
アクトオブキリングという映画を見て来た。詳細はWiredに詳しいので、そちらを見ていただくとして、とにかく加害者が純真無垢である。喜々として虐殺の撮影に応じる。悪いこと(虐殺をこう表現するのもおかしいが、、、)だなどとは微塵も考えていない。「ここでいっぱい殺したよ。最初は殴っていたが、血がたくさん出るから、針金で首を絞める方法に変えたんだ。」みたいな感じで実演し、エルビス・プレスリーのステップを踏む。そんな感じで撮影は進むのだ。
だが、殺し、犯し、焼く。そんなシーンを繰り返し撮影し、自らも拷問の被害者を演じるなどして行くうちに、この加害者は被害者を理解していく。自分の行為の意味を悟っていく。少し前まで楽しそうに虐殺を説明していた場所で、彼は嘔吐する。いや嘔吐出来ない。食道は蠕動し、吐き気が何度も襲ってくるのに、何も吐き出すことはできない。ようやく収まったころに、弱々しく唾を吐き出すだけだ。吐くに吐けないこのシーンこそ、この映画の真骨頂と言える。これは、この人物がナイーブであることの証左でもある。一度悟れば、体が嘘をつくことが出来ないのだ。
一方で別の虐殺者は、自分の行為をよく理解している。ジュネーブ条約違反ですよ?と問われると、ブッシュもアブグレイブ刑務所で捕虜を虐待した。勝者がルールなのは、今も昔も、インドネシアでもアメリカでも同じさ。といった感じである。事実、この9月30日事件を西側諸国が黙認した背景には対共産主義という冷戦構造があり、その後、長期間に渡ってスハルト政権を指示し続けたのも歴史的事実である。この人物は、吐かない。理由をつけて納得するのだ。俺はおそらく、この人物に近いだろう。
渋谷の単館だったが、なぜだか大人気で通路に座布団で見た。腰と尻が痛かった。
写真は椿。まだ、桜が咲く前の頃。椿は日本原産らしい。椿姫は欧州の誰かが持って帰ったのだろうか?
Posted at 2014/04/21 01:41:23 | |
トラックバック(0) | 日記