先日、お友達の方がFIAT500を購入されました。
予てからチンクが気になられていた御様子で、手頃な個体が出て御縁があったのでしょう。その子はまるでチンクの故郷イタリアのシチリア海に広がる青空を思わせる鮮やかなスカイブルーを纏っていたのでした。
その子が住んでいた場所は偶然にも紺碧の空と海のある湘南地区だったようで、多少の塩害や軽い傷みがあったようです。が、そんな瑕疵をものともせずにご自分の手で嬉々として手を入れている様は実に楽しそうに見えました。
その様子を見ていて、ふと思い出した物語がありました。
1952年のディズニーのもので、「Susie the Little Blue Coupe」という短編です。
絵本の読み聞かせがお好みの方はこちらをどうぞ。
この絵本、確か私が幼稚園の頃に親が日本橋高島屋の書籍売り場で買ってくれたもので、その当時とても好きになった物語であります。このお話は感情を持った車が数奇な運命を辿る中で、最後に素晴らしい出逢いが待ち受けていて見事に生まれ変わるというものですが、70年前にわずか10分足らずの中でこれだけ色々な描写を盛り込んだ素晴らしいストーリーは今でも魅力的に見えます。
例えば冒頭部分で新車のスージーが展示されているショールームの雰囲気などは、その当時のアメリカの自動車ディーラーの雰囲気がよく分かるもので、今でもアメリカの自動車の売り方ってこんな感じだなと思い出すほどであります。
で、件のチンクのお話とこの物語が自分の中で相似形を描き、久々にこの動画を見たのですが、モノ(車)も心を持っている事を子供に伝えるには良いお話です。果たして私の親がそうした意図を持って買い与えたのかは今となっては謎ですが、今の私自身が異様なまでに物持ちの良い人間になったのは決して無関係ではなかったような気がします。
これはその頃買って貰ったものですが…

そのトミカサイズのミニカーを45年持っております。

子供のおもちゃになったミニカーは大抵傷んでいるものですが、全くと言って良いくらいに痛みはありません。

そしてその当時から、自分の気に入ったものは同じものを複数入手する習慣があったようで、同じものをふたつ持っております。
同じ頃から持ち続けているミニカーですが…

サクラというメーカーのメルセデスSクラスです。

このアイボリーのカラーが当時から気に入っております。

同じシリーズのジャガーE-TYPEです。

赤のソリッドですが、何となく実車の色にとても近いのです。
この2台は当時でも一台数千円はしたもので、このシリーズの他にはロールスロイスとキャデラックもある中で、誕生日か何かの時に「2台選びなさい」と言われて選んだ組み合わせがこのメルセデスとジャガーでありました。
その当時の私は性格も容姿も周りから「娘」と揶揄されていたようですが、こちらもまた子供が持つミニカー特有の痛みは一切ありません。いかにモノを大切に遊んでいたかを自負出来ます(笑)
そんな訳で件のチンクさんは素晴らしいオーナーの元に嫁いだ訳ですが、人の広がりというものはこんな素敵なお話が転がり込んで来るもので、人と人、人と車という何か不思議な御縁を有り難く思うのであります。
Posted at 2022/08/11 17:50:15 | |
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