
ポルシェAGも商業生産に着手した
水素燃料「eフューエル」。
水を電気分解して得らえた水素と
二酸化炭素を高温の触媒反応で合成した液体燃料で
エンジンの改造なしにガソリンの代わりに
そのまま使えるというところが
あまりにも楽観的で、本当かなぁとも思いますが
旧車乗りには希望の光と思えます。
ガソリンと完全互換ならば、現状のエンジンや給油インフラをそのまま使え
排出される物質が水蒸気だけならば、何も遠慮は要りません。
いろいろ考えると排気ガス浄化用の触媒が要らなくなりますよね。
【追記】NOx 窒素酸化物は引き続き排出されるという情報もあります。
排気音は変わらないのでマフラー・消音装置は引き続き要りますが
水が出てきますので、排気ルートの防錆対策が必要になるのかも知れません。
しかし、たくさんのクルマが水蒸気を吐いて走り回るとなると
道路が水溜まりだらけになるとか、都市部の湿度が上がってしまうのではとか....
疑問だらけです。
重課となっている旧車の自動車税は
eフューエルで走るクルマならば二酸化炭素を出しませんので
空冷911に乗っていても、グリーン化特例の対象にしてもらえそうです。
ただ、後述する燃料のコストに比べると優遇は微々たるものになってしまいますが....
◇
そもそも、近い将来にエンジン車の販売を禁止し
モーター駆動の電気自動車に切替しようとする世界的な潮流のなか
eフューエルが実用化され内燃機関を捨てなくてもいいという事ならば
テスラなどの新興自動車メーカー、エンジンと決別を表明しているメジャーメーカーや
産油国に対しての影響は大きいと思います。
また、エンジンを取り巻く産業が消滅しなくても済むことになりますし
eフューエルが、ここ20年くらいで変化した世界の産業・経済の構造を
再びひっくり返すゲームチェンジャーになり得るのかも知れません。
ただただ問題点はコストです。
燃料の製造過程で二酸化炭素が排出されないよう
再生可能エネルギーで発電された高コストの電力を使用することや
二酸化炭素の確保、触媒反応に高温環境が必要なこと
それらにかかるコストを技術的に解決できないと
ガソリン並みの価格にすることは難しいようです。
◇
しかし、趣味で乗るクルマならばそのコストに納得できる(かも)知れませんね。
ポルシェAGにとって、eフューエル生産・販売がポルシェ・クラシックの
ビジネスを持続可能なものにするための一環としての活動と思われますし
新車の911はエンジンカーで残してほしいですよね。
温暖化対策のために 空冷911を取り上げられてしまうくらいなら
私は懸命に働いてeフューエルを選択します。
そして、いつかきっと頭のいい人が素晴らしいアイディアをひねり出して
eフューエルの価格が劇的に安くなる日が来ることを期待しています。

最近、ポルシェセンターさんを訪れる機会がありました。
タイカン用の立派な充電スタンドが設置されていましたが
いつか その横に「eフューエル・スタンド」が設置されるんでしょうね。
eフューエルを満タンにするため、月に1回 ポルシェセンターさんに
給油(給H?)しに行く日々が来るのは、それほど遠くないかも知れません。
空冷ライフ、続けられそうです。
【追記】
経済産業省 資源エネルギー庁様 のサイトに詳しい解説記事がありました。
エンジン車でも脱炭素?グリーンな液体燃料「合成燃料」とは
Posted at 2021/08/07 13:16:48 | |
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