2022年03月30日
古いものを愛でる生き方
ウチはあまり車を買い替えません。
その理由はお友達の皆様ならばよく御存知と思われますし、ここでは書き切れないので割愛しますが、その代わりに現存する同一車種の中で一番のベストコンディションを維持していると自負しております。
古い車の場合、そのコストを度外視するならばトラブルがあった場合でもどうにか修理する術が存在します。しかし最近の家電などは最初から使い捨てを前提に造られているものが多いので、ある程度の年数を経過したものはまだまだ使用出来るにも関わらずに修理不能で買い替える事になってしまいます。ごく一部では修理出来る職人さんも少数ながら存在しますが、これまた高齢の方が多くて後継者が居ないという問題があるようです。
さて、先日我が家の2つある冷蔵庫のひとつを買い替えました。こちらは妻が中学生の頃から使い続けているもので、実に30年以上が経過しているものでした。
まだまだ使用は可能と思われますが、時折大きな異音を出すようになった為に「そろそろかな」というタイミングで都合の良い商品があったことが切欠となりました。
新しい冷蔵庫が届く日、古い冷蔵庫のコンセントを抜きながら「今までありがとう。壊れるまで使い続けてあげられなくてごめんね」と呟く妻の表情からは心からの惜別の念を感じたのですが、手前味噌ながら自分の妻がモノに対して愛情を持つ人間である事を改めて誇りに感じたのでありました。
まだ新しい冷蔵庫には慣れていないようで「クルマと同じで最近の製品は造りがチャチだ」と憤懣たらたらの様子ですが、この新しい冷蔵庫が再び30年以上何事も無く使い続ける事が出来るとは思えないのでありました。
ここから30年後となれば私が80歳になる訳で、まずは自分自身が持たない危惧を感じなくもありません。そして新しいものが売れなくては経済が回らない事も事実ですので、恐らく今の製品は家電でも車でも長くて10年程度の寿命が想定されているように思うのです。
妻はこの30年前の冷蔵庫を評して「子供の頃から良い製品を知ってしまうと、最近のものはそれなりの価格のものでも安っぽく感じる」と言い放っておりますが、それはどこかの誰かが最近の車に対して持つ不満と全く同じ事に気が付きました。
畢竟、我が家は似た者夫婦なのかも知れません。
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Posted at
2022/03/30 20:34:24
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