エンジン組立て 2
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
まずは腰上の組立てです。
部品取りになるかと思って購入していたもう1台のエンジンのピストンは焼き付いてピストンリングも同化してしまっていたので、やむなくピストンは某中華製。
試しにピストン単体でシリンダーにハメてみたところ、ガッチガチ。まあ、中華製ですからねぇ…
このまま取り付けたら100パーセント焼き付くので、シリンダーとピストンを400番のペーパーで磨いておきました。
シリンダーはクロスハッチになるようにナナメに交差するように満遍なく、ピストンはペーパーでくるんで円周方向にグリグリと偏りがないよう注意して磨きます。
コンロッドに取り付ける際、ピストンピンは新品(メイド・イン・チャイナ)に交換しますしたが、クリップは純正のほうが摘みやすい形だったので、もとの部品を清掃して使います。
取り付けたら、軽くクランキングさせてみてちゃんとピストンが首を降るか確認。
うん、大丈夫そう。
ついでに、ジェネレーターとフライホイールも取り付けておきましょう。ベースプレートは向きに気をつけてネジ留めして、ジェネレーターは裏表に注意して取り付けます。
2
いよいよ腰上オーバーホールのハイライト、シリンダーの取り付けです。
作業中に位置を安定させるため、ピストンは下死点あたりまで下げておきます。
ピストンとシリンダーはエンジン点火時に焼き付かないよう、潤滑油として2ストオイルでしっかりテカらせます。
イイよっ!キレてるよっ!
オマジナイを唱えつつ、ピストンリングをピストンの切り欠き位置にあわせて外れないよう押さえつけながら、まずは1段目までシリンダー内に軽く挿入します。
リングがしっかりシリンダーで固定されれば、2段目のピストンリングも同じように切り欠きに合わせて押さえつつ、シリンダーをハンマーでコンコン叩いて押し込みます。
おおー、案外スルッと入る!
バリ取りの効果でしょうか。意外にも労せずシリンダーと合体完了です!
ちなみに、ピストンは前後があり、たいていは排気ポート側に←のマークがついてたりしますが…
あんた、なんか歪んでね?
まあ、中華製品なので気にしません。
もとのピストンと同じ方向であることを確認して、ヘッドガスケット(安心と信頼の中華製)をセットして、シリンダーヘッドを組付けます。
あとはサーミスタとサーモスタット、スパークプラグを取り付ければ、シリンダーの組付けは完了です!
試しに手でフライホイールを回してクランキングさせてみると、シュポッと空気が圧縮、排出されている感覚があります!
すごい!
あの焼き付いてコゲコゲサビサビだった不動エンジンが、今、ゆっくりと息をしてますよ!
3
このテンションをキープしたまま、お次はキャブレターの取り付け。
キャブレター本体は既に分解清掃しておりまして、あとはガソリン流し込んだときにオーバーフローしないかどうかと、ちゃんとオイルが流れるかが心配です。
2ストエンジンの場合、シリンダーの吸気側にはリードバルブというバルブがついてます。◁の形をした部品に、薄いゴム状のシートが付いていて、エアクリから吸い込んだ空気は、キャブレターでガソリンとオイルの混合気となり、このリードバルブのゴム状の板を、居酒屋の暖簾をくぐるように通り抜け、クランクケース内で圧縮、爆発します。
爆発後の排気は排気ポートから出るわけですが、4ストエンジンのように吸気、排気のバルブが開閉しないので、一部の排気はキャブレター側に戻ろうとします。
ところが、リードバルブの薄い板ゴムは排気側からは◁部品に押し付けられるので、排気がキャブレターに戻らないという非常にシンプルな仕組み。
リードバルブは2次エアを吸わないように、ガスケットで密封してあげるのですが、さすがは中華製。
ガスケットは1枚しかありません。
仕方がないので、シリンダー側に中華ガスケット、インテークマニホールド側に液体ガスケットを塗って接続します。
インテークマニホールドとキャブレターを繋ぐゴム管をクランプで固定してキャブレターはセット完了です。
4
次にラジエター周りのセットです。
ラジエターコアはフレームにボルト2本で留めてます。あと、CDIがラジエターのステーと共締めになるので一緒に取り付けておきます。
配線はCDIに線の色が刻印されていてわかりやすいです。えーと、ROSSO,BIANCO,VERDE…
さ、さすがはスペイン製、ってイタリア語かい!
まー、ジェネレーター周りはドゥカティやからね。
ハーフなデル美ちゃん、カッコいいですね。
CDIがついたので、プラグコードも取り付けます。
だんだんバイクの形になってきました!
5
キャブレターがついたので、エアクリーナーを取り付けます。
フィルターのエレメントは最初の分解清掃をしたときに溶けてなくなってしまいましたので、モノタロウで汎用品を買ってます。
ちなみにエレメントの厚さは10mmでいけました。
で、エアクリボックスをフレームの中に押し込むのですが、シート下のガソリンタンクが邪魔で入りません。
取り外すときは大丈夫だったのに、取り付けでは入らない。
あるあるです。
しかし、外装をバラしたときと違い、今は伝家の宝刀、インパクトドライバーがありますから、固着したネジなんざ、チョチョイのチョイです。
ところでチョイって何でしょうね?
で、ガソリンタンクを外してエアクリーナーを押し込んだところまではいいのですが、キャブレターと繋ぐゴム管が硬化していて何度グリグリしても入りません。
というわけで、奥様の寝室からこっそりドライヤーを拝借して、スイッチオン!
ゴム管がドライヤーの温風で柔らかくなり無事にハマりました!
ゴム管をリングバネのクランプで固定すれば、完了。
ついでにガソリンタンク、ガソリンコック、オイルタンクも取り付けていきましょう。
6
サビサビだったラジエターのホースはクエン酸で漬け込んで、パイプブラシでゴシゴシして粗方の錆は落としましたが、何本かのホースは硬化して割れてしまって使えそうにありません。
なので、ホームセンターに耐圧ホースを探しに行きました。
ただ、内径11mmのホースがなくて、12mmか9.5mmしか見つからず…
やや賭けですが、いったん9.5mmをチョイス。ガバガバで漏れるよりはいいだろうと。
で、このキツメのホースを「ふんぬーっ!」と全集中でラジエターコアにぶち込みます。
やってて良かった、chocozap!
力ワザでなんとかホースの接続成功。各ホースのクランプは、あのこじって外すやつから付け外しがしやすいステンレスのネジ式に交換です。
これでついにエンジン周りが組み上がりました!
長かった戦いにいよいよ終止符が打たれるときが近づいてきています!
7
これまでの手順に問題がなければ、エンジンがかかるはず。
とりあえず、始動テストのため、サビサビチャンバーをいったん取り付けて…
おっも!
クソ重っ!!
シリンダーの排気ポートはやや下向きで、しかも固定ボルトはチャンバーのフランジをシリンダーのネジ穴に共締めする形なので、チャンバーを排気口に保持したままボルトを閉めなければなりません。
いくらchocozapに通っているからとはいえ、この長く曲がりくねった鉄の塊を、片手で持ってボルトを締めるなどという芸当ができるはずもなく、取り付けるためにはチャンバーをジャッキに乗せるほかありません。
ここに来て、なんだか負けた気分です。
ま、落ち込んでも仕方ありません。
気を取り直してチャンバーを取り付け…なんかフィット感イマイチやねんけと、大丈夫?
まあいいや。今は点火さえすればOKやし。
というわけでチャンバー取り付け完了し、あとはギアオイル、エンジンオイル、冷却水をいれれば、点火準備完了!
これまで出番のなかったデル美ちゃんのキーがようやく日の目を見ます。
さあ、緊張の一瞬。
バッテリーを接続したら、いざイグニションオン!
スタータースイッチオンっ!
すーん…
無反応のデル美ちゃん。
あれ、何でしょう?
と、ハンドル周りを見てみると、ハーネス繋ぐのを忘れてました。
いや~、失敬失敬。
気を取り直し、メインキーとハンドルスイッチのコネクタをつなぎ、再度イグニションオン!
スタータースイッチオンっ!
ヒョーン…
ひょーん…?
なんや? ひょーんて何や?!
セルモーターを覗き込んで、もう一度スターターを押してみます。
すると、確かにセルモーターは回っているのですが、肝心のピニオンギアが飛び出してきておらず、フライホイールに噛み合っていません。
まじかぁ~!
セルモーターは導通テストだけで済ませてしまっていたので、動作チェックを怠ってました。
まさかの点火テストの持ち越し…
くそー。
そう思いながら、エンジン下のセルモーターを取り外そうと、ガチャガチャいじってたら…
ポタっ…
ぽた?
思わずガレージの床を見ると、そこには鮮やかな緑の液体。
こ、これはっ!
こんなもん、ペロっとしなくてもわかります。
さっき入れたクーラントです。
どこからか、クーラントが漏れているではありませんか!
メーデー、メーデー!
エマージェンシーです!
慌ててウオーターポンプのドレンプラグを抜いて冷却水を抜きます。
事と次第によっては、またエンジン組み直しです。
くそー、やはり一筋縄ではいかない、ワガママガール、デル美ちゃん。
もう一度ヘッド組付けからやり直します。
ラウンド2、ファイト!
続きます
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