• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

◇画太郎◇のブログ一覧

2020年09月22日 イイね!

大友克洋/AKIRA

大友克洋/AKIRAアニメのほうは今観ても全然色あせないんだが、漫画のほうは今読みなおすと不思議と古臭く感じる。

なんでだろうな、と思ったんだが、ひとつは当時衝撃的でも『AKIRA』発で今現在一般化した表現が漫画に限っては多い、アニメのほうはそれほどでもないというか今だと逆にもうこういうの無理だろ、みたいな要素が強いというのがある。

ただ、この理屈で言うと古い漫画やアニメは新しいものに較べて相対的に陳腐化してつまらなくなっていくのか?というと、そんなことはあまりないので、古臭く感じる一因ではあるけど本質的な部分ではない。

そういう表面的な部分よりも内容自体が今読みなおすとピンとこない、ってことだと思う。
私はかろうじて『AKIRA』が連載されていた80年代当時の世相がわかる世代だが、日本が高度経済成長する一方で若い世代の形容しがたい閉塞感とか、都市生活の息苦しさ、言ってみれば退廃的な空気がどことなく漂っていて、1999年、つまり当時で言う近い未来に世界が滅びるという予言が流行ったり、終末観と、どこかそれを望むような感覚さえ一部にあったように思う。

そういった世相は阪神・淡路大震災、オウム真理教の地下鉄サリン事件があった後、インターネットの普及という巨大なブレイクスルーを通して消え去っていった。
インターネットによって日本国民ほぼ全員、あまり先のことまで考えて不安にならない程度にバカになると同時に、社会と自分との関係に齟齬や違和感を生じず生活して行ける程度に賢くなった。

アニメと漫画と大筋の内容は同じだが、両方知ってる人はわかるとおり、違うと言えばけっこう違う。
漫画のほうが細かく長く整合性を持たせてプロットができてる分、補正の利かない微妙なバランスの狂いで違和感を醸し出してるのかもしれない。
とはいえ漫画を読んでれば、アニメのほうは漫画を読んでないより、より楽しめる。
というか『AKIRA』のアニメだけ観ても凄いんだけど、漫画の展開を知ってないと深くはアニメのストーリーを追えない気もする。
Posted at 2020/09/22 04:08:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2020年08月20日 イイね!

マンガ 面白いほどよくわかる! 古事記

マンガ 面白いほどよくわかる! 古事記古事記は西暦712年成立の歴史書で、日本創世神話~天孫降臨~第33代推古天皇までを扱ってますが、天皇がどの時期から実在するものなのか不確かですし、実質的には日本神話といってよいかと思います。

実際には大和民族は中国が殷王朝だった頃に支配者層であった殷人が朝鮮半島を経由して日本列島に上陸したものがルーツだという説を見かけたことがあります。

いずれにせよ日本書紀もそうですが、歴史書とはいえ中国古代の歴史書とは異なり、史実としての信憑性は著しく低いため、われわれ大和民族の神話として、このような誇れる創世神話を持ってるんだなあ、と親しむのが正しいでしょう。

最近ではゲームに古事記の神々、アマテラス、スサノオ、ツクヨミをはじめ、個人的にはオオクニヌシの国譲りでアマテラスから刺客として遣わされるタケミカヅチ、タケミカヅチの持つ霊刀フツノミタマに惹かれますが、他にも大勢の神々や武器が登場するので、そこが古事記への入り口って人も多いかと思います。

古事記を知っていれば、日本各地にこれだけたくさんある神社の存在への理解も深まりますし、また世界各地にある神話とわれわれ大和民族の神話を比較して関連づけてみたり、独自性を見出したりするのもおもしろいかもしれません。

個人的にはヤマトタケルって日本人らしいヒーローだよなあ、と思います。
父に疎まれ、悲哀を抱えながら、各地の危険な討伐に次から次と休む間もなく向かわせられるんですが、ようやく大和の敵対勢力を平定し、その帰路で山の神にあっけなく倒されてしまうんですよね。

倭は 国のまほろば
たたなづく青垣
山隠れる 倭し 麗し

そう詠んだヤマトタケルは、死後、白鳥の姿になって都の方角に飛びたちます。

古事記の原文を読むのは、かなり根性いるとして、現代語訳がいくつか出ていますが、わりと意味がとりにくい気がします。
特にこだわりなければ、この本、マンガ+解説文というかたちで網羅してますし、内容も良いかと思います。
Posted at 2020/08/20 20:49:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2020年08月01日 イイね!

無面目・太公望伝/諸星大二郎

無面目・太公望伝/諸星大二郎古代中国を舞台にした伝奇モノです。

『無面目』は漢の武帝の時代を舞台にし、『太公望伝』は殷王朝末期で暴虐で知られる紂王在位、周による殷王朝打倒の直前までを舞台にしています。

ただし、あとがきに作者も記しているとおり、あくまで古代中国を舞台にした伝奇物語ですから、実際は同時期に存在しない人物が会っているなど、史実とは異なる部分が出ていたりもします。

とはいえ、おおむね史実(とされる部分)を忠実に土台にしていて、当時の習俗、服装や建物なども、実際にそうだったんだろうな、と偲ばせられるような丁寧さで描かれています。

〇無面目

誰もいない山の頂上に、顔を持たず、天地開闢以前から誰とも交流せず思索のみを行う「無面目」という神がいたが、ある理由から仙人(当時、俗世を離れ仙人に憧れる世相があった)が顔を描き、目・耳・鼻・口…五感を持つと、人間に興味を示し、下界に交わりに行く。
最初は俗気にまみれた人間たちを馬鹿にしていたが、しだいに権力争いに興じたり、女を好きになったり、最後は自分が神であったことすら忘れていく…。

〇太公望伝

殷の時代、異民族として弾圧され、奴隷や生贄にされていた羌族のある青年が脱走するものの、生活のあてもなく途方に暮れる。
渭水のほとりで無心になって釣りをしていると、ふと傍らに神が立っており、驚く青年に竜を釣り上げさせる。
以後、青年は流浪し、神に導かれ世界と自身が調和したそのときの体験を忘れられなかったが、再現がかなわないまま悩みつつ四十五年の月日が経つ。
老年に達した、かつて羌族の青年だった男は、再び渭水のほとりで釣り糸を垂らす。
果たして神は再び現れたが、神の正体を男はもう知っていたので驚かなかった。
男は太公望と呼ばれるようになる。

Posted at 2020/08/02 12:23:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2020年07月19日 イイね!

トゥルーデおばさん/諸星大二郎

トゥルーデおばさん/諸星大二郎諸星大二郎って主に中国古典を元ネタにして、まあ中国古典じゃないものも多いですけど、東洋的世界観で不可思議な怪奇趣味を描く、ただそこには何かしらふだん気づかない・見えない人間、世界の重要な事柄が潜んでいる…気がする。…って漫画家ですが、新しい方向性を探りたかったのか単に興味を惹かれただけなのか、珍しくグリム童話を下敷きにしています。

この本には「グリムのような物語」ということでグリム童話を題材にした8編が入ってますが、他が誰でも知っているようなグリム童話なのに比べて、知名度の低い「トゥルーデおばさん」という1編があります。

世間の人と離れて生活してるトゥルーデおばさんに、ある好奇心の強い娘さんが興味を持ってしまい、会いに行きます。
周囲は「やめときな」と引きとめるんですが、「絶対に会いに行く!」と言って、会いに行きます。

トゥルーデおばさんの家の1階には青い男がいます。
何かしら悪いことをしてる人間なのは間違いなさそうですが、話してみるとけっこう親切で、暖かみもあります。
娘さんを心配して「トゥルーデおばさんには会うな」「家に帰りな」と、何度も忠告します。
それに、「どうしてこうなったかなあ」と自分の境遇を少し嘆いている風でもあります。

2階には黒い男がいます。
こちらは無関心で冷淡です。
娘さんにもまともに口をきこうともせず不まじめです。
無関心だから全然娘さんのことを見てないかっていうと、娘さんが困っているのを見ると遠くからニヤニヤしています。
それに、ときおり娘さんを自分の仕事に利用しようとします。
やはり何かしら悪いことをしてるようです。

3階には赤い男がいます。
これはもう全然話が通じる相手ではありません。
娘さんを見ると問答無用で危害を加えてこようとします。
娘さんに限らず、他人には排他的で攻撃的なようです。

…トゥルーデおばさんは4階にいました。
下の階の3人の男達はトゥルーデおばさんに使われているようです。
トゥルーデおばさんは「私の仕事を引き継がせるからね」と、娘さんに言う。
トゥルーデおばさんの足下からは地獄と思しき、人間が苦しむ光景が見える。
娘さんは「後悔なんてしていないわ!」と言う。

…地獄はまあ嫌だとして、仮に天国があるとして、そんなにそこに行きたいですかね?
世の中に平和と喜びと楽しみしかなかったら、たぶんですけどそれはもう喜びとも楽しみとも思わないんじゃないですかね。
ものを光だけでくまなく照らしてしまうと、ものがみえなくなってしまうように。

喜びと楽しみがあるけれど、ちょっぴり怒りや哀しみがある、このくらいがたいていの人にとって幸福なんじゃないでしょうか。
もっとも幸福のかたちなんて人それぞれですから、この人怒ってばかりだけどあれで案外本人は幸福だとか、深い哀しみをきっかけにして大きな喜びにはじめて気づく、なんてこともありそうです。
なんにせよ喜びと楽しみだけを追い求めて人の持つ暗い部分を排除しようとすると、そういう人にせよそういう世の中にせよ、ろくなことにならなそうです。
Posted at 2020/07/19 13:54:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2020年06月25日 イイね!

史記/画・久松文雄 作・久保田千太郎

史記/画・久松文雄 作・久保田千太郎 無料漫画アプリで読んだら、かなりおもしろかったのでamazon限定で発行されてるものを購入しました。
読んだもののうち「刺客列伝」が抜けていたので、そちらはヤフオクで別の出版社から過去に発行されていたものを購入しました。

amazonで購入したものには『史記』のうち「項羽と劉邦」「呉越燃ゆ」「李陵」の3編が漫画化されて収録されています。

〇項羽と劉邦

紀元前210年より始まる。

秦の始皇帝死後、項羽と劉邦が中国大陸の覇権を争う。
劉邦軍では韓信の扱いが小さく、張良の扱いが大きく、この漫画では描かれている。
気性が激しく周囲が恐怖心に駆られる項羽に対して、柔軟で粘り強い劉邦が二転三転した勝負を最終的に制した部分をクローズアップするため、「戦争屋」の韓信よりも、より人間らしく知恵と人格に温かみを持つ張良を多く描いたんだろうか。

〇呉越燃ゆ

紀元前517年より始まる。

春秋戦国時代、中国大陸南部の呉・越が長期に渡り争う。
呉の実力者・伍子胥は先王の恩に報いるため、強い意志で暗君に粘り強く仕えるが、最後は奸臣にはめられ悲劇的な死を迎えてしまう。
一方、越の実力者・范蠡は若い王を支え、伍子胥なきあとの呉をついに滅ぼすが、その後の慢心し増長する王と、それによる国の腐敗、それによる身の危険を察し、官を辞し国家を離れ、個人の自由な生き方を選ぶ。
伍子胥・范蠡の対照的な生き方に加え、同時代の孫子・孔子の思想・生き方が絡んでいく。

〇李陵

紀元前100年より始まる。

前漢の武帝は北方の匈奴と激しく争うが、戦況は膠着する。
漢の将・李陵は匈奴征伐の遠征の際、捕虜となるが、野蛮と知らされていた匈奴民族の中に中国の文化とは違う美点を見出し、異民族への一方的な嫌悪・軽蔑を脱し、異文化を認める気風を養う。
しかし漢への忠誠心は失わず、匈奴の配下になることは頑として拒否する。
そんなさ中、自己の保身を図る漢の将軍の虚偽の報告により、李陵の一族が処刑されたことを知らされる。
国家に懐疑的になった李陵は国家への帰属意識からくる自責の念・望郷の念にさいなまれつつも匈奴の将軍となり、漢と相対す。
Posted at 2020/06/25 06:36:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味

プロフィール

「ご町内の夏祭りに行ってきた。」
何シテル?   07/27 07:11
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/7 >>

  12345
6 789 101112
13 14 1516171819
20212223242526
2728293031  

リンク・クリップ

NCロードスター カーナビ・バックカメラ取付 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/03/29 03:54:12
ロードスター NC3 RHTとソフトトップ 比較してみた 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/03/16 02:55:42
NCロド パワーウィンドウスイッチ流用 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/12/30 02:54:39

愛車一覧

フォルクスワーゲン ゴルフ (ハッチバック) フォルクスワーゲン ゴルフ (ハッチバック)
運転した瞬間、背中を押しつけられる加速とエグゾーストの重低音、DSGの電光石火の変速にや ...
マツダ ロードスター マツダ ロードスター
幌のRSを手放してから2年半、こうなるだろうなとは思ってたが今回はRS RHTに。電動開 ...
ヤマハ ビーノ ヤマハ ビーノ
2000年製ビーノクラシックをライトレストアしたもの。 重量71kgの車体に6.3psの ...
スバル R1 スバル R1
横浜にいた頃サブカーとして活躍していたんだが、地元に戻った際に手放した。後姿がカッコイイ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation