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イイね!
2020年11月16日

ヘビーユーザーから見たクラウンの生産終了


あまり朝ドラを熱心に観た事は無かったのですが、今回の「エール」は毎朝楽しみに観ております。皆さんご存知の通り、日本の大作曲家である古関裕而先生の物語ですが、やはり誰でも知っているのはこの「栄冠は君に輝く」ではないでしょうか。

時に清々しく、時に力強く、時に優しい古関先生の美しい旋律は、大変な時代からここまで頑張って生きてきた日本人にとっての文字通り「エール」なのだろうと思います。私などは親の年代が高かった影響で、登場する全ての楽曲を知っているという珍しい昭和46年生まれではないかと思うのです。

改めて聴いていると美しい旋律は勿論ですが、歌詞の日本語の美しさに感動するのです。今はあまり使われない響きのものもありますが、本来の日本語の持つ言葉の美しさというものを現代人は忘れてはいけないように思います。
そしてそれを歌う当時の歌手の方の発音と滑舌の良さは素晴らしいものがあります。私自身は10代の頃、日本橋三越で偶然にも藤山一郎さんの生歌を聴く機会がありまして、今にして思えば何と言う貴重な体験だと自慢出来ます。

さて、車の世界に目を向けると、やはり昭和の時代から続くクラウンのセダンがそう遠くないうちに生産を終了するというニュースが先週飛び込んで来ました。

恐らくは現行モデルが思っていた程に販売台数が伸びなかった為に、今後の可能性を様々なカタチで模索する中での生産終了という選択肢がニュースになったのだろうと思うのですが、実際こうした形でニュースになるところを見る限りは信憑性のある報道なのだろうと思います。


私自身、現在新旧で乗る程にクラウンに関してはヘビーユーザーだと思っています。それは私の業界では「公」と「私」を完全に分ける必要があり、それは建前ではあってもクラウンは一番都合の良い存在だと考えます。

我が家のエステートの頃の17系と呼ばれるモデルまでは保守本流というキャラクターのクラウンであり、これは販売面でも好調だったように思います。その後のゼロクラウンあたりからはユーザーの高齢化に危機感を持ったという理由でスポーティー路線にチェンジして、現行モデルに至っては完全にスポーティー路線のアスリート系を中心に据えたラインナップとなりました。

さて、ゼロクラウンあたりでは大成功したかに見えたスポーティー路線ですが、現行モデルの販売不調を見ると必ずしも正解だったとは思えないのであります。

そもそもこの路線は30年以上前に日産がセドリック・グロリアにグランツーリスモを登場させたのと同じパターンですが、それはクラウンに比べればセドリック・グロリアユーザーのほうがアグレッシブなユーザーが多かった事が大いに関係あるように思うのです。事実私などはロイヤルサルーンという名称が廃止された現行モデルを見ても魅力を感じない訳で、もっと言えばクラウンをニュルブルクリンクで鍛えて輸入車を横目で追う必要性を感じないのです。

都心でクラウンに乗るユーザーは何人も知っていますが、今のスポーティー路線のクラウンには否定的な方ばかりであります。事実こうしたキャラクターを求めるユーザーが皆無とは思いませんが、それはどちらかと言えば新車購買層ではなく数年後に中古購入するセカンドorサードユーザーの嗜好ではないでしょうか。

ここまでニュルで鍛えて売れないのはユーザーがおかしいとトヨタが考えているか否かは謎ですが、少なくともクラウンはミニセンチュリーなキャラクターが相応しく、スポーティー路線をやりたければレクサスで作るべきだったと思います。ユーザーの高齢化もあるでしょうが、もはや今の日本では若者は高額な車の購買層とは成り得ない訳で、「法人需要はアルファードがあります」というのはユーザーのセダン離れではなくメーカーのセダン潰しではないかと考えます。事実クラウンの内装を見ると17系は良かったものの、その後のモデルはクオリティの低下が著しく「本気で作る気あるのかね?」と感じます。

最初のお話に戻って古関裕而先生の曲を聴いていると、今は薄れてしまった美しい日本人の心を思い出します。そうした部分が今回の朝ドラを切欠に注目される事は実に素晴らしい事であります。

それと同様に今後は嘗ての端正な佇まいで新しいクラウンが登場するのを見る事は出来ないのかも知れませんが、妙なSUVにクラウンの名前を冠するくらいならばブランドそのものを廃止したほうが良いとまで思います。

私自身は相当難しいと思っておりますが、もし来年東京オリンピックが開催された時の入場行進曲には昭和39年と同じオリンピックマーチが流れたら感動で泣いてしまうと思います。実際は同一都市で開催される場合は同じ曲の使用が出来ないというIOCの内規があるようですが、今こそ車でも何でも原点回帰が必要な時期に入っているように思うのです。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2020/11/16 20:44:10

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この記事へのコメント

2020年11月16日 23:20
素晴らしい文章ですね。昭和の思い出を音楽と絡めて。
私もクラウンの最近の路線は良いと思っている派で。
正直Eクラスより格好いい。
日本人のバランス感覚にも合致していますし。
あの人がコレに乗っているからコレは買えないと言う話を聞くと、クラウンは絶妙なポジションだと思います。
子供の頃、父親がグロリアのグランドツーリスモSVを乗っていて、セダンの魅力は刷り込まれていますが、大人になって、更にその魅力を感じます。
だから家人が四つ目のジャガーに拘るのも分かるのです。
近年のクラウンがスポーツ志向で格好いいだけに、無くなって欲しく無いですね。
そう言いながら買わない者が、何を言っているのだと言う話ですが。
コメントへの返答
2020年11月17日 4:56
ありがとうございます。

セドリックグランツーリスモSV、私が免許を取った頃に我が家でも乗っておりました。その後に初めて新車を買ったのは同じセドリックでしたが、ブロアムを選びました。

その頃のクラウンはどちらかと言えば保守本流というキャラクターで、日本のエスタブリッシュメント御用達という感じでしたが、昔からのリピーター的にはクラウンは和風でいいんじゃないかという思いがあります。

少なくとも昔のトヨタには自社の製品に対する矜持みたいなものを感じましたが、最近は売れるか否かだけがポイントになっているように感じるのです。そこがユーザーのセダン離れというよりもメーカーのセダン潰しという印象を受けて疑問に感じます。
2020年11月17日 23:06
レクサスでクラウン売れば?と思います。

愛知県民とすれば、ただただ大熊猫さんのお考えが間違ってる事を祈るのみです。そうでないと、トヨタがなくなってしまいそうで怖いです…。
コメントへの返答
2020年11月17日 23:16
確かにフォーマルなキャラのレクサスが欲しいところです。

私、結構名古屋って好きなんですよ。そういう意味で看板車種がひとつ消える事の大きさは相当なものだと思うのです。

トヨタが無くなるって事は無いと思いますが、自動車以外の何かを作って売る会社に変わって行くのかも知れませんね。
2020年11月19日 11:05
こんにちは

クラウンのSUV風化。
今朝の新聞記事で「18日に販売店関係者に説明した」とあることから、路線変更は確実なのでしょう。
セダンプラスという車格で海外展開が前提とか。
モデルチェンジを繰り返しても幅を180cmに抑えてきていたのに、今後は幅も肥大化するのでしょうね。
何台SUVを出せば気が済むのか?と、思ってしまいます。

亡父が歴代のクラウンを乗り継いできたこともあり寂しい思いですが、仰るとおりで、SUV風で残すならばいっそセダンのままで有終の美を飾るほうが気持ち的にはスッキリ致します。

コメントへの返答
2020年11月19日 21:49
こんばんは。

今回のクラウンの件も含めてですが、最近のトヨタの出す車はどれも疑問に思うものばかりです。ヤリス、カローラ、クラウン、レクサスLS、この流れから察するにセダンプラスなる訳の分からない車が出てくる事が容易に想像されます。

ご指摘の通り、中途半端にネーミングだけの継承は止めてほしいと思いますね。
2020年11月29日 22:47
始めまして。
コメントさせていただきます。

セダン離れではなく、セダン潰しと言うご指摘にとても納得しました。

作り手の中でもセダン(或いはクラウンの世界)を理解している方が少なく、現行の極端な姿は定期的な人事異動でクラウン担当になってしまった、という方の作品なのかなと想像してます。ゆったりした日本のセダンをもう一度だけ世に問うてからSUV化して欲しかったです。
コメントへの返答
2020年11月30日 4:41
初めまして。コメントありがとうございます。

少し前のトヨタには、少数でもある一定の需要があれば絶対に投げ出さない矜持みたいなものがあったと思いますが、少し前から路線変更してバッサリ切る方針に転換したのでしょう。

私的にクラウンはミニセンチュリー的なキャラクターで良かったのにと思います。

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