
ここに一着のシルバーボタンのブレザーがあります。
これは二十代後半の頃にキャメルのブレザーが欲しくなり、気に入ったものが見つからずに当時日本橋三越のニナリッチ・プレステージというブランドのオーダーメイドで仕立てたものです。
トラッドな紳士服でもその時の細かいディテールにトレンドがあるもので、流石に二十数年前のデザインなので今様のトレンドではありません。加えてカシミアが多く混紡された生地は多少ヤレや毛玉が出易く、その風合いはともかく実用品としての耐久性はありません。
しかし乍ら、今コレと同様のものをオーダーすれば20万~30万円は確実で、処分するのは勿体なく感じてここ10年くらいはクローゼットで眠っておりました。
そもそもこのブレザー、今になって思えば20代後半には色々な意味で早かったと思う訳で、妻に言わせれば「60歳代でも着れる服をよく若い頃に買ったわね」と呆れ返っております。しかし妻と初めてのデートで鎌倉に出掛けた際にコレを着ていた事はすっかり失念している様子でありますが…
しかしこの秋を迎え、50代になった今こそもう一度着てみようという気持ちで茶系チェックのパンツと茶の革靴を新調し、インナーにはダークグリーンのタートルネックを合わせてみると、私が目指すところの「おじさま感」を演出する上でなかなか気に入った感じになりました。

そんなビジュアルで向かったのは夜の銀座ではなく早朝の築地場外市場でありました(笑)
これまた妻は「海産物買いに行くのに何してんだか…」と笑っておりましたが。
今回も前置きが長くなりましたが、今年も年末を迎えて毎年恒例築地の買い物の時期になりました。写真の通り人の数も完全にコロナ前に戻った感があります。
2022年、今年は私にとって多忙の連続で猛スピードに過ぎた一年という印象でした。加えて国内外を見渡しても大きな事件や事故、紛争が次から次に多発した不穏な年だったように思います。個人的にはここ数年は色々な意味で長いトンネルの中を走っていたように感じておりますが、この秋頃からはようやく出口の光が目視出来る距離まで辿り着いた感があります。
そんな訳で毎年言っていた「現状維持」と言う新年の抱負ですが、ここは一歩踏み込んで「発展と飛躍」という前向きな言葉に昇華したいと思います。そんな気持ちになるのはかなり久々であります。
今年も変わり映えの無い当ブログにお付き合い下さいました皆々様には厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
世間的にもまだ多少はコロナの不安が残る部分もありますが、皆々様にとって新しい年は佳き事が続く一年となります様にお祈り申し上げます。

夜になって、買い忘れた品物を買いに出かけました。
20数年前に仕立てた服を着て、16年間乗っている車で出掛ける。
最近はそんな日常を送る事で悦に入っております。
Posted at 2022/12/30 20:49:14 | |
トラックバック(0) | 日記