先日のニュースで、「マクドナルドで割引クーポンを使う男性を見て閉口した」という女性の書き込みがネットを騒がせているという話がありました。それってもしかして私?とも思いましたが、私自身同じ買い物であれば安く買うほうが賢いと思うので、クーポンの使用はごくごく当たり前の事のように感じました。
逆に書き込んだ女性の感性には「今時こんな昭和末期の化石みたいな頭の持ち主がいるんだな」とある意味感慨深く思いました。今や老舗の三越や高島屋でも各種ポイントカードが使えるようになったりと、確実に時代の流れが変わっているという実感があります。
ジャガーのMyディーラーとして切っても切れない関係にあるジャガー新橋。ここに初めて足を踏み入れたのは10代後半くらいだったでしょうか。当時はV12のディムラーダブルシックスとXJ、クーペのXJSだけという高嶺の花のみのラインナップで、その敷居の高さは今のコーンズ以上のものを感じました。
その旨を当時から居ると思われる営業さんに言うと、いやいやと笑っておられますが、それが逆に特別なモノ感の演出に一役買っていたという側面もあったのかも知れません。
で、20数年前と違ってラインナップも増えて接客もフレンドリーになったジャガー新橋さんに一年点検をお願いしたのは先日の話ですが、その時に代車として新しいジャガーXFのディーゼルモデルを拝借して3日ほど乗っていました。

今のXJ、先代XFのMC版、XEと続いた今のジャガーの顔であります。見慣れた感もありますが、なかなか精悍なお顔ではないでしょうか。

先代モデルより若干サイズアップして、キャビンが6ライト化されました。

先代の香りを残しつつも更に複雑なプレスラインを持っています。

2リッターターボディーゼルで180psのこのエンジン、お馴染みガソリンの2リッターターボほどの俊敏さには欠けますが、その低速トルクの厚さはディーゼルならではで、恐らく120km/hまでであれば何ら不満を感じる事は無いと思われます。音に関してはやはりディーゼルを感じますが、日本と違ってメーカー自身がディーゼルである事を「それが何か?」と考えているようで必要以上に隠す事はしていないのでしょう。
前にも書きましたが、これも典型的な現代の車なので書くことが無い程「良い。おわり。」という感じがしなくもありません。が、敢えて感じたのはXEまでは感じた英国車特有の軽快なハンドリングが、若干ではありますが安定志向に振られた事くらいでしょうか。ヒラリヒラリと軽いハンドリングは、クラウンとかメルセデスに慣れた人でも違和感を感じる事は少なくなったように思います。それでもハンドリングの軽快さは健在で、その解釈は異なるもののBMWとジャガーはその分野の極北であると思います。

とてもこれが嘗てのSタイプの後継車種とは思えないほど潔いクリーンなインパネです。個人的にはこの感じって並以上のシステムキッチンとかユニットバスを連想してあまり好きにはなれないんですけどね。

ドアの内張りも同様で、素っ気ない程にクリーンなデザインです。

何とこの一番ベーシックなモデルは合皮だそうです。その昔メルセデスにMBテックスというビニールがありましたが、使い勝手を考えれば本革より扱いやすいのでしょう。ただ私的には、さすがにそういう事は止めようよ…と思うのですが…

スマホをそのまま貼り付けたような使い勝手の画面です。この部分は他のどの輸入車よりも使い易いのですが、ナビそのものの内容は未知数です。

ディーゼルとガソリンを見分けるには左右2本だしか左側2本だしかとエンブレムのtとdの違いだけだそうです。
私のX350までのジャガーは、決して乗り易くはなくて初心者にはあまり優しいと思えない車であります。これを乗りこなすには自分の体を車に合わせるくらいのつもりが正解で、それが普通に感じてくると何物にも代え難い心地良さをもたらしてくれます。が、それでは商業的にはNGなので誰にも乗り易い車に仕上げるのは量産メーカーとしては当然の事だと思います。そんな訳で今自分が何に乗っているかすら失念する程にマイルドなジャガー、いかがでしょうか?
来年あたりレンジローバーイヴォーグにこのディーゼルが搭載されたモデルが登場するそうですが、そうなるととても良い車になると思います。ただ昔ほど軽油の値段も安くなく、軽油を扱わないスタンドも依然として多い事を考えると、やはり日本ではハイブリッドが人気なのも仕方ないのかも知れません。車としてはディーゼルのほうが好みなんですけどね。
マックのクーポンを使う事には躊躇しない私も、車に関しては古い時代の感性の持ち主です。

で、そんな私が自分のガレージに並ぶ2台を見ていると、「車は当分これでいい」と改めて思うのでありました。
Posted at 2016/10/23 20:13:01 | |
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