2017年12月08日
厳しさについて
少し前に、事故をした人たちへの座学研修の依頼を受けました。
先方担当者から、
「厳しくしてほしい。座学の2時間が苦痛になるような場にして欲しい」
とのリクエスト。
厳しいって言われてもいろんな捉え方があります。
・私語や姿勢のズレも許さない。あくびなんてもってのほか
・大勢の前でとことん詰問して人格全否定
・椅子に座らず正座
集団での講習会でできる厳しさといえばこんな感じでしょうか。
お金をくれるお客さんなので、先方の言う“厳しい”って内容もよく聞いて、できる限り要望には応えようとは思いますが、僕にはちょっと思想的に難しい。
尼崎の脱線事故の時に日勤教育というのが話題になりました。懲罰的、暴力的な内容でしたよね。
安全というか再発防止の観点からはずれている。根性論による見せしめ、懲罰と当時批判がありました。
支配的に厳しくして反省文を何百枚も書かせる。唱和を何時間も言わせ続ける。経営陣に土下座させる。社用車のすべてを洗車させる。他にも減給、降格、罰金などをしたらそれはそれで十分に厳しい内容と言えます。
でも原因の追求や対策について考える場はない。恐怖と支配で事故防止を図る。
ありと言えばありだろうけど“人はミスをする”って大前提が抜けてます。
一瞬、日勤教育のことが頭をよぎりました。
厳しさを求めるのならわざわざ講習会する意義が疑問です。
講習会参加にあたり、交通費も含めて自費、勤務外。これだけでも経済的には厳しいと言えますが…
そのお客さんのところの社風なので門外漢がとやかく言うものではありませんが、僕らの研修とは内容が違います。お話してても平行線でした。
再発防止が目的なら原因を深く掘り下げて本当の事故の原因を探していく。それに対しての出来る対策を考える。気付きを促す。
人のせいにしたりせず、自分のどこに問題があったのにを考える。
ってのがわが社の考え方。
掘り下げていくときに自分と向き合わなければならないので“厳しい”とか“つらい”と思う人もいると思います。
これを“厳しく”とは受け取ってもらえませんでした。
今となってはもっと柔軟に対応するべきだったと反省。
今度同じような内容の依頼が来たら
「竹刀を持って行きます!」
とか言ってしまいそうだ。
せっかく東方面に泊まりで行けそうだったのに残念。
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Posted at
2017/12/08 19:17:01
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