
先週ポルシェのカイエンを試乗させていただいた時に、「V6モデルだと、加速が微妙に物足りないかも」なんて不埒な感想を漏らしたせいでしょうか、今度は「911の試乗車が御用意出来ました」という有り難い連絡をもらってしまいました。
当然断るいわれは無いので(笑)、喜んでディーラーさんに出掛けてきました。用意されていたのは911カレラS。3799cc、385ps/420Nmのリア駆動モデルでは上級モデルの方です。左ハンドルの7速PDKでしたので、まずは色々ディーラーの方にレクチャーしてもらってから乗車。
前々から気になっていたのは、「ヘッドレスト一体型のシートってしっくりくるのかな?」という疑問でしたが、座ってみるとジャストフィット。意外と調整機構は少なく、リクライニング以外は手動だったのですが、何の問題もありません。前を見ると、ライトに続くフェンダーの峰、サイドミラーを覗くと、今度はグラマラスなリアフェンダーで、普通の車とは結構眺めが違います。
ノーマルモードで発進すると、普通の車です(笑)。1500Kgの車重に3800ccですから、低速トルクも十分で、BMWの8速ATモデルのように滑らかにどんどんシフトアップして、すぐに6速まで上がってしまって2000回転以下で余裕で走ってしまいます。
これでは面白くないので(笑)、スポーツモードにすると(事前に説明は受けていましたが)、結構性格が豹変します。シフトポイントが高回転側になって3000回転くらいまで使えるようになるのはもちろん、エンジンのレスポンスがかなり鋭くなります。ちょっとしたワインディングに持ち込んで踏んでみると、アクセルレスポンスの鋭さと、リアから押し出すダッシュが気持ち良いですが、慣れない人にはちょっと過敏かもしれないくらいエンジンの吹け上がりが良いです。流石生粋のスポーツカー。でも、限界がかなり高そうなので、おいそれとは試せません。
ステアリングも予想していたより軽く、ステアリングホイールもやや細身で、これも私好み。サスペンションはそれなりに固めてありますが、ボディ剛性が半端じゃない程高いので、路面が悪い箇所でも不快な挙動はありません。ブレーキの効きはもちろん良いですが、結構踏力を要求するタイプなので、街乗りだと微妙に疲れるかもしれません。
パドルでマニュアルシフトもしてみましたが、PDKのレスポンスはBMWのM3のDCTと同様に瞬時にシフトして気持ち良いです。ただ、パドルの形状が(以前から指摘されているらしいですが)押し込むとシフトアップ、奥から引き込むとシフトダウンで一般的な感覚とは逆なので、ちょっと戸惑いがあります。オプションのパドルだと右はアップ、左はダウンオンリーになるらしく、個人的には間違いなくこちらの仕様を選択すると思います。
高速道路に乗り入れて全開をくれると、7500rpmまで非常に滑らか、かつパワフルに吹け上がります。とても3800ccとは思えない鋭さです。しかし、高速道路上でのパフォーマンスは、信州135iの方がトルクが図太い分パワフルで分があるように感じました。
しかし一般のワインディングでは、アクセルレスポンスの鋭さと、怒濤のトラクションで911の方が速そうです。それ以前に、スポーツカーとしての挙動、手応えが非常に気持ち良く、一人で乗るなら135iよりは断然911です。M3と比べても911の方が好みな気がします。サイズ的にも大きい車ではないので良いですが、リアのふくらみには要注意かもしれません。
ちなみに、なんとETCが非装着でしたので高速に乗る時の料金所で普通のゲートを通りましたが、リアフェンダーに気を遣って左に寄せ切れなかったので、通行券の発券口まで全然手が届かなくて、ドア開けて取りに行ってしまいました(涙)。自分で乗るならやっぱり右ハンドルですね。
非常に有り難い事に、1時間も試乗させていただいてしまいましたが、甲斐性があれば欲しい車ですね。おいそれとは買えませんし、納期も最低六ヶ月くらいのようで、そういう意味では縁遠い車ですが「実際に乗るとヤラレてしまう」という話は本当でしたね。やっぱり魔力を持った車です。
といいつつ、帰りがけに200万円引き!の新車のケイマンがあったので、結構本気で欲しくなりましたが、残念ながら左ハンドルでした…右ハンドルだったら、危ないところでした(爆)。
宝くじ当たったら本気で考えたいですが、その時はきっとターボのほうかな(笑)。
Posted at 2010/07/26 00:55:58 | |
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