その日は社内でデスクでパソコンと向かい合って仕事をしてました。
突然突き上げる様な地響きみたいな音と揺れ。大きめの地震だな~と思っていると、揺れは一段と激しさを増して止まるどころか、延々と続きます。デスクの上の書類は床に落ち、棚は倒れガラスも割れました。会社は食品の物流センターも兼ねている拠点で巨大な冷蔵庫と冷凍庫、常温庫を兼ね備えてます。庫内をフォークリフトが行き来してます。庫内に居た人間は真っ青になりながら事務所に駆け込んで来ました。
あの揺れ・・・庫内は尋常では無いな・・・・揺れが落ち着いたんで、庫内に行くと最初に鼻を突く様な匂い。割れた瓶からお酢が床に飛び散り、そして凄まじい光景が目に飛び込んできました。
出荷する為のあらゆる商品が散乱してました。まだ小刻みな余震で棚がキシキシ音を立ててました。
危ないから庫内に居る人間は全員外へ非難!と言う声を聞き、「そうだ、ここに居てまたあの揺れが来たら間違いなく商品に押しつぶされる!」あわてて外へ非難。
翌日の土曜日は全社員出社でセンター庫内の応援です。と言っても出荷作業は出来ません。散乱した商品の撤去作業。
ハイテクと言う名の機器はこんな時、何の役にも立ちませんね・・・もろい物です。
自分は自動ピッキングの棚の通路に散乱した商品の撤去作業。高さ20メートルくらいの棚に商品がケース毎積んで有ります。その種類は味噌・カップ麺・ペットボトル飲料・ペットボトルのサラダ油・ペットボトルの醤油、etc・・・・
その棚はコンピューター制御で棚の商品は機械がピッキングです。だから高さ20メートルも有り、それが8台、普段点検時にしか人が入らない通路は4本、幅が1メートル弱、奥行きは30メートル位です。
その通路に高さ20メートルから落下した前述の商品。通路は潰れた味噌・割れたペットボトルの中身でグチャグチャです。日の光もあんまり差し込まない通路での作業・・・人海戦術で商品を運び出します。
きっと閉所恐怖症の方は耐えられないでしょう。長時間、うす暗く狭い通路を重い荷物を担いで何往復もしていると、気が変になりそうでした。匂いも異様な臭さ・・汗笑 後半は長靴が支給されましたが、前半は普段のスニーカーだったんで・・・薄暗く、潰れた味噌の袋を何度も踏みました。ブニュっと・・・感覚は犬のウ○コを踏んだ様な・・・
数時間かかり、通路に落ちた固形の商品は撤去。午後は床の清掃作業です。当然午前中から応援してる人間は午後の部隊と入れ替えと思ってましたが、人でが足りない為、午後も引き続き作業の応援となりました。物凄い疲労感の中、午後の部隊と合流してまたあの薄暗い狭い通路に入りました。
こんな災害想定してないから、床の油や液体は一度バケツで水を汲み、通路に撒きます。しかし排水機能が無い為、今度はポンプで吸い上げ、ようやくコンクリートの床が見えたところで、雑巾やタオルでも拭き取り作業。作業が終了したのは22時過ぎでした。
冒頭の写真は撤去した商品一部。金額にしたらウン十万では済まないだろうな・・ウン百万単位でしょうね。
今、被災地では飲料・食料がまだまだ不足してます。そんな中、日々客先のスーパーから、やれ納豆が無い、豆腐が無い等々言われ続けてます。確かに・・・サラリーマンですから自分の店に商品が無ければ困ります。しかし、被災地の方々の事を考えたら、「お前のスーパーに納豆無くても、豆腐が無くても、水が無くても、カップ麺無くても、どうって事無いだろ!」って言ってやりたいのが本音ですが・・・
そんな事言ったら、明日から職を失うでしょうね。でも東北方面に優先的に商品を回す企業が増えて来てますね。凄く当たり前の事です。
仕事も通常業務が出来ません。応援・停電等々で夜中の1時に携帯鳴ります。病んできそうですが、皆同じ環境で頑張ってると思うと、弱音は言ってられませんね。特に、雨風や寒さを凌げる家が有るだけでも幸せです。被災地の皆さんの事を思えば、仕事で多忙な事なんて、贅沢なのかもしれませんね。
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Posted at
2011/03/27 21:35:45