インタークーラースプレー用タンクへの自動補水システム(04/11)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
引き続き、補水パイプ&水位センサー部分の製作です。
ここで、写真に写っている、水位を検知する電極部についてちょっと補足。
考案当初は補水パイプにステンレス線を這わせ、接着剤でパイプと一体化させようとしていました。ただ、これだと水の表面張力ですでに水位が下がっているのに電極は導通しっぱなしになってしまって誤動作することが懸念されます。
また、電極の設置場所がエンジンルームに設置したカンガルー式タンクの中で、自動車の動きにより、タンク内では常に水面が揺れ波立ちが起こります。Gによる波立ちの影響を少なくするには、補水パイプと同じABSパイプ2本、これを補水パイプに添わせて接着し防波菅とし、上部には空気孔を開け、この防波菅の中に電極となるステンレス線を収める方法があります。ただ、これもカンガルー式タンクのキャップ部分に5mmのパイプ3本を収めるのは結構きついです。また電極を収める防波菅にとしてのABSパイプの内径は3mmしかありませんので、0.9mmのステンレス線をきれいにど真ん中に収めたとしてもパイプ内壁とのクリアランスは1.05mmしかありません。パイプ上部に空気孔があったとしても、前述の表面張力による誤動作の可能性が高まりますし、経年変化でステンレス線がパイプ内壁に接触してしまうとやはり誤動作の可能性が高まります。
そこで、今回は補水パイプから適当な間隔(中心距離で5mmずつ)となるようにした裸のステンレス線を2本ぶら下げる構造にしました。長年の使用でステンレス線が少し曲がっても指先で簡単に手直しができます。
Gへの対策として、あとは制御回路側でヒステリシス特性を持たせるなどがあります。
前置きが長くなりましたが、補水パイプ&電極部分の防水性能確保のための充填剤を打ち込むための型枠づくりです。
PPクラフトフィルムをとりあえず10cm角にカッターで切り出しました。
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充填剤で固める部分のサイズを適当に(適切に)なるように、カッターで切断します。
PPクラフトフィルムは厚み0.2mmなのでカッターで簡単に切れます。
切り抜いたPPフィルムは定規などを使って、写真の様に直角に折り曲げます。
なお、長手方向は多少長めに覆われるようにしました。電極のステンレス線ははんだ付け部分から先端に向かって3cm確保してありますので、多少多めに覆っても大丈夫です。将来、経年劣化でステンレス線の先端部分に腐食などが起きても、補水パイプ&ステンレス線を、先端だけ少し切ってリフレッシュできるようにしました。その時に、今回覆った部分も必要に応じて少し短くする余裕を持たせました。
補水パイプと電極部分の間隔は大事です。カッターで十字に切り込みを入れ、その部分を起こしてパイプを挿入しますが、そのパイプ中心から5mmの位置にステンレス線が通るよう穴開けします。
反対側の、補水パイプにエルボが接続される側は、電極に繋がるリード線2本も出てきますので、こちらも、先端分より少し大決めな十字の切り込みを入れ補水パイプ+リード線・2本が通れるように加工します。
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PPフィルムの加工が終わったら補水パイプ&電極はいったん取り外し、PPフィルムの内側にシリコンスプレーを吹きます。
パーツレビューにも書きましたが、当初、型枠材としてはテフロンシートを使用したかったのですが、あいに、自分が行ったホームセンターに扱いがなく、身近にテフロンと言えば水道配管用のシールテープがありますが、これを型枠材の表面にきれいに張るのはちょっと自信がなく(テフロンは普通の接着剤や粘着テープが着きにくいです)充填剤を充填し始めてから剥がれるとものすごく面倒なので、シリコン系シール材の着きにくいPPフィルム+離型剤としてのシリコンスプレーで代用することにしました。
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型枠に補水パイプ&電極部分をセットする前に、シリコン系シール材を塗って、ある程度盛っておきます。確実な防水性能の確保のためです。
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4で準備した補水パイプ&電極部分を慎重に型枠に収めます。型枠から飛び出す先端部分や根元部分は、型枠の開口部分から外に引き出すときに離型剤が付着してしまいますが構いません。但し、型枠内部に位置する箇所は、決して離型剤が付着しないように注意する必要があります。離型剤が付着してしまうと、シール材がうまく着かず、結果、そこから水分が侵入してしまうからです。
なお、型枠に収めるとき、エルボはいったん取り外して、枠に収めてから再度パイプに取り付けました。
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型枠に収まった補水パイプ&電極部分に、バスコークNを充填して行きます。
バスコークNは粘度が高いので、型枠の壁となる部分は最初から立てないで、まずは枠の底部に充填し、先に補水パイプ&電極部分に盛っておいたバスコークNと一体となるまで充填し、それから枠を起こして充填を続け、或る程度充填ができたところで型枠に輪ゴムを掛け、さらに充填を続けます。
とにかく、バスコークは粘度が高く、サラサラのレジンを流すようにはいきませんので、充填の際は、あとでジャンカが出来て困らないよう、ドライバーなどを用いて、空隙が出来ないように充填します。生コン打設時に使用するバイブレーターと同じ要領ですね。
なぜに(所謂)レジンを使わないか、ですが、パーツレビューに書いたような理由で、高温多湿で常時振動のあるエンジンルーム内設置、水に濡れたり乾いたりを永年反復して受ける環境での加水分解やカビ発生への対処、などの理由で、そういう環境って、それお風呂場じゃん、という理由から、今回、バスコークN、その中でもビ防止剤入りが選択されました。
写真は型枠一杯にバスコークNを充填し終わった後のものです。
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充填から12時間経過後、バスコークNは或る程度は自立する塊となってきていますので、型枠を締め上げていた輪ゴムを取り外し、型枠と接していた部分にも空気を触れさせ、硬化を促進させます。
※この段階ではまだ脱型はしません。また充填に用いたのがバスコークなので、最終段階でもカチカチに硬くはなりません。
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型枠解体・脱型、お疲れ様。
補水パイプ&電極部分の表面にはシリコンスプレーが付着していますので、この後の作業に備え、脱脂しておきます。
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