
先週末の日産ジュークから続く新型車の試乗も残すところあと2台となりまして、もう少しお付き合い下さい!?
その素材はマセラティのクアトロポルテ・スポーツGTSでありまして、クアトロポルテの中でも尖った存在なので前々からとても興味のあった車です。
そして今回は担当さんに急用が入ってしまった為に「どうぞお乗り下さい」とキーをお預け下さったので私一人での試乗となりました。御蔭である程度自由に好きなルートでの走行が楽しめました。
今回も先に結論から申しますと、初期のクアトロポルテとは別物と言って差し支えない程に完成されています。何がそんなに違うかと言えば初期モデルはボディーがヤワな印象が強かったのですが、今回はこのクラスとして納得出来る程に強くなったりと進化が実感出来ました。
通常モードでのエンジン音は静かなものですが、インパネの「Sport」モードボタンを押した瞬間からあのフェラーリサウンドに近い音を楽しむ事が出来ます。これは通常のモデルにもある装備ですが、スポーツGTSは更に良い音がチューニングされています。
サイズは5097×1885×1423と私のジャガーXJとほぼ同じサイズなのですが、クアトロポルテの方が回転半径がかなり大きいので「狭い道厳禁」といった感じです。一般的に使い辛そうな印象のあるクアトロポルテですが、走り出してしまえばこのサイズを忘れるほどに軽快に走ります。先日のグラントゥーリズモと基本的には同じなのですが、全体の完成度はグラントゥーリズモの方が上にも関わらず、「楽しさ」という部分ではこのスポーツGTSの方が勝っているような気もします。
この車も登場してからもうかなり時間が経過して次期型の噂もチラホラ聞こえて来ました。しかし最新のフェラーリ458イタリアを見ていると、確かにカッコいいのですがメーターの一部が液晶になっていたりとインテリジェンスになったようでフェラーリらしい熱さが少し冷めたようにも思います。こうした進化を遂げる前に登場したクアトロポルテは勿論コンピューターのカタマリであっても乗る人にそれを感じさせない良い意味での「人間味」みたいなものが残っているような気がします。
そしてほぼ同じ価格のライバルはジャガーXJのS/Cモデルとパナメーラあたりになるのでしょう。
設計年度が少し前という事もありますが、当然完成度はジャガーXJやパナメーラのほうが上です。しかしクアトロポルテには五官に訴えかけて来る悦びという美点があるようで、これはイタリア車だけが持つ特権なのかもしれません。そしてその特権を心行くまで享受する為には「これ一台!」という選択では避けたほうが良さそうな車であります。
この個体は「ネロ・カルボニオ」と呼ばれる黒メタに「クオイオ」というタンレザーとアルカンターラのコンビという凝った内装を持っていましたのでドアを開けて撮ってみました。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at
2010/06/23 08:12:41