MR-S前置きオイルクーラー備忘録
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
軽量化とオイルラインの短縮を目的としてオイルクーラーを横置きにしていたんですが、これがサッパリ冷えない。筑波で130℃まで上げて、115℃まで下げるのにクーリングラップ2周は必要で、ダクトの新設とか強制冷却ファンとか色々試してみましたが複雑になるばかりで効果も今一つ。
なので安定の前置きに戻しました。油圧が気になる方もいるかも知れませんが、同じトヨタエンジンのLOTUS EXIGEが純正で前置きオイルクーラーを装備しているので問題無いでしょう。
今回は備忘録的なアレで必要部材を記録しておきます。
2
コアは300×150×50mmのサイドタンク式を用意しました。接続はAN10です。汎用品ならトラストの10段くらいの大きさであれば充分です。
これより高さのあるコアの場合、リーンホースに隠れてしまい風が当たりません。
設置場所は運転席前にしました。助手席側なら配管を取りまわす際にステアリングシャフトを避けられるので配管の自由度が増します。どちらか好みの設置方法で良いと思います。
ちなみにこのコアはHPI製と思って買ったのに中華製だった曰く付きです。フィッティングのガスケットにゴムのOリングを使用する作りでしたが、肝心のOリング溝加工が無くそのまま使用すれば数年でオイルが噴き出すと思います。もし同じの買っちゃった人は注意して下さい。自分はM18サイズのアルミパッキン(三菱のドレンボルト用)に交換しました。
3
エンジンからの取り出しはトラスト製のオイルブロックを使います。サーモも付いてるので安心。この手の製品の中では一番コンパクトで、ホース取り出しの自由度も高いです。
トヨタなので3/4-16UNFセンターボルトのタイプで適合します。
4
ホースですが、ナイロンメッシュホースが軽量で使いやすいです。AN10で、3.2mと3.7mの2本あればリアからフロントまで届きますが、使用するホースエンドの種類によって長さの微調整が必要になります。
一応7m切り売りで買えば1台分のホースが作れますが、4mを2本用意して長さを調整するのが安心安全かと思います。
ホースのカットは切断箇所にテープを巻き、薄刃のサンダーで真っ直ぐに切断します。万力などでホースを固定しないと綺麗に切れませんので作業時は注意して下さい。切断後はしっかりとエアブローしないと、切子がホースの中に残って危険です。
なお、安く購入出来る中華ホースはハズレを引くと速攻でオイル漏れしてきます。以前買った某スリップするRACING製ホースは1年経過せずにゴム表面からオイルが滲んでくるというスカスカの部位があって難儀しました。
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ホースエンドは今回の取り付け方法の場合、90度1個に150度3個を使用しました。写真は仮組の状態ですが、クーラーコアに90度と150度を1個づつ、ブロック側に150度2個使うと綺麗、シンプルに収まります。
もちろん、ホースエンドはこの角度に拘る必要は無く、価格の安いストレートフィッティング×4の組み合わせでも、ホースの取り回しや長さを工夫して極端な曲げを作らなければ問題ありません。
ホースエンドですが現在は安い中華製なんかも出ています。組付けも簡単で素人にも作業しやすいんですが、路上でホースが抜けて大惨事、サーキットでやらかすとオイル処理代10万20万とか普通にかかります。なので出来るだけ信頼出来るメーカーを使うのをお勧めします。
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作業の流れですが、まずホースエンドを取り付けていない状態のホースを燃料タンクの上、シフトケーブルが出ているあたりの隙間からフロアトンネルまで通します。
恐らくこの隙間を通す作業が一番厄介な作業ポイントです。1本目は普通に通せるが2本目が入らない、みたいな感じになりますが、頑張るしかありません。
一応、前から後ろへ向かって通したほうが通しやすかったと記憶しています。先にホースエンドを組んでしまうと、ここを通せなくなって詰みます。
写真のように燃料タンクを降ろしている状態なら何も気にせずホースを通せます。降ろすのが大変でも、傾けるだけで少し楽になるので難儀する場合は試してみて下さい。燃料を軽くした状態で、タンク固定ブラケットを緩めれば隙間を多少広げる事が可能です。
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ホースを通し終わったら、それぞれホースエンドを組付けます。まずエンジン側のオイルブロックに接続するホースエンドを組付けて、オイルブロックに取り付けます。そこから配管を整理しつつ、必要な部位にコルゲートチューブやゴムマットを巻いて保護します。
そしてフロントのオイルクーラーコアに届いたら長さを調整してホースの余剰部位をカットし、最後にホースエンドを組付ければ完成です。
オイルクーラーホースの組付けはホースを押し込みながらスパナを締めるといった作業になるので、ちょっとした移動式のバイスがあると組付けに便利です。
ホースエンド組付けの作業方法についてはキノクニさんが動画で公開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=kAJO5ffPvnI&t=201s 8
なお、オイルクーラーコアの取り付け方法は千差万別です。この車の場合は自作したアルミブラケットをコアサポートフレームにリベット止めし、そこにコアを取り付けています。この方法以外にも、フロントのリーンフォースにブラケット介してを装着すれば、車体側に余計な穴を開けずに済みます。
装着後のオイル量ですが、サイドタンク式の場合初回は1L以上余計に入ります。MR-Sでサーキット走行する場合4.5L入れるのが定番ですが、とりあえずレベルゲージのFより上になるよう調整して下さい。少ないとメタルブローします。
前置き化のメリットですが、とにかく普通に油温が下がるのでサーキット走行時の油温によるストレスを減らせます。真冬の筑波サーキットTC2000の場合ですが、15分枠でアタック1周ごとにクーリング、10周程度走って最大128℃でした。以前は4周目くらいで130℃超えてたので、かなり冷えてます。
デメリットの重量増についてはホースが2.5㎏で、サイド配置よりホースの長さ分1.5㎏くらい増えたくらいで済みます。以前ステンメッシュホースで前置きしていた時はホースだけで4kgくらいあったので、比較するとだいぶ軽くなりました。油圧についても横置きと同じくらい圧がかかっているので全く問題ありません。
サイド配置に対して装着は若干面倒ですが、サーキットでストレス無く走りたい人にはオススメです。
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オイルライン配管 参考写真
運転席側から通すとステアリングラックにステアリングブーツ、ステアリングシャフトと干渉しないよう取り回しには注意が必要です。これから前置きに挑戦される方は助手席側から通した方が余計な心配をせずに済むと思います。
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オイルライン配管 参考写真
オイルブロックから燃料タンクの上を通って前方へ。ラジエターパイプの上から2本通します。エンジンが前後に揺れるので、配管にはある程度の余裕を持たせる必要があります。
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