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半ねりのブログ一覧

2020年07月12日 イイね!

[本の小並感 126]他人事 「ある戦慄」ほどの恐怖も深みもない

[本の小並感 126]他人事 「ある戦慄」ほどの恐怖も深みもないあいみょんのオススメ2冊目。

突然理不尽な暴力に晒されるというモチーフで思い出すのは、「ある戦慄」という映画だ。これは町山智浩の「トラウマ映画館」という本で紹介されていた白黒映画で、一時期はこのトラウマ映画館で紹介された映画がTSUTAYAの名作コーナーに相次いで復刻されていた。

中年の男女が深夜の地下鉄で帰ろうとする。乗客は二人の他にもポツリポツリいるのだが、そこに不良が乗り込んで来て、ナイフで次々と乗客を脅していく。しかし、この映画が優れているのは、生皮を剥ぐようなヒリヒリとした暴力描写だけではない。

その行為を通して、それが普通の一般市民として描かれる乗客の「嘘」をベロりと暴いていくのだ。詳しい内容は忘れてしまったが、それぞれの乗客も本質的にはチンピラと変わらない欺瞞に満ちた生活を送っているのだ。

日常に覆い隠された生皮を剥ぐような暴力の恐怖

この本はそれに似ている。障害のある女性の家に無断で上がり込み、一方的に何の躊躇いも罪悪感もなく、遊び感覚で死に至るような暴力加える。そんな話の短編で構成されている。それはそれで評価できるが、全体的にこの本からは「理不尽な暴力の恐怖」も、「ある戦慄」のような深みも感じられなかった。

解説が冨樫義博だったのは驚いた。彼がいうように、このような本が受けいられれるのは、日常が平和であればこそだろう。ビートたけしは自身の映画の暴力性を咎められたとき、「世界には愛と平和に溢れた映画がたくさんあるが、現実はちっともそうならないじゃないか」と反論したという。これは因果関係を問われた時の回答だが、暴力的なコンテンツが広がるのは、平和の証かもしれない。
Posted at 2020/07/12 19:03:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年07月05日 イイね!

[本の小並感 125]木になった亜沙 あいみょんはこの本の何を評価したのか

[本の小並感 125]木になった亜沙 あいみょんはこの本の何を評価したのか125. 木になった亜沙 2点

在宅勤務のBGMは最初はあいみょんで、その後90年代J-POPになり、FF7やSAGA2などのゲーム音楽になり、猫のゴロゴロ音になり、とうとう無音になった。そのあいみょんが王様のブランチで紹介していたので買った。

短編が3遍の収められており、表題作は自分の手に触れたものを誰も食べてくれないことに悩む女の子の話だ。それは男の子にクッキーを作っても食べてくれないとか、給食で自分がよそったポテトサラダを食べてくれないといったレベルではなく、ペットの魚も主人公があげると食べてくれない。

あいみょんは、そういった発想は絶対に自分には出てこないとしてこの本を紹介していた。

まぁそうかもしれない。しかし、「だから何?」という疑問に答えられるだろうか?数年前から文学作品がつまらないと疑問を抱き何冊か読んできた。そして、まあまあな物(乳と卵火花など)もあった訳だが、この本はそうでもなかった。

ネタバレ覚悟で書いておくと、主人公はスノボの事故で死に、杉に生まれ変わる。本当は果実をつける木になれたらよかったのだが、木材として伐採されコンビニの箸に生まれ変わる。そこで初めて自分を使って食事をしてくれる喜びに震える。

無理に意味を見出そうとすれば、創造する喜び、他人のために役に立つ喜びを描いているとでも言えば良いのか。メッセージ自身に価値がないとは思わないが、それに説得力を持って読者を魅了できるかと言えば難しいと思う。

発想は確かに面白いかもしれない。しかし企画倒れと言えば良いのか。あの歌詞を書くあいみょんがこの本のどこを評価したのかいまいち理解に苦しむ。躊躇わず売る。
Posted at 2020/07/05 19:13:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年07月04日 イイね!

シティハンター 一人では解けないパズルの解き方

小学校から帰ると共働きの両親が家にいないことをいいことに、ずっとテレビの前に齧り付いていたが、見ていたアニメの一つがシティーハンターだった。

当時は冴羽獠が「もっこり〜!!!」と叫んで女性キャラに飛びつくようなシーンにイケナイキブンになっていた気がする。

基本的にコミカルだが、親友を麻薬組織に殺されており、意外にシリアスだったのは覚えているが、ちゃんと読んだことはなかったので全巻一気読みした。


青いジャケットと赤いインナー、懐かしい!!!

作中、香に側にいて欲しい冴羽はパートナーとして共に仕事に当たるが、香の銃に細工をして当たらないようにし、なるべく危険から遠ざけ、陰に日向に彼女を守ろうとする。

しかし、全てを守り切ることはできない。どっちつかずな態度が結果的に香を危険に晒すしている、という指摘に冴羽は答えられない。卑怯者でなければ、この世界では生きていけないのさと開き直るのだ。

覚悟がないならパートナーを解消すべきだと詰め寄られ、冴羽は答えられない


一人では解けない愛のパズルを抱いて
この街で優しさに甘えていたくはない

とは、この冴羽の曖昧な態度と、それが甘えであり、そうであってはならないことを示している。そして、この「一人では解けないパズル」の解き方は

誰かのために生きられるなら
何も怖くはない、だ。

ラストは書かないが、結論はGet wildの中で既に歌われている。

正直、漫画18巻は読むのが疲れた。しかし、この世界では今日も新宿の伝言板にXYZの書き込みがあり、ファルコンはコーヒーを入れ、冴羽獠は女性の尻を追いかけ、冴子は色目を使い、香はハンマーを振り回すだろう。それは読者の心に生き続けるのだ。皆さんには、そういう人いますか?

Posted at 2020/07/04 17:23:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月27日 イイね!

[本の小並感 124]国際メディア情報戦 世界とは誰かが意図して作ったものである

[本の小並感 124]国際メディア情報戦 世界とは誰かが意図して作ったものである124. 国際メディア情報戦 3点

中学の社会は石井先生という男性の先生で、私は彼のおかげで社会という教科が比較的好きだった。いろいろ覚えていることはあるが、その中でテレビや新聞といった既存のメディアですら、人の手を介した人工の情報であり、その内容を無批判に頭から信じ込むことの危険性を指摘していたことをよく覚えている。

現在であればこれらのメディアは左右のネット発信者から批判にさらされており、無自覚に信じ込む人は少ないだろうが、当時はネットというものはなく、主要なメディアの地位を占めていたテレビや新聞の情報は「是」として認識されており、石井先生の指摘は中学生の私にとって新鮮だった。

この本は、戦争広告代理店大仏破壊に続く3冊目だが、前の2冊に比べると最新の情報が含まれているとは言え、全体をさらっとまとめた作りで、血肉の通った身体性に乏しい。だから、「なぜ情報戦が重要なのか」という素朴な疑問に説得力を持って答えにくいのではないか。その意味で一見入門書っぽいが、そうでもないのだ。

例えば、ゴルゴ13に「演出国家」という話がある。これはアフリカの小国のレアメタルに目をつけた欧米資本の資源会社が、自分たちに都合のいい傀儡政権を打ち立てるため、アメリカのPR会社を雇ってその国の大統領選をコントロールしようとする話だ。国民の識字率や語感、記載される順序などを意識して偽の名前を決め、誰もが子供の頃に知る民話を意識した立ち振る舞いを演説に折り込む。大衆をコントロールする民主主義の危険性を指摘し、私は大袈裟に言えば「世界とは誰かが意図して作ったもの」であることを知ったのだ。

これは漫画だが、この本は個別の事例をさらうのみで、深い事情まで記載していない(そういう主旨なのだろう)。例えばアルフッラというテレビがある。これはブッシュ政権が対アルカイダのメディア戦を戦うために設立したアラビア語の衛星放送チャンネルでアルジャジーラから人気のアンカーを引き抜くなどの手も尽くしたものの、ほとんど成果が挙げられなかった。私はこの情報戦を扱ったNHKスペシャルを見たことがある気がするが、この本ではさらっと触れられている程度だ。

しかし、日本への危機感は一貫している。現代における国際メディア情報戦は「自分たちが敵よりも倫理的に優っている、ということをいかに世界に説得するか」なのだ。そして、ミロシェビッチが20世紀の国際的な大悪人を演じて獄死し、その歴史に刻まれたように、いつ日本もサダマイズ=サダムフセインのように悪役に仕立て上げられるか分からない。安倍首相の戦後70年談話の「「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。」という表現は当初は中国やロシアへの牽制と受け止められたが、日本への危機感でもあるかもしれない。

そして、これは国家だけの問題ではない。世界は作るもの、その意識が個人でもソシャゲーでも必要だ。下記はサマナーズウォーというソシャゲの強い人。1位を取れた理由として「環境を自分で変えたこと」を挙げている。
Posted at 2020/06/27 21:24:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月25日 イイね!

[本の小並感 123]大仏破壊 テロの世紀の幕開けのPoint of no returnはどこだったのか

[本の小並感 123]大仏破壊 テロの世紀の幕開けのPoint of no returnはどこだったのか123. 大仏破壊 4点

この人の本は戦争広告代理店に続いて2冊目。1冊がいいとこうして芋づる式に読んでいくことがあるが、最初は大仏破壊?そんなに重要なテーマか?と半信半疑だった。しかし、この本はタリバンによる大仏破壊に至る過程と、国際社会の関係を軸に世界の秩序をどのように構築していくかの問題を投げかけている。

話は飛ぶが911からアメリカがアフガニスタン空爆からイラクに侵攻し、その後にIS拡大の泥沼を見ていると、トランプが世界の警察の座から降り、海外への国に関与を弱めて自国の利益に専念するのは当然のことのように思われる。なぜわざわざ莫大な費用をかけて軍隊を派遣し、自国の若い兵士達の命を散らさなければならないのか。世界の秩序を担う「大国の責任」などと言われても虚しく響くだけである。

しかし、この本はそのような国際社会の無関心こそが、アフガニスタンがテロ組織の温床となることを助長してしまったのだと警告する。


国際社会はタリバン穏健派と協力し大仏破壊阻止に奔走する

もともとタリバンはソ連のアフガニスタン撤退で内戦が続いていたアフガニスタンの秩序維持を目的に義勇的に設立された組織で、指導者のオマルは家柄も貧しく正規の教育も受けていない人物だった。タリバンが支配下に置いた地域は治安が確実に回復し、民衆の熱狂的な支持を受け勢力を拡大しカブールを制圧する。しかし、ケシの栽培や女性の権利制限なども絡み、国際社会はタリバンを正式なアフガニスタン政府としては認めなかった。

そして北部同盟との戦いに苦戦する中でビンラディン率いるアルカイダの資金力・軍事力に付け入る隙を与え、やがて寄生虫が宿主を乗っ取ってしまう。

「今世界は我々(タリバン)がバーミヤンの大仏を壊すといったとたん大騒ぎを始めている。だが、我が国が旱魃で苦しんでいるとき、彼らは何をしたか、我々を助けたか。彼らにとっては石の像の方が人間より大切なのだ。」

著者はこのタリバンの言葉を否定しつつも、説得力の断片を認めざるを得ないという。国際社会が提案した大仏の前に壁を作ったり、国外に移設するなどの費用を、なぜもっと早くアフガニスタンの人々に向けてやることができなかったのか。そうすれば、タリバンの最高指導者である孤独な支配者オマルがビンラディンの過激思想に飲まれ、テロの世紀の幕を開けてしまうこともなかったのではないか。

どうすれば良かったのか。これについてもっと援助すれば良かったという太陽派と、タリバン支援をコントロールすべきという北風派で答えは出ない。最近はコロナでテロも話題にならない。個人的には自国のことは自国でどうにかするしかないのではないか、という気もするが、それは傍観者のつまみ食いだろうか?太陽派であれ北風派であれ「放置すればよい、我々には関係ない」という、タリバン初期の一時のアメリカのようなNo policy、wait and seeの立場は取らないようだ。
Posted at 2020/06/25 02:21:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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