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大熊猫@のブログ一覧

2012年10月20日 イイね!

新しいボクスターS

今日は実に秋らしい穏やかな一日となりました。そんな穏やかな秋の日に相応しいオープンのお話です。

いつもの日本橋三越さん、今回は新しく登場したポルシェのボクスターの展示会です。基本的にどこのメーカーも扱う三越さんでもポルシェは販売の割合が多く、安心して誰にでも勧められる車なのでしょう。正直ボクスターに関して私は全くノーマークで、新しくなった事は知っていたくらいの予備知識しかありませんでした。

「大熊猫さんのお好みとは違うかも知れませんが、是非ご参考までに…」とのご好意で、いつも走る朝の皇居一周コースの試乗に出掛けて参りました。
この展示車は標準のボクスターですが、試乗用はボクスターSでありました。

今回のボクスター、何となく昔のクラシック356的なラインが結構カッコいいと思います。

サイズ的には幅1800mm、長さ4380mm、高さ1280mmと先代に比較すれば少し大きくなっていますが、もともと小ぶりな車なのでさほど大きくなった印象は無いと思われます。標準のボクスターが2.7Lで265psに対し、Sには3.4Lで315psを発生するエンジンを積んでいます。残念ながら2.7Lの試乗車が用意出来なかったそうで直接の比較は出来ませんでしたが、1390kgの車重に対して充分過ぎる程の心臓です。

いつも申しておりますように、皇居一周の道は緩いカーブの連続するアップダウンや長い直線区間など通常常識の範囲内で走行を楽しむ為の最良の環境が揃っていると思います。ここに持ち込むと車の性格がある程度は分かるのですが、私的にこのボクスターSの走りはフェラーリ458以来の好印象でありました。

リアエンジンの911に対してミッドシップのボクスターはとにかく身のこなしが軽く、適度にシャープなハンドリングはそれほど神経質にならずとも普通の人が普通に安心して楽しむ事が出来ます。この車にはオプションのスポーツクロノパッケージという足回りやシフトアップのタイミング等を総合的に「スポーツ」「スポーツプラス」の中から選択出来る仕掛けが付いておりましたが、文字通り一番スパルタンな「スポーツプラス」を選択してハードな足回りでも、先日のアウディR8のような不快な硬さを感じる事はありません。物理的にはかなりハードなハズですが、サスペンションがキチンと仕事をしている為に素晴しいロードホールディングであります。

この展示車は19インチで、試乗したSには20インチが装着されておりました。ポルシェは比較的タイヤサイズは常識的な選択をするメーカーですが、大径なホイールでもバタバタする印象は皆無です。

どの速度域(勿論法定速度に順ずる範囲ですが)でも、どんな走り方をしても7速PDKは本当に賢いシステムで、特に2段飛びのスピードは更に磨きが掛かっています。ただ一点苦言を呈するならば、相変わらずポルシェの右ハンドル車のペダル位置はイマイチで、左ハンドル車のほうが私は好きです。

申し訳ないのですが、正直従来のポルシェの内装にはあまり垢抜けしない印象を持っていました。が、このツートンカラーの内装などはスポーツカーとして相応しいセンスだと思います。

このベージュ一色のインテリア、どちらかと言えばサルーンのセンスに見えます。スポーツカーのセンスとしてはいかがなものかと思いますが…

ポルシェも相当頑固なメーカーですが、流行のメタルトップではなくソフトトップを堅持したのは拍手です。

このソフトトップのシステムも従来より30kg軽量化されたそうです。

さて、このボクスターにPDKを合わせると631万円というお値段だそうです。温泉旅館の「一泊○○円から」という表記と同様に、ポルシェの場合は何でもオプション扱いになってしまうので実際にはこれより高くなるのが確実ですが、趣味嗜好を別に申し上げればあらゆるジャンルのこの価格帯の車の中で、こと「走る」という部分に関して現状でこれの右に出る車は存在しないと思います。例えばスポーツ走行が大好きな方も、そんなに飛ばさなくてもポルシェのアイコンに憧れを持つ方でも、買ってから「こんなハズじゃ無かった…」と思われるような事は絶対に無いと言えます。

誤解を恐れずに申し上げるなら、従来のボクスター&ケイマンを単なる911の廉価版と見る方も多いと思います。しかし自分がもし今ポルシェを検討するなら、911よりもこのボクスターに魅力を感じました。実際にはポルシェの持つ体育会的な雰囲気に少し抵抗があるのも事実ですが、今日は先入観を抜きにして走る事の楽しさを体感出来ました。そして昨今のスピード&パワーウォーズの仕掛人であるVWも、決してこういうボクスターのような古典的な楽しさを忘れていない事には素直に脱帽です。

この車は構造上、普段エンジンを目にする事は出来ず、トランクに水とオイルの口があるだけです。信頼性が上がった今となってはそれが普通なのでしょうが、折角のフラット6とご対面したい気もします。

来年日本でも発売されるジャガーのFタイプもまた、このボクスターあたりをベンチマークに作られた車だと思います。後発である以上は相当な出来を期待出来ると思うのですが、本来スポーツカーってこういうものなんだと各メーカーの原点回帰が始まったのかも知れません。
Posted at 2012/10/20 18:31:01 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ

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何シテル?   11/24 20:05
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