お陰様で具合はかなり良くなりました。もう少しゆっくりしたい所ですが、今日は所用で上野方面に出ておりました。
話は変わりますが、昭和の初期に建設された「同潤会アパート」という建物があります。今の表参道ヒルズの場所にあった「青山アパート」を始め、都内に何箇所かあった同潤会アパートも現在は建て替えが進んでこの「上野下アパート」一棟を残すところとなりました。
その上野下アパートも建て替えが決定し、来年の5月に取り壊しが決まったようです。

昭和4年の建築で、この時代にしてエレベーターを2機備えた設備などは当時最先端のものだったのでしょう。

今よく目にする団地のエントランスは、この形が原型になったのでしょう。

敷地には緑が多く、周辺には比較的高い建物が無いので開放感があります。
今は取り壊されて新しい建物になりましたが、嘗て深川の同潤会アパートには社会党の委員長だった浅沼稲次郎氏が住まわれていたそうで、瀟洒な集合住宅の嚆矢として貴重な建物だったように思います。こうした同潤会アパートや文京区春日にある故・川口松太郎氏の「川口アパートメント」には、今でも入居希望者が後を絶たないそうです。
丁度ここに着いた時、この上野下アパートの向かい側にお住まいと思しきおばあちゃんが家の前で秋の穏やかな陽を楽しむかのように佇んで居られました。このおばあちゃんもまた、この場所で上野下アパートと共に永い時間を過ごされてきた方なのでしょう。母親を亡くしてからと言うもの、この年代の方のお元気な姿は無条件に嬉しくなるものです。
今日は敢えてモノクロームのセピア色をイメージしてみました…
Posted at 2012/10/26 17:52:09 | |
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