「いや~申し訳ないのですが、どうもスタイルが好みではないですね~」
いつもRXの面倒を見て頂いているレクサスの営業氏から、次期社用車として新型LSを強くプッシュされています。みんカラでは自分でハンドルを握るオーナーさんがほぼ大半ですが、最近の私は社用の国産セダンは後席に乗る事がほとんどなので、あまりこの感想は一般的ではないと思いますが…
・好き嫌いは別にしてもスタイルがあまりにもスポーティーになりすぎた点
・先代のロングボディと同サイズにも関わらず、後席の足元スペースは先代ロングには及ばない点
それ以外によく言われているV8からV6へのダウンサイジングなどは、V6でありながら先代600hを思わせるどっしり感の再現は見事だと思いますし、その他の造り込みの細かさなどは他メーカーでは望めないものだと思います。(ただ中間加速は先代V8のほうが間違いなく速いと思いますが)
で、恐らくこの車を検討する100人中に一人しか気にしない部分だと思うのですが…

これはクラウンエステートの前席背面に付いている「シートバックグリップベルト」と呼ばれるものですが、昔のクラウン以上の車には装備されており、今でもセンチュリーはもちろんクラウンのロイヤルサルーンGや先代LSの最上級モデルには付いていました。これと同じものは四角かった頃のキャデラック・ブロアムやリンカーン・タウンカーでも見掛けたので、恐らく起源はアメリカ車なのかなと思われます。
よくウチの両親が健在の頃には「国産車はこれがあるから乗り降りがラクなんだよ」と言っておりましたが、自分が後席に座る立場になるとこのグリップベルトって結構便利だなと感じておりました。事実ホンダ・レジェンドをハイヤーに導入している帝〇自動車では、市販モデルにはないこのベルトが装着された特注モデルが使われておりました。
で、新しいLSですが…

一応ディーラーオプションで用意はされていました。
が、その価格は7万円だそうで、更にその下に小さく「一席分」と書かれており、運転席&助手席では14万円という高額なオプション扱いになる事に気が付きました。
この件を聞くと「今回はデザインを重視しましたので…」と歯切れの悪いお答えではありましたが、これが付いているとそんなにカッコ悪いかなと疑問に思いました。もともとLSはドライバーズカーなので、そこにショーファーカー的要素を持ち込むほうに無理があると言ってしまえばそれまでですが、今までのトヨタには決して既存ユーザーの期待を裏切らない誠実さを感じたものの、最近の車には良くも悪くも「変えるところは容赦なく変えますよ」というメッセージを感じます。
まあこうした意見は極めて少数派の声だと思いますので、「そういう方は新型センチュリーがあるでよ」という事なのでしょう。
さて、そのモーターショーに出品されていた新型センチュリーですが、よくネット上では「何で革シートじゃないの?」とか「内装がイマイチ」という意見を見掛けました。まあ色々な意見があるとは思いますが、私的にはセンチュリーはウールのファブリックシートが一番相応しいと思っています。以前にも書きましたが、天皇陛下が会見される皇居宮殿内のインテリアには素材は最高でも華美にならずにシンプルな意匠となっていると思うのです。今回の新型LSからは大陸的な華やかさを感じますが、センチュリーは日本文化の侘び寂びを堅持した事は英断だったと思うのです。よく古い会社の社長室にはキャビネットの上にマイセンの陶器と信楽焼のたぬきや木彫りのクマが並んでいたりしますが、そういう訳の分からない和洋折衷感覚を持ち込む車では無い事だけは確かなようです。
多くの方は今回のLSの変化を「欧州車との競争力強化」と支持すると思いますが、その実乗ってみると私的には外観ほどスポーティーな走りとは思えず、その肝煎りのスタイルもどこか中途半端で逆立ちしてもXJやクアトロポルテになれる訳でもなく、失礼ながら無国籍でよく分からない車になってしまったようです。
そんな訳で保守派の私的にはLS500より新型センチュリーの後席に乗りたいと思うのでした。
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2017/11/22 13:00:51