ここ何年か足が遠のいていた浅草ですが、本当にここ一か月くらいはマイブームのようによく訪れます。
もともと私は現在東京スカイツリーのある墨田区業平で生まれ育ちました。スカイツリーから浅草は目と鼻の先で、この界隈で育った者は誰しも浅草への思い入れを持っているものです。
明後日から二泊で京都旅行に妻と義母は支度に忙しく、姪は仕事で出勤している為にひとり気ままにジャガーのフルーテッドボンネットを向けた先は

浅草の洋菓子店「アンヂェラス」であります。
このお店も先日の「金寿司」同様に池波正太郎氏のエッセイに度々登場する老舗ですが、このお店は私が池波先生の本に出逢う前…それこそ物心つく前から縁のある懐かしいお店であります。

今は雷門より少し西にあるこの通りを「オレンジ通り」と呼びますが、私の子供時代は今の浅草公会堂のある場所に台東区役所があり「区役所通り」と呼んでいました。それが区役所が上野に移転し、公会堂が出来た為にオレンジ通りとなったのでしょう。子供の頃はここにケーキを買いにおつかいに行かされた事もしばしばですが、ここに来るには東武線の業平橋駅(今の東京スカイツリー駅)から浅草までひと駅だけでも電車に乗れるのが嬉しかったものです。

お店でお茶も頂けますが、今日はお土産を買うのが目的なのです。

このお店の名前がそのままの「アンヂェラス」というケーキ、バタークリームのロールをチョコレートでコーティングしたもので、嬉々として電車に乗った時代と何も変わらない懐かしいスイーツです。
これは撮影用にホワイトとブラックを並べてあります。昔はこれを二本食べられたものですが、今はとても二本は無理で、一本で充分です。つまり一本でものすごく濃厚で密度がある為、他のケーキ一個分以上の満足感を持っていると思います。
家に帰りお茶の時間を迎えた時、私的に洋菓子に一番合うのはコーヒーでも紅茶でもなく緑茶で頂きます。これはお店では無い組み合わせで、是非お持ち帰りでお試し頂きたい組み合わせです。
我が家は私以外には妻、義母、姪、猫に至るまで女性しかおらず、おのずとスイーツには詳しくなる道理があります。(まあもともと甘党ですが…)このお店も嘗ての好ましい浅草の記憶そのものであり、とても幸福なティータイムを迎える事が出来ました。

逸品に出逢う為に名品のステアリングを握る…そんな至福の時間があればこそ日常を戦う力が出てくるものです。
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2016/11/23 18:40:58