12.11

12.11　晴

震災から9カ月が経ちました。



月命日、朝に墓参りへ行きました。体が引き締められるような寒さの中、わが街、渡波地区と瑠璃色の空を流れていく雲を眺めながら、美代子と少し話をしました。


最近、震災直後のことを振り返って、自分のブログや何シテルを読んでみました。震災当日の何シテルは、津波が自分のすぐ近くまで来ている事と、「惨状です」で終わっていたんですねぇ。当時、兄とメールでやり取りしていたんですが、津波がすぐ傍まで来ている事を連絡したのを最後に通信が取れなくなったと記憶しています。家族・親戚、みんカラ友達には心配な状態のまま音信不通になってしまいました。

通信がとれてからも電気が通っていたわけでもなく、限られた状況で自分と母の安否を連絡する事すら難しく、心配して頂いた方々への連絡が遅くなってしまったのは申し訳なく思います。


壊滅的な街の状態、そして安否捜索、職場閉鎖、家の復旧、毎日がサバイバルで大変でした。何よりオラの心を打ちのめしたのは美代子の死だったんですが…。受け入れなければいけない悲しい現実を、ウルトラマラソンを一緒に走る事、寄付活動を二人でする最後の夫婦活動として次の人生へ進もうとしました。

正直、今でもそれで良かったのかどうか迷っている自分がいます。キレイ事かもしれませんが、きちんとお互い話をして、お互いに生きて、お互いにそれぞれの幸せな道へと進みたかった。それが出来なかったことは無念でなりません。

墓前で美代子に語りかけました。きちんと話を聞いてあげなくてゴメン。わかってあげられなくてゴメン。今まで、本当にゴメン。こんなことになってしまって…涙が溢れてくるのを感じました。

この痛みを背負っていくのも、自分への罰だと思って受け止めています。


そして、もう一つ大事な報告をしました。


結婚するよ。


先日、彼女へ正式にプロポーズして結婚することになりました。


生かされた命、前へ。


一方的な話しかけだけど、今後の人生を大事に進みたいという想いを伝えました。展開が早いとは思いますが、自分の年齢、婚約者の年齢、家庭環境を考えると、中途半端な状態も良くないし、時間もありません。


できるだけ婚約者に嫌な想いをさせないように、美代子の物の処分を進め、心の整理もしていく事になりますが、供養の気持ちだけは忘れないから許して欲しいと願うばかりです。


震災直後のどん底の状態から、ここまで一歩一歩進んできました。これからも震災に負けないよう、希望を失わずに、一歩一歩前へ進んでいきます。