低め。

CANbusモードだとOBDlinkから何も信号が出てないことは確認しました。

また、CANbusにダイレクトに繋いだ状態で間違ってracechronoのOBD2モードで動作させると車両内のCANbusに変な信号が流れるので独り病み状態になるリスクがあります。

独り病みにならなくても変なダイアログが残るかも知れません。


■最後に
仕事じゃねーかよ！と一通り書いてから思いました。
何か質問あればコメントください。

■追記2023.12.24
OBD2とCANBUSを同時にモニタした場合の更新レートです。

BLEのCXと組み合わせた場合にいい結果になりました。

一方単体で高速だったLX,MXはCX以外と同時使用すると更新レートが半減しました。ATOTO側の通信タイミングなどの都合で帯域を分け合ってるんでしょう。

車輪速の一瞬の動きを見ようとすると最低でも50kHzは欲しい。

となるとOBDlink自体のレートはもっと余裕が欲しいので必然的にCXを使うことになります。