これはあくまでも持論ですが…
物事にはすべてそれに相応しい理想的なカタチというものが存在すると思います。ところが人間の弱さでもあるのですが、時としてその理想的な姿からかけ離れたものが魅力的に感じる事もある訳で、私にとって不自然なものが人によっては魅力的に見える事やその逆もまた然りと思います。
車に関しては実用性と趣味性と言う部分に関しては、あまり相容れない部分だと考えています。ところが最近では大きく重たいSUVでも電子制御デバイスという魔法を代入する事でその相反する要素を両立させた車も多く見掛けます。が、個人的にはやはりそれは不自然な存在に見えてしまう訳で、興味の対象外となってしまうのです。
そんな中で叔父がアウディQ5を購入する運びとなり、私も実車に触れる機会を得てSUVにとっての理想的な姿とはQ5かも知れないと思える程に好印象な車でありました。

全長4663、全幅1893、全高1659、ホイールベース2819(mm)と、幅に関しては隣のジャガーの1900とほぼ同じ広さではありますが、この車の美点はライバルより少し短い全長と低い全高であります。例えば我が家のレクサスRXよりも短くNXと同じくらいのサイズになります。が、ホイールベースはNXの2660よりも長く、Q5は前後オーバーハングを詰めた分ホイールベースを長くしています。
直4の2リッターターボは今やどこのメーカーも主力となるパワーユニットですが、相変わらずアウディのそれは他のメーカーに比べてトルクの出方がとても自然で躾の良い印象があります。ただ走りの感覚が思った以上に軽快で、昔のドイツ車のイメージを持っていると「あれ?これアウディだよね」と確認したくなるほどでした。これは肯定的に見れば「扱いやすい」となりますが、「やや物足りない…」と感じる方も居るかも知れません。

運転席周りのフォントはフライングスパーで見慣れたもので、ナビの使い勝手なども先に登場したA4よりも進化していると思います。
走り出すと良くも悪くもクセの無い素直な走りで、この車が使われるファミリーユースで旦那さんが乗っても奥さんが乗っても嫌なところは全く見当たりません。

が、この個体が履いている20インチはやや過剰な印象で、突き上げなどを見る限り18インチくらいでバランスを取ったほうが良さそうです。ファミリーユースには見た目よりも乗り心地やタイヤの経済性を優先するべきと思うのですが、カッコいいほうがウケるのでしょう。

サイズがサイズだけに広々とまでは行きません。が、リアシートのバックレストが三分割で倒れるので充分なのでしょう。

SUVであってもサイドウィンドゥの天地が低いジャガーF-PACEとは違い、窓が正方形に見えるほど天地のスペースがしっかり確保されています。フロントのピラーもきちんと立っていて、視界&ヘッドクリアランス共に良好でした。
新しいQ5はSUVとしての当たり前の事をバカにしないでキチンと作った車でありました。内容に関してもこのクラスでエアサスが用意されるなど充実しており、あまり大型のSUVは嫌だけど上質な車が欲しい層には優れたニッチと呼べるような気がします。
VW&アウディに関してはあまり奇をてらわずに手持ちの技術を煮詰めるという「石橋を叩いて渡る」的なイメージを持っています。場合によっては石橋を叩いて叩いて叩き壊して渡るタイミングを逸する事もあるように思いますが、それがまた個性なのかも知れません。
最近のトヨタのデザインを見ていると個人的には少しやり過ぎの印象を持っています。今回のQ5を見ていると、本来トヨタの目指すべきところはここにあるような気もする程の真面目な車に見えました。
ただ内装色がブラックだけとは何ともいただけません…
Posted at 2017/11/04 16:55:12 | |
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