2009年10月15日
天上ウテナと姫宮アンシーは二人で一つの人格である。
男装し、スポーツ万能で快活な天上ウテナは女子によくモテる。一見男そのものだが、小さい頃に自分を助けてくれた王子様を探している。つまり本当はお姫様になりたいのだ。彼女は女ではない。少女でもない。彼女は「子供」である。子供が大人になる物語なのだ。
一方の姫宮アンシーは女そのものである。バラの花嫁と呼ばれ、鳥かごを思わせる植物園でバラの世話に明け暮れている。彼女は決闘の勝者=婚約者の思うがまま。勝者の命令には絶対に従う。
天上ウテナが姫宮アンシーにバラの花嫁という制度的身分を脱ぎ捨て、個人として振舞うことを望むとき、それは自分自身の女の部分を肯定を意味する。このとき天上ウテナこそが王子様である。ウテナに触発されて、アンシーは友達を欲し、おいしい料理が作りたいと思うようになる。しかしバラの花嫁という立場が重くのしかかる。
「世界」とは自分自身である。世界を革命する、とは自分自身に向き合うことに他ならない。
天上ウテナが姫宮アンシーを守るために戦うとき、それは制度や社会的身分といた外圧から、本来のか弱い自分を守り、一人の人間として自立しようともがく過程である。
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以上、ウテナが生徒会長の負けるまでの感想。私がこのアニメを見たのはいつ頃だろう。小学生だった気がする。飛び飛びにしか見ていないが、かなりぶっ飛んだアニメだ、と感じたことを覚えている。DVDはまだ半分も見ていないので、話は2転、3転するかもしれない。感想も変わるかもしれない。オープニングの最後に一人で廻るウテナが切ない。
Posted at 2009/10/16 00:21:31 | |
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