
女子W杯の決勝当日は気合を入れて22時に就寝。
(↑お前が気合入れてどうするw)
3時過ぎに起床し、女子W杯の決勝「日本vsアメリカ」を観戦してました。
男子とは違って、女子サッカーにおいてはサッカー不毛の地と言われるアメリカが最強の存在。
なぜアメリカ?
理由はいろいろあるのですが、アメリカにおいてはメジャーリーグやNFL、NHLなど進む先がいくつもある男子と違って、女子はサッカーくらいしかメジャーなスポーツがないこと。サッカー人口が多いことが大きな要因となっているようです。
ここまでのなでしこの戦いぶりはバルセロナの女子版とも言われ、パスワークを主体とした華麗なサッカー。
男子W杯でも優勝したスペインの華麗なパスサッカーを彷彿とさせる見ていて楽しいサッカー。
ドイツ、スウェーデンといった強豪を倒し、試合を重ねるごとに一致団結。
パスミスさえなければ勝機はここにあり。
対するアメリカはパワー・スピード・テクニックが全てにおいて高次元でまとまり、予想通り決勝まで勝ち上がってきました。
2トップの一角、ワンバックは身長181cmと頭一つ高く、これまでのゴールも全てヘディングと、高さだけかと思いきや足元の技術もなかなかのもので要注意人物です。
これまでの日本のアメリカとの対戦成績は21敗3分けで勝ちがひとつもなし。
しかし、W杯の決勝という最高の舞台で宿敵・アメリカを打ち砕くのか、その戦いぶりが注目されていました。
午前3時45分、キックオフ。
アメリカは序盤から試合を支配しにかかってきました。
特に先発メンバーをいじってきたアメリカで、左サイドのラピノーが効いていました。
序盤からの攻勢に戸惑ったのか、日本は持ち味のパスサッカーはなりを潜め、終始押されっぱなし。
スウェーデン戦で2ゴールを決めた川澄も決定的なチャンスを作り出すことができず、アメリカの攻撃の時間が続きます。
瞬間的なスピードは日本が上回るも、アメリカのパワー・スピードは想像以上。
決定機の数ではアメリカに軍配があがるもののワンバックの強烈なシュートや、ラピノーのシュートがバーを叩く幸運もあって前半はなんとか凌いで0-0。
ボール支配率こそアメリカを上回りましたが、バックラインで回していた時間が長かっただけで前半はアメリカが優勢な内容でした。
後半、日本にメンバー変更はなく対するアメリカはスピードがありそうなモーガンを投入。
スピードのあるラピノーのサイドからの突破でチャンスを作り出していたことからも、同じようにスピードを特徴とした選手を使ってきました。
日本は前半の戦い方に慣れてきたのか次第にパスがつながるようになってきました。
中盤の時間にはいってきたころに日本サイドのベンチが動く。
これまで得点こそなかったものの前線での身体を張ったプレーで攻撃の起点になっていた安藤に替え永里を、大野に替えてドイツ戦で決勝ゴールを決めた丸山を同時に投入。
しかし、直後、アメリカのゴール前で奪われたボールを一気にカウンターで繋がれモーガンのゴールが決まる。0-1。
一瞬、日本にも焦りの色が伺えたが、澤・宮間を中心に粘り強く今までのパスをつなぐサッカーでチャンスを狙っていく。
81分、ついに日本が同点ゴールに追いつく。
永里のクロスを丸山が競り合い、アメリカがクリアにもたついている時にゴール前に詰めていた宮間の前にこぼれる。
難しい態勢だったが左足を伸ばしゴール。
前半から飛ばしていたアメリカは体力的に落ちてきていたが再び息を吹き返し、猛攻を浴びせ続ける。
しかし、両者決め手を欠き90分終了。
試合は延長戦に突入。
ここでもアメリカの攻勢は続く。
延長前半14分、モーガンが左サイドを突破しそれまで抑えてきたアメリカのエース、ワンバックのヘディングゴールを許し再び突き放される。
しかし、日本の選手に落胆の様子は見られない。
延長後半、アメリカはラピノーに替えヒースを投入。
選手交代で時間を使い、残り時間から勝ちを意識した采配。
万事休すか…。
そう思われた延長後半12分、宮間のCKをニアで合わせた澤のボールはアメリカのGKソロも反応することができずネットを揺らす。
日本、再び同点!
このままPK戦かと思われた延長後半終了間際、再三日本を脅かし続けたモーガンの突破を岩清水がレッド覚悟のファウルで阻止。
判定は…、無情にもレッドカード。
最後のセットプレーを全員で守りきり勝負はPK戦へ。
日本選手の円陣には笑顔が見える。
これはイケる!と思った。
先攻アメリカの1番手はボックス。
日本のGK海堀の残した右足で反応しセーブ。
アメリカにプレッシャーをかける。
日本の1番手は宮間。
GKの反応の逆をとり冷静にゴール。
アメリカの2番手は10番、ロイド。
力強く蹴ったボールはクロスバーの上。
日本の2番手、永里。
永里はGKを見ようとしない。こういう時はたいてい外すものだが、GKソロにストップされる。
ここまで2人ずつ蹴って日本が先行。
まだ1本も決められないアメリカにはプレッシャーがかかる。
アメリカの3番手は途中交代で入ったヒース。
日本のGK海堀の読みが当たりこれもストップ。
日本の3番手、阪口。
ソロも同じ方向に反応するが威力があったせいで右手の下をすり抜けゴール。
外せば決着のアメリカ・4番手はこの日ゴールを決めているワンバック。
ほとんど助走しない態勢から強烈なシュートがネットに突き刺さる。
しかし、アメリカが圧倒的に不利な状況には変わらず。
日本の4番手はDF熊谷。
アメリカのGKソロもすぐには定位置につかずプレッシャーを与えてくる。
主審に注意されようやくゴールライン上に。
熊谷、上を向きひと呼吸。
笛とともに蹴られたボールはGKソロが手を伸ばしても届かないところに。
なでしこ優勝!!!
日本に歓喜の輪が広がる。
日本サッカー界に新たな歴史が刻まれた瞬間です。
PK戦は半分は運で決まっているようなものです。
勝った理由ならいくつでも挙げられるでしょう。同時に負けた場合にもそれだけの理由があるはずです。
よく、強いチームは運をも味方にするものだ、と言いますが今大会ではそれ以上の何かが働いたような気がしてなりません。
試合後、大会最優秀GKに輝いたアメリカのGKソロがこんなことを言っています。
「今大会は本当に私たちが勝つものと確信していました。
ずっとそう思っていました。
けれども同時に、何かもっと大きいものが日本を応援していたと思います。
この大会を代表するチームは日本でした。
どうせ負けるなら、日本相手に負けを認める方がいい。
実に優れた、風格のあるチームで、ものすごい情熱でプレーするので。
みんなどこまでも戦って戦い続けていました」
日本の勝利が決まり、喜びを分かち合う日本チームにあって、ただ一人、宮間は惜しくも優勝を逃したアメリカの選手たちにねぎらいの言葉をかけてまわっていました。
宮間とソロはかつてチームメイトでしたし、他のアメリカ代表の選手ともチームメイトだったこともあり放っておくことができなかったのでしょう。
大和撫子、美しいですね。
今回、120分では決着がつかず、試合には勝ったものの内容的には終始押されっぱなしで負けに等しい内容。
とはいえ、PK戦の末にアメリカを破ったことは最強・アメリカにも勝てるだけの力がついてきた証拠。
今大会、この時期、このメンバーだったから勝てたのだと思います。
これからはW杯チャンピオンとして追われる立場に変わります。
既にニュースでもご存知の方は多いと思いますが、女子サッカーを取り巻く状況は決していいものとは言えません。
未来のなでしこ候補たちのためにもサッカーをやりやすい環境が整っていってくれるといいのですけどね。
最後に、今大会のハイライトをまとめた動画がありましたのでそちらをご覧ください。
感動をありがとう!
なでしこジャパン、おめでとう!