タイヤが釘を踏んでしまいました。

日産さんで修理を引き受けて下さって、幸いにも2千円の修理代で済みました。
待っている間、色々な話になり先日のシーマの話題が出ると「実車があるんですよ」と新型シーマを奥から出してくれました。パンク修理の間に乗ってみて下さいという事で、またまたお言葉に甘えて一周走ってみました。営業さんの「LS460と比較した感想をお聞かせください」との言葉はやはりレクサスLSあたりを仮想敵に想定しているのでしょうか…

外観は全くフーガのLWBで、フロントグリルのメッキ部分が多少立派になっている他は普通の人には見分けが付かないと思われます。法人のショーファー使用中心のユーザーはともかく、個人客でフーガではなくて敢えてシーマを買う顧客がこれで納得するのでしょうか…。とは言えこのフーガの彫の深いスタイルは個人的には結構好きで、少しではありますが和製クアトロポルテという感じの面構成はなかなかです。

このあたりも全くと言って差し支えないほどにフーガと同じです。質感もなかなか良いと思いますが、操作性に関してはレクサスに軍配が上がります。パワーユニットもフーガハイブリッドそのものですが、足回りはフーガの3種類ある中の一番ソフトな仕様になっています。
正直なところ、レクサスLSとは違うセグメントにあるので単純な比較は無理があるのは当然に思います。それを承知で美点を拾い出してみたのですが、まずはフロントに比べてリアシートの位置が高い事です。

ロングボディ化で後席足元の広さは充分ですが、丸いスタイルの為にその他の空間は決して広大とは言えません。しかし後席のヒップポイントが高いので、ショーファーカーによくある助手席ヘッドレストを外した状態でなくても視界が確保されています。
そして意外にも足回りに関してはLS460の標準仕様のものに勝っています。先日新型LSの時にも書きましたが、LS460のエアサスは路面の突起を乗り越えた後に大きなうねりが見られ、その収束がやや遅い傾向があります。同じエアサスを採用するジャガーXJ、Sクラス、7シリーズ、A8などのライバルはその収束が迅速に収まり次の動作に移るスピードが確実に違います。これは足回りだけでなくフロア剛性の高さも関係あるのでしょうが、このシーマの足回りはメカサスでありながら、柔らかさと足回りの速さのバランスが取れているところは流石GT-Rを作ったメーカーの車であります。柔らかくても揺れの収束がなかなか迅速でした。
この新しいシーマのお値段は、フーガハイブリッドに対して200万円増しだそうです。やはり車の価格は各部に確実に反映されるので、営業さんの考えるレクサスLSのライバルと見るには難しい部分が多々あるのは否めません。直接的にはマジェスタあたりが一番のライバルになると思いますが、車そのものは出来が悪くないのでマジェスタとはいい勝負になるような気がします。ただ、これは日産の性というべきか細かな部分のツメが甘く、遮音性がトヨタに比べると劣っていたり(それも極めて高い次元での話ですが)ドアのオートクロージャーがリアだけというのは残念に思います。
20年前に比べれば確実にこのクラスの需要は少なくなっています。そんな中ではショーファーカー需要に特化した姿も仕方ないのかも知れませんが、個人ユーザーにとってフーガとの200万円の差はあまり意味があるとは思えませんでした。ただこのシーマしか選択肢の無い日産系列の社長さん方が自分で運転しても、そこはそこでガッカリするような事は無いと思います。
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2012/10/21 16:12:24