最近になってビッグモーターを始めとして数々の不正事件が明るみに出ていますが、今度は和歌山県の道路工事で県道長井古座線の「八郎山トンネル」(串本町―那智勝浦町、711メートル)についてトンネルの中心がずれていたり内部の支柱が正しく設置されていない事が判明したため、
内壁を全て撤去する事になったそうです。
このトンネルは本来12月に供用開始予定だったのが、内壁のほとんどに空洞や薄い場所が発見された上、業者が書類を改ざんしていたことが発覚したそうです。
県が分離発注で照明設備を取り付ける際に、天井部分に空洞が発見されましたが、本来30cmの厚みのはずの覆工コンクリートが空洞のためわずか3cmになっている箇所もあったそうです。
支柱に関してもは1メートル置きに約700カ所ありますが、多くの箇所で設計より道側に設置されているため通行時の安全性が確保出来ない可能性もあるとの事です。
これらを全てチェックするために県は内壁の覆工コンクリートを全て剥がして内部点検をする羽目になってしまいました。
県はこの工事を請け負った淺川組(和歌山市)と堀組(田辺市)を6カ月の入札資格停止処分としたそうですが、もしこの2業者が照明設備も受注していたら内壁と支柱の不備は見逃されて完成し、予定通り供用されるところでした。危ないですね。
おまけに掘削時の測量データがほとんど残っていない事も判明し、補修工法を考えてもらう「技術検討委員会」の委員から「あまりにも工事がずさんで、昭和30年代の職人が経験と勘でやっていたような感じだ」との声が聞かれたそうです。
県は覆工コンクリートを施工した1次下請けの川合組(新宮市)を8月下旬から3カ月の入札参加資格停止にしたそうですがこんな杜撰な工事をする業者は業務停止で構わない気がします。どうやったら空洞が出来たりたった3cmの内壁になるのでしょうか。内壁を全部撤去するのですから損害賠償も必要ですね。上記の2業者と併せて処分が軽すぎです。
それに比べると以前お伝えした稀代の難工事の
青崩峠トンネルの掘削工事では、通常ならBとC、Dの3パターンのいずれかを採用するところをさらに進んだ特殊な設計パターンの「E」(吹付けコンクリートが2倍の強度で鋼製支保が1.5〜2倍弱の高規格)を適用した上に、入り口から1000メートル行ったところで予定のDパターンから前倒しでEパターンに変更したり、鋼アーチ構造をあまり例を見ない2重支保にするといった工法で万全を期して開通させています。
トンネルが崩落したら以前の中央自動車道の笹子トンネルのように大事故になり人命にも関わるのに、これらの業者に罪の意識は無いのか、と思ってしまいますね。インフラに関してはコストもさる事ながらきちんとした業者を選定する事も重要ですね。
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くるま | 日記
Posted at
2023/11/17 03:20:55