続きである。
いよいよ、クルマを走らせての実技講習に入る。
インストラクターは車外から拡声器を使って指示を出すので、運転席と助手席の窓は全開にしておく。
今回の実技を受けるにあたり、どうせならステアリング操作の様子も記録しておきたいと思い、その辺に転がっていたベニヤ板と、急遽購入した小型カメラを使って即席のオンボードカメラを作ってみた。制作過程ば別の機会に気が向いたら挙げたい。
しかし、結論から先に書くと、操作の練習をある程度したにも関わらず、ぜんぶで9本走ったうちの1本しか撮れてなかった…orz。
他の8本は、全く録れてなかったり、順番待ちの状態だけが撮れていたりという状態で、帰宅して録画記録を確認してその事実を知った時はがっくりきた。
カメラはボタン1つで操作するタイプで、
1回押すと電源ONでスタンバイ状態・ボタン周囲が青く点灯、
もう1回押すと撮影開始で青は点滅、
更にもう1回押すとスタンバイ状態に戻る、
そこから長押しして電源OFF、照明は消灯、
という具合に作動する。ところが、運転席からカメラを見ると、晴天のため車内も明るくて、ボタン周囲が青く光っているのか否か全然判らない。そんな訳で、見当でスタンバイ~電源OFFまで操作したら、どうやらスタンバイ状態から撮影開始までの時間が長いと電源が切れてしまうようで、そうとは知らず撮影開始・撮影終了と思い込んで操作していたようだ。せめてもの救いは、全滅ではなくて1本だけではあるが、撮れていたことである。
また、同じような機会があれば、こんどはちゃんと撮れるようにしておきたい。
またもや前おきが長くなった。
実技はぜんぶで3種類。
パイロンスラローム
急制動
危険回避
である。各々3本ずつ走る。
まずはスラローム。
テントで概要説明を受け、その場でインストラクターによるデモ走行を見学。
そして各自のクルマへ行き発車準備が出来たらハザートを挙げて合図する。
全員の準備が出来たら、列に並んで1台ずつ走る。スタート位置にはインストラクターが居て走行前に最後のアドバイスをひとこと頂ける。
まずは1本目の慣熟走行。
パーキングスピード+αくらいの速度で、直線状に並べられたパイロンを縫って走る。久しぶりの感覚である。懐かしさがこみあげて来る(笑)。あ~昔こういう風に走ってたなぁ…と。
走りながらもコース横にいる別のインストラクターが拡声器で声をかけてくれる。「もっと近くへ」「後輪がパイロンの近くを通るように意識して」「目線は次のパイロンへ」「操舵は出来るだけ一発で」、等々。
2本目は少しペースを上げて出来るだけパイロンの近くを走る事を意識するようにと指示。どうせならパイロンギリギリを狙おうとしたら、2本くらい倒してしまった。
3本目。スタート時にも、インストラクターからは「全力で行きましょう!」というお言葉が。
そういうわけでセレクターは2レンジ。左足でブレーキを踏んでトルコン圧を上げた状態でスタート!しようかとも思ったが、流石にそれをやると1本目が曲がり切れなくなると思い右足だけで強めに踏み込んでスタート。ペースが上がると操舵は忙しい。コース横のインストラクターからも「本気で!」「全力で!」と気分を盛り上げてくれる声が飛んでくる。だがしかしノーマルのハンドルに素手で操作するには限度がある…などと道具のせいにしながらも、まあこんなもんか、と。どんな操作をしていたが後で見返したかった。あ~動画が撮れてないのがホントに悔やまれる。
3本走り終えたらクルマはスタート前の体系に戻して停めて再びテントへ。インストラクターからの解説を聴く。公道ではまず行わない走り方ではあるが、こういう走りと挙動を知っておけば、普段の走りにも気持ちに余裕が生まれて来る。
休憩のあと、次の種目、急制動についてテントで解説とデモ走行の見学。
40km/hで侵入して制動距離は8.6m。見事である
危険回避のための急制動のポイントは3つ。
素早く
強く
最後まで。
40km/hで侵入し、前方に置かれた信号機の赤ランプ点灯を確認したら即座に急制動を行う。制動区間には水をまいてくれている。ドライ路面だと車両への負担が大き過ぎるからだろうか。
光電管で進入速度が計測されたあと、赤灯が点灯した地点(おそらく光電管通過点か)から制動完了地点までの距離を計測してくれる。
実際走ってみると、まずは40km/hに合わせるのが難しい。スタート地点から加速して行き、速度計の針を視界の隅でとらえつつ前方の信号機も注視する。速度計の針の上昇が実際の加速に対して遅れるのか、1本目の進入速度は52.1km/hまで上がってしまった (笑)。当然ながら制動距離も長く、実に21m。思い切り踏んでABSの振動がペダルから足に伝わってきた。
2本目は46.1km/hで18.0m。まだ速度の出し過ぎ。停止直後にインストラクターから頂いたアドバイスは、もう少しブレーキは踏める筈なので思いっきり踏んでください、と。まだ踏み方が甘かったようだ。
で、3本目。結局進入速度は40km/hより速くなってしまい44.1km/hであったが制動距離は約3m縮めて15.1m。インストラクターからも、しっかり踏めていたと。
遠慮なくドン!と踏んでいるつもりだったが、2本目までは甘さがあったようだ。3本目にして何とかマトモに踏めることが出来たようで良かった。
最後の種目は、危険回避。
光電管区間に進入して信号機の合図が出たら急操舵で指定位置へクルマをもってゆきそこから急制動で停車させる。前方の信号機は左右に黄色・中央に赤色が点灯する。
黄色が点灯するのと逆の向きに操舵する。中央の赤が就いたらその場で急制動。左右どちらにも行ってはイケナイ。
まずはデモ走行を見学。次に、全員徒歩で進入地点へ集合して信号機の点灯に合わせてテキストをハンドルに見立てて、回避操舵・戻し操舵・制動の動きを5回練習する。そうなのだ、切ったからには戻さねばならないのだ、と今更気づく。このシミュレーションは必要だ。いきなり走ると絶対間違える。
これが済んだら、例によってクルマを準備して受講番号順にスタート地点へ並ぶ。
侵入速度は1本目と3本目が40km/h、2本目は30km/hである。
順番待ちのとき、他の参加者が走っているのを見ると、信号が点灯している側へ操舵してしまったり、ブレーキを踏むタイミングが早過ぎて「回避失敗」の判定を受けるケースが散見された。
かくして順番が回ってきて1本目。今回唯一撮影できた貴重な映像である。
動画では小さくて見えないが、信号が点灯した逆側へ操舵できて、制動も指定区画で出来たようだ。「回避成功」の判定を頂いた。
2本目は30km/hで進入。速度が10km/h低いと、こんなに余裕で操舵できるのか!と実感。
3本目は再び40km/h。ここでやってしまった。信号の点灯と同じ側へ行ってしまった。制動は区画内で出来ていたが、逆に入ってしまったので「回避失敗」。
やりながら思った。コレは「あっち向いてホイ」と同じ心理だと。
走行後の解説では、総じて速度の出し過ぎは危険であるし同乗者にも不快感を与えるので、制限速度を守る事の大切さを説いていた。この会場の前の道は30km/h制限であるが、それを守っている人は少ないはず。しかし、例えば40km/hで走った場合、危険回避にはこれだけ機敏な動きが要求される、と。
このあと閉講式があり、アンケート提出と引き換えに参加証が渡されて、解散。
でも「無事に帰宅するまでがセミナーですよ」と。そのとおりである。
久しぶりに急制動や急旋回の操作をしてみると、公道に戻った時、運転する時の気持ちにとても余裕が出来た。思えば、飯田に住んでいた時も、伊那サーキット(閉鎖されて久しい)で走ったあとの帰路もそうだった。この気持ちの余裕は走り方にも反映される。こうして安全運転やスムーズな運転を再確認できる事が、セミナーを受講する最大の意義だと思う。
今回は半日コースだったが、機会があれば一日コースにも参加してみたい。
改めて、暑い中、指導誘導して頂いたスタッフの皆さんに感謝します。
Posted at 2024/05/21 22:34:26 | |
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