故・瀬戸内寂聴さんの法話の中で、
「忘却とは人間に与えられた嫌な記憶を消去させる機能」
という一節がありました。
残念ながらこの機能には忘れてはいけない肝心な事も含まれますが、この忘れるという漢字を見ると、「亡」と「心」の組み合わせである事に気が付きます。
つまり心が亡くなるという訳でありまして、それは決して良い事ではないのは誰の目にも一目瞭然ではないかと考えます。
で、今日はその忘れるという大失態を演じてしまった訳ですが…
このところサボってしまった生活物資の買い出しに姪と出掛けたのですが、その量がかなり多目だったので買ったものを一度カートで車に積み込んで、再度買い物をする予定でありました。
そこでミネラルウォーターの箱を三箱にトイレットペーパーなどの大物を駐車場の車に運んだ時、リモートキーのトランクオープンを押して開けました。
私は車の鍵を自分の身に着ける習慣が無く、必ず鞄の中に入れるようにします。従ってそれを開ける時にはキーは必ず手元にありますが、あろうことか荷物を納めたトランクにキーを置いたままでトランクリッドを閉めてしまいました。
普通はキーの閉じ込み防止機能があり、このような場合はロックが掛からない構造になっていますが、この年代のジャガーにはそんな気の利いたものが装備されている訳も無く、無慈悲にも再びトランクが開く事はありませんでした。
さて、こうなると自宅にスペアキーを取りに行く必要がありますが、幸いにもここから徒歩10分くらいのところに都電が走っており、自宅を往復しても一時間掛からないくらいでありました。休日でタクシーを拾う事が絶望的なので、姪には買い物の続行をさせて私は自宅に向かいました。
キーを取りに戻ると近所の買い物組の妻と義母は既に帰宅しており、事情を話すと冷ややかに笑い、「どうせスイカとかパスモ持っていかなかっただろうから都電運賃2円損したね」と来たもんです。
結果的に一時間オーバーで買い出しは済んだのですが、この場合は「もしスムーズに買い出しを済ませて帰宅した場合、もしかすると事故に巻き込まれていたかも知れない」と考えるようにしています。他の車ならば閉じ込み防止機能がありましたが、こればかりは仕方ありません。
家族には一時間待たされたペナルティとして宅配ピザを要求されたりと散々な一日ではありましたが、何にしても私本人が笑って済ませる事が出来るレベルの失敗だった事は不幸中の幸いと言えそうです。
恐らくはここをご覧の皆々様のお車には例外なくキー閉じこみ防止機能があると思いますので、敢えてご用心をとは申しません。
Posted at 2022/03/21 16:50:37 | |
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