いろいろと治ったり、バージョンアップしたりして、黒ゲート二世号が帰ってきました。
まず、一番の問題点であった「白煙」。
オイル下がりを疑い、結果的にシリンダガスケット・バルブシール新品交換&ヘッドブロック面研というOHになったため、それはそれで「よし」の出費なのですが
無念にも自分の見立ては外れ、親方が想定していたもうひとつの可能性が正解でした。
タービンです。
何も言わずに、これを見れば一目瞭然

…怖いですねぇ。思いっきしスラストしてますよ、1ミリ以上も。
左右方向へのガタがほぼ無かったので、タービンとしての機能をほぼ完全に保っていたのですが、「そろそろ危ないぞ」という最終警告だったのです、あの白煙が。
あと、アクセルオフ時に「チーッ」という、異音ともいえないほどの微かな音がしていたのも知っていました。これはペラがハウジングを擦る音、すでに許容範囲内ではないことを伝えていたというわけです。
IHIのRHF3型は「流体軸受け」、メタルタイプの若干古い設計のタービンです。

この形式は、メタル類が消耗部材となるため、どう管理しようとも必ず定期的にOH時期が来るわけです。
減っていたのは「スラストベアリング」ですね。
やふう知恵袋より;タービンのがた
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1030339415
『スラスト方向には手で感じられるほどのガタはありません』
『特にメタルタイプは顕著です』
『ハウジングに干渉したり、実際に使用してブーストの立ち上がりが悪かったり、オイルシールが不良になって白煙が出たりしない限り』
ああ…完璧ですね。ここを掘り当てていれば、当面の修理代金は抑えられたかも(当然カムシールやヘッド・ブロック間の「ス」などが後回しになってしまっていたところだが)
このまま行けば、ついにはブーストが立ち上がらないところまで行き付くことになる運命だったわけです。そこが、機能上は生きていたために、見立てを誤る結果となったのでした。
累計走行距離85000キロ、ある意味「当然」の損耗といえますね。
で
85000キロともなれば、当然「アシ」だって損耗するわけです。
これはもう納車当時から「いつかは、予算を充ててあの走りを」と思っていたのですが、あれよあれよという間に4年が経ってしまいました。
引き継いでいたのは、keiワークス純正のダウンサスのみ。
ダンパーがノーマルとあっては、それはもう路面のうねりを拾いまくって、揺り戻しの収拾がつかず揺れっぱなしという状態が続いていたわけです。
これも、「ノーマルだから」の一言では片付かないところまで来ていることも、薄々解っていました。
旅行の中止と引き換えに、ここを思い切って手を入れてしまうことにしましたw
ここに、安く購入して以来、交換の機会なく死蔵していたスズスポのダウンサス(青バネ)、そもそもワゴンR用というものがありまして
これに減衰調整ダンパーを仕込めないかと思ったわけです。
で、ありがたく安価で落札できました。
減衰生きてます、ダイヤルばっちり効いてます。
もし何かあって変更するにしても、半年すればなんとか資金繰りの立て直しは出来ているでしょう。どんだけ最悪でもあと半年持てば、次の手を講じることが可能です。
そのころには…SVXの後継ぎが既に居るはずなので。
なにせ中古の消耗部材なので、耐久には過度の期待はしていません。良くて次回車検まで、最悪半年…という覚悟で、いろいろ試して遊んでみることを選びました。
剥ぐったダンパーとバネ

バネのついたストラットが、さっきまで履いていたもの。
工場長「触ってみるで?」
まずは、ダウンサスをパーツ抜き取った方のストラットから…
あれ?縮まない…
「それ縮み切りのまんまよー」
…この時点で既におかしい。
引き出して、押してみる。
スットン
…へっ???
何の抵抗感もない。スカスカだ。
じゃあ今まで履いていたのは…?
スプリングコンプレッサで少し縮めてもらい、押してみる。
スットン
戻らない
……(゚Д゚)
じゃ、じゃあリアダンパーは…
スットン
戻らない
…スズスポのは縮めるのに軽く体重をかける必要があったんだが…。
身をもって理解とはまさにこのこと。
これが「ヌケたダンパー」というものだったのです。
正直、運動器具の役にすら立たないほど抵抗がない。
これでバネの上に乗ってりゃ、そりゃ「遊園地の遊具になってるバネ木馬」状態にもなるわ…。
そしてこれが、初代黒ゲート号の納車当時の足の状態でもあったわけですね。
さて、工場から走り出す…というか、
乗り込みの時点で既に違う!
ボヨンってならない!視点が低い!
あとは、NewSRでは半年あまり気になった「突っ張り感」がどんなものか…?
杞憂だった。
段差の乗り越えが重々しい!普通車みたいだ!(←それがそもそもの工場出荷時の状態だったとおもうぞ、多分w
そこらじゅうをダーっと流してみる。
タービンの音が全然違う!
なんというか、ここで買ったときの音に近い!(購入時28000km)
で、
ボディの据わりが重いのにハンドリングの応答がいい!
段差とか、ボヨヨンではなくトトンって感じで
路面のうねりや舗装割れが全然気にならない!
舗装の平坦性が悪い古い路面とか、
垂直方向の動揺がまるで無い!
ビターっと安定してそのまま曲がっていく!!
ああ…ああ…この感じだ、私の求めていたのはこの走りだよ…(感涙)
突っ張るか、ボヨヨンか…ボデーが軽い軽4なので、その双極しかないのかなーって諦めてましたが、考えてみりゃ弟のセルボの足回りがまさにこれ。
あと、夏場に借りたワゴンRのレンタカー新車おろしたてが、かなりこれに近い。
バネとダンパーのレート、それと重心。これでクルマはがらりと変わるってことです。当たり前のことですが。
で、施工前と施工後の比較と、今後の課題
施工前
施工後(比較のため画像を左右反転)
前は、ほぼ理想の状態。
ただ、規格共通シャーシとはいえ流用部品であるリアサスの下げ幅が足りていない。
どうもバネの自由長が長いようだ。
このため、僅かにカットすることも検討している。
さもなくば、リアのみ車高調バネに差し替えるか。
この前傾姿勢が致命的になるところまで攻め込んだ走りをすることはまずないが、それでもフルブレーキ踏んだ時にリアの接地が甘くなるなどの懸念が残るため、今後の課題としたい。
いずれにせよ、SVXの交代が完了してからのことになる。
既に、施工以前とは比較にならない快適な運転性を実現しているため、焦ることはない。
現在、減衰調整値は
前;2
後;3
にて運用中。
うん、車体がタイヤから浮いた感じもなくなった。
黒ゲート二世号
ここからが、再スタート!
>>1/16追記
タービンの冷却水ホースが寿命のようですorz
水がぁぁ…
そして工場長さん曰く
「もしかしたらサーモスタット異常の可能性もある」
う、うおお…私もそこまで考えが回りませんでした…やはり本職のトラブルシュートには敵わずw
あとから見つかったのでアフターフォローにしとくけん部品代実費だけでいいと…
なんかもう、ありがとうございます;ω;
ついでにリアサス
「…切るん?えー、ホンマに??wwwww」
受けてくれましたwww
本格再起までもうひとふんばりですw