寒いです…
以前はほとんど外を歩く事が無い時にはコートを持たずに出勤する事もしばしばでしたが、最近は毎日コートを着込んで出掛ける事が多くなりました。これは自分自身の寒さへの耐性が低くなったのだろうと解釈しておりますが、年齢と共に膝の冷えが気になるので長めの丈のコートが重宝します。最近のトレンドではコートの丈はショートが主流のようですが、そんな訳で昔着ていたものが今でも現役で活躍します。
先日着ていたチャコールグレーでダブルのチェスターコートを知人からお褒め頂いたのですが、思えばこのコートは何と高校生の時から着ていたもので、30年以上着ている事になります。
その当時、「過ぎし日のセレナーデ」というテレビドラマの中で田村正和さんが着ていたものに憧れ、衣装協力の会社を調べて購入したものです。これを学ランの上に羽織って通学していた訳ですが、当然学校では相当に目立っていた訳で今になって思えば何と痛々しい高校生だったのでありましょうか。都立校なので服装の縛りも緩かったので、臙脂のマフラーまでパクっていたのは懐かしい想い出であります。
さて、久々に車の事に触れないと車の機嫌を損ねるような気がするのでJaguarのお話です。

この週末は久々に何も用件の無い土日でありましたので、久々に目的地を決めずに車を走らせるだけにJaguarを連れ出しました。とは言っても途中でパンを買う事を思いついてニューオータニを目指した訳ですが。
やはりこのシャープなハンドリングとマジックライドカーペットと評される乗り心地の相反する要素を融合させた不思議な感覚は格別であり、これを再認識することは至福の時間でありました。
思えばこの摩訶不思議な感覚の虜になったのは20代の頃で、当時聖路加国際病院の並びにあったジャガーディーラーでX308のエントリーモデルだった3.2に試乗した時でした。間違いなくスポーティーではありますが、それはポルシェやBMWの肉体的なスポーツではなく、乗馬やクリケットと言った精神的なスポーツに似た感覚というものにカルチャーショックを受けたのでした。その直後に試乗したスーパーチャージャーのXJRはツボに嵌らなかったのですが、この普通のXJとの遭逢は恋の予感に震えた瞬間でありました。
この恋が成就するには何年か掛かりましたが、時は流れてXJも次の世代にモデルチェンジされて数年が経っていました。何が切欠になったのかは未だによく分からないのですが、「そろそろ買ってもいいんじゃない?」という気持ちと「次のXJはこの雰囲気から大きく変化するのでは?」という予感に背中を押されたような気持ちで新車をオーダーしたのを覚えています。
私的には悪い意味でその予感が的中し、この後の世代のXJには歴代の面影が無く、買っておいて良かったと心から思いました。

35歳で購入して50歳になった今でも、車を走らせる事を目的にしてステアリングを握ると当時の感覚を昨日の事のように思い出します。むしろ件のチェスターコートと同様で、50歳になった今のほうが購入した当時よりも板に付いているのだろうと感じています。
購入当時、あまり故障するようならすぐに手放すかとも考えていましたが、その危惧とは裏腹に現在に至るまで故障らしい故障は一切無く、ここまで健康体で連れ添ってくれた事にはありがとうの言葉しか見当たりません。
これから先の世の中は急速にEV中心にシフトする事は必然と思われますが、もはやこのXJの不思議な感覚から離れる事は難しいので、余程の事が無い限りは今後も末永く私のファーストカーとして走り続けて欲しいものです。
最近は通勤時も週に一度はXJを使うのですが、やはり通勤時はドライビングというよりは単なる移動という要素が強くなります。なので目的を持たずに車と向き合う時間を作り、覚めない恋を再確認する事は必要なのだろうと感じた冬晴れの一日でありました。
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2022/02/06 20:35:21