エリザベス女王陛下が崩御されました。
イギリス国民ではない私でも子供の頃からテレビで女王陛下の姿は見聞きしていた訳で、そのお元気な御様子を拝見する度に何故かホッとする気持ちになりました。
妻曰く、エリザベス女王陛下はどこか永遠の存在だと思っていた部分があり、決して亡くならない方だと信じてやまない存在と申しておりますが、実際にイギリス国民のほとんどはこの世に生を受けた時には女王陛下が既に存在した訳で、国中からの弔意が寄せられている様子に、どれほど国民からの敬愛を受けていたかを改めて感じております。
謹んで哀悼の意を表します。
そんなエリザベス女王陛下、結構な運転好きであったご様子です。
公式行事にはドライバー付きのベントレーステートリムジンにお乗りでしたが、割と最近まで矍鑠とステアリングを握っておられたのはレンジローバーとジャガーでありました。実際に自分でステアリングを握るならばベントレーよりこちらのほうがドライビングプレジャーを感じるのは私も同感で、車に関する造詣が深かった事が窺い知れます。

このドアハンドルとミラーの形状から、我がX350にもお乗りだったようです。

カラーはレーシンググリーンでしょうか。
この写真からリアのヘッドレストを外してお乗りなのが分かります。これは女王陛下ご自身が視界の邪魔になる事を嫌われたのか、見送りの国民に自分の姿が見えるようなご配慮なのかは謎ですが、葬列の霊柩車に女王陛下のアイデアでガラス張りの棺室のものが用いられるところを見る限りでは後者が正解のようにも思います。
いずれにしても黒いスモークガラスで覆わずにクリアガラスをお使いの様子からも国民とのコミュニケーションを大切にお考えだったように想像します。また車自体もこのほうが上品に見えます。そして女王陛下のみならず、映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」の中ではサッチャー首相自身がステアリングを握る姿が多く登場しますし、故ダイアナ妃も車を運転する様子が多く見掛けました。これは文化の違いと言えばそれまでですが、日本では要職に居る者が公私混同から公用車を私用で使ったのがバレて叩かれるのと大きな違いではないでしょうか。
さて、女王陛下はこのXJの後は大きくなり過ぎたボディサイズが気になられたのかXタイプのエステートにお乗りの写真も見掛けます。
イギリスの車、初見の方には決してフレンドリーさを感じさせる車ではありません。ドイツ資本になったロールスロイス、ベントレー、MINIはそこまで気難しくはありませんが、ジャガー&ランドローバーやアストンマーチン、ロータスなどはどこか乗る側と車との擦り合わせが必要な乗り物であります。マクラーレンもまた然りです。
それは正に乗馬と同じで、すぐに人馬一体になるのはなかなか難しいのと同様であります。しかしながらその意思が通じ合った時に生まれる絆みたいなものはとても強く、人と車の唯一無二の関係になれる不思議な車が英国車であります。

女王陛下も自らステアリングを握られた同型のジャガー、まだまだ末永く乗り続けたいと改めて思いました。
Posted at 2022/09/17 18:36:42 | |
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