久々に気分転換という訳ではありませんが、本日発売の新型レクサスGSに一番乗りで乗って来ました。発売日と同時にナンバーの付いた試乗車を用意するところには、レクサスの気合というか意気込みを感じます。

最近のモデルチェンジは、スタイルの目新しさとコストダウンに重点を置いた整合性を感じないものも多々見かけますが、結論から申し上げて新型GSに関しては「モデルチェンジはかくあるべし」と言える内容に仕上がっていると思いました。
試乗車はGS250のバージョンLと呼ばれるモデルで、その名の通り2500ccのV6搭載の新グレードであります。サイズ的には先代モデルとほぼ同じようですが、高さが増したので真横から見ると、多少全長が短く感じるかも知れません。
その影響もあってドアを開けて乗り込んでみると、先代に比較してドライビングポジションが高めに変わっています。そしてサイドウィンドゥの天地が増えたので、普通のセダンとしての視界は大変に良好です。

シートに関してはCT200h以来の出来の良いもので、ようやく欧州車に太刀打ち出来る硬いだけではないシートになりました。ただリアシートのヒップポイントが若干落ち込み気味な感がありますが、この辺りは日産のフーガに軍配を上げます。

装備に関してもリアのサイド用ブラインドや、アームレスト内のコントロールスイッチ、助手席肩口のパワーシートボタンとLSの標準仕様を凌ぐ装備が付いています。これならLSからのダウンサイジング需要に充分に応えられる内容ではないかと思います。
実際に走ってみると、当然の事ながら2500ccの低速トルクは若干不足気味にも感じます。恐らく信号グランプリで常勝の国産サルーンユーザーには物足りなく感じてしまう事でしょう。が、私的に恐らく一番魅力を感じたのはこのGS250でありまして、自分で必要なパワーを引き出して走る楽しさみたいなものを感じました。
パドルシフトで落とした時のエンジン音も、以前のレクサス車はどちらかと言うと無機質な音質だったように思いますが、今回のモデルは「良い音」の演出にも気を使ったようです。それはドアの閉じ音も、遮音材で作っただけの重厚な音ではなく、欧州車のそれのように「カチッ」とした音色でした。
以前のGSの足回り、私的にハードなだけで減衰力がイマイチで突っ張るだけの印象を持っておりました。ところが今回は硬いだけではないストロークの深い足回りに仕上がっておりました。実際に高速を走った訳ではありませんが、恐らく首都高の継ぎ目を走った時に差が分かるものだと言えそうです。
今のところ、発注状況の大半はレクサス車のリピーターがほとんどのようで、他のブランドからの乗り換えは少数だそうです。しかし今回のGS、激戦区のこのクラスの中でも光るものを持っていて、以前のドイツ御三家追随とは違う、好むと好まざるとに関わらずレクサスの個性みたいなものはキチンと主張した素晴らしい仕上げに感心しました。
その中でオススメは、予算に応じてハイブリッドや350もアリだと思いますが、有り余るパワーに任せて走る楽しさよりも、ある程度限られたパワーを自分でコントロールすることが最近楽しく感じている私は250がイチオシです。分かり易く言うと、サーロインのステーキが美味しいのは当然ですが、料理としての楽しさは、スジ肉をじっくり煮込んだもののほうが上ではないかと思うのです。
Posted at 2012/01/26 20:21:58 | |
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