2022年07月10日
言い知れぬ喪失感
本来こうした事を書く場ではない事を充分承知した上ですが、敢えて書きます。
この週末、テレビでやたらとACジャパンのCMが増えていた事にお気付きの方も多いかと思います。
これは大きな災害や事件事故、天皇の崩御などに際してスポンサーがCMを辞退した穴埋めに流れるそうで、言うまでも無く安倍元首相の銃撃事件の影響であると思います。
今回は私も金曜の昼間から今に至るまで、得体の知れぬ喪失感みたいなものを強く感じており、氏の支持不支持は抜きにして多くの人が同じ思いを持っているのかなと感じております。
犯人の供述を額面通りに取るかは抜きにして、ネット上では「宗教団体」という検索ワードが急上昇しているようで、その団体がどこであるかの憶測で錯綜しているようです。
以前にもここで書いた事がありますが、日本人というのは正月には神社や寺院に初詣に行き、婚礼やクリスマスでは教会に向かい、人生の終焉には僧侶に引導を渡して貰うという傍から見れば節操のない宗教観を持った民族であると思います。
しかしながら、私自身はその節操の無さを決して悪からず思っておりまして、それは「宗教心」ではなく「信仰心」のほうが重要であると信じるからであります。つまり諺で「鰯の頭も信心から」と言われる通りで、必ずしも信仰の対象が宗教である必要は無く、鰯の頭は極端にしても自身が常に感謝の念を持ち続ける事が出来か否かの問題であります。
それは中には宗教団体に多額の上納金を納める事に幸福感を感じている人も少なからず存在する事は今に始まった事ではありませんが、それは客観的に見る限りでは歌舞伎町のホストに入れ込んで大金を貢ぐ女の子や、アイドルの握手券欲しさに数百万単位で同じCDを購入する男の子と同義であるように見えます。それは宗教とてビジネスであり(悪質だなとは思いますが)、ホストやアイドルと何が違うのかという事です。
ハッキリ言えば、こうした事で叶う幸福などは決してあり得ません。
そのお金を貢ぐ行為自体に幸福感を持つ人も居る事は否定しませんが、一つの判断基準としてその宗教が良いものか悪しきものかを見極めるには、多額の寄付を求めるか否かが基準と言っても差し支えないと思います。
実を申せば私が高校生くらいの時、兄がとある新興宗教に入信した事がありました。兄自身はそれほど深く考えずに友達に誘われるがままに入った様子ですが、そのうち自宅に多額の寄付を求める納付書が届くようになり家族に明らかになったのが事実でした。
流石に本人もマズイと思ったようで親に相談して宗教団体に脱退を申し出ておりましたが、寄付を求める連絡が止まる事はありませんでした。そこで怖いモノ知らずの私はその宗教団体に対して内容証明用紙にびっしりと脱退に至るまでの経緯と送付された振込用紙を併せて配達証明付きの内容証明で送付しました。
その次の手も考えてはいましたが、結局その後宗教団体からの連絡は一切無かったので脱退したという認識を持っておりますが、その時から親兄弟からは感謝される反面で「こいつは怖い」と思われた様子でした。
話が逸れましたが、その経験を踏まえた上で見ていると、こうした形で本当に幸せになった人間など見た事が無く、寧ろ一歩間違えれば自分と周りの人を不幸にするのが宗教の怖さである事を身を持って感じました。だって信者の生活が立ちいかなくなる程の寄付を求める宗教団体が本気で信者の幸福などを願っていないのは明らかだと思います。
が、その反面でそうした団体に入信する人はクソ真面目というか純真な心の持ち主である事も理解しているつもりです。それは例えるならばヒヨコが生まれて初めて見たものを親と認識して付いて行くのと同義で、残念ながら日本人の宗教心の無さに付け込んで純真な人を騙すような宗教も少なからず存在するのが現実のようです。
今回の事件では自分自身のそんな記憶までも蒸し返された気持ちではありますが、この期に及んで安倍さんが「余人を持って代えがたい」方である事を改めて思い知らされた思いです。それは総理大臣とて聖人君子でない訳で、その舵取りの全てが正解などはあり得ないように思います。しかし今になって思えば総理が安倍さんで良かったと思える事案のほうが多く、その結果が歴代最長の在任期間に繋がったのだろうと思います。それは選挙結果という民意が証明しています。
今の岸田総理がどのような舵取りをするかはまだ謎の部分が多いですが、長い目で見てダメな部分が見えた時には即退陣を求めるのではなく、国民が総理を育てるくらいの考え方もまた必要ではないかと感じております。私自身は保守主義者ですが、その為にはSNSの書き逃げは別にしてイデオロギーの相違に関わらずにマスコミというフィルターに頼らずにもっとモノが言える世の中になれば良いなと思う投票日の日曜であります。
安倍元総理、貴方の事は忘れません。そしてありがとうございました。合掌。
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Posted at
2022/07/10 12:35:01
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