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2012年10月12日 イイね!

意外に気難しい癖玉  SONY SAL1855(DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM)

その、侮りがたい高性能ゆえ
「このレンズがないと撮影が始まらない」レベルで重宝している
SONYの標準ズーム、SAL1855(DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM)。


巷の評価は辛いです。
「甘い」「解像力が無い」「キレが無い」

これを見ても、そういう事が言えるのかと小一時間

Nex-5N SAL1855 18mm f5.6前後(アダプタ目盛りから推測)
是非ともクリックして原寸をご覧頂きたい。

解像力だけで味もクソもない、と言う向きもあるでしょうが
当方は、その解像力と「原色系、特に青色系のヌケがとび抜けて良い」ことこそが
このレンズの味と考え、今や鉄道撮影に無くてはならないツールのひとつです。



・・・実を言えば、このレンズ
大きな弱点をひとつ、抱えています。
それは、カメラ本体に「ある機能」がないと、MFでは撮影困難になるという
ある意味、MF主体で撮る私には致命的な弱点たりうるものです。

「このレンズは、絞りの値によってピントが移動します」。

言っていることの意味が理解出来れば
「えっ、AF世代の新規レンズなのに??」と思う方と
「ああ、あれですか(ニヤニヤ)」と思う方に二分されることでしょう。

原因は、球面収差

端的に言えば
「レンズ外周と内周で、ピントの合う場所がずれている」。

たいへん大雑把な概念図ですが、概ねこういった意味合いの現象です。


こうした安い数打ちレンズで、各収差を
すべて理想的に補正出来ているものなど、まず存在しません。
こちら立てればあちらが立たずの連続ですので、必ずどこかに妥結点を見出し、妥協しています。
つまり、当該レンズの「諸収差補正の皺寄せ」は、球面収差に集中しているということです。

ちなみに同クラスの「smc PENTAX-DA 18-55ALⅡ」の場合
「像面湾曲」の傾向が顕著で、周辺と中央部のベストなピント位置が合致しません。
では収差残存の駄目レンズか?というと、そういうこともありません。
「背後のボケが汚くなりにくい」という美点が、それと引き換えに得られます。
(ピントのズレによるボケ量の問題ではなく、根本的な描写の持ち味的な問題として)
このレンズは、主題を中央から大きく外さずに捉え、背後を綺麗なボケで飾るように撮るのが、持ち味の活かし方といえそうです。


SAL1855に話を戻しましょう。
このレンズ、実際使ってみて
「周辺の隅々に至るまで、像の流れのようなものが殆どない、極めて安定した像が得られる」と感じます。
絞り開放でも、線は多少太くとも
コントラストがそれを補っており、実に安定した絵が得られるのです。

では、絞り込んでいくとどうなるか。

周辺で像が流れるような非点収差は顕著ではないので、残った球面収差の
外側の光束から、均等に絞りで削り取られます。

ここで問題が生じます。特に、光学ファインダーであれば猶更。

基本的に、ファインダー像は「絞り開放」の絵を見ています。
これを基準にして合わせた場合、絞り込んで撮られた画像は
「実際にファインダーで見ているのとは異なるピント位置」のものとなるのです。

ちょっと一眼をかじった方とかで、ファインダー撮影に自信が出てくると
自分の眼を信じて、AFによる合焦位置から補正する方もいるでしょう。
おそらく常識的に、レンズの収差によるピント位置の補正とかは
AFセンサーを駆動する為のデータベースとして、レンズに仕込まれている筈です。
だとしたら、ファインダー上の像は、若干ピントがずれている事になりますからね。

ソニーの設計思想はこうかもしれません。邪推ですが。
「どうせAF一眼レフを使うユーザーの9割はAFしか使わない。
ファインダーはユーザーのニーズに応えた、素通しのような明るく見えやすい(=ピントが判らない)ものとなっている。
ならば、AFの動作アルゴリズムに「絞り位置による収差変動の補正データ」は仕込まれているのだから、ファインダー上では(凝視すれば)多少ピンずれしていても、実際の撮影結果が良好になるように動作させればいい」



今回、実際にやってしまったのが、これ
(等倍拡大しないと解らないとおもいます)


F8 慌ててファインダーでピン合わせる 全体にネムい画質 玉砕


f7.1 「フォーカスチェックライブビュー」「プレビューボタン」併用で詰めなおし

「ある機能」と言っていたのは、実はこれです。
MFにて、このレンズで精密ピント合わせをしようとすると
・フォーカスチェックライブビューを起動する
・プレビューボタンを押して絞りを動作させる
・拡大表示し「一番いいピントを頼む。」

この操作が必須となります。

変化は如実に解りますよ。
・開放で拡大表示し、ピン合わせる
         ↓
・プレビュー押す、妙にピンが甘いことに気付きガッツリ修正する
         ↓
・プレビュー離す、えっ何このボケボケ画像ホンマに大丈夫なのかコレ

光学ファインダー上では、プレビューした状態では像がかなり暗く、
ピント合わせは困難となります。
が、撮像素子からの画像を明度調整して表示するライブビューなら
このハンデが無くなります。

なお、Nexでアダプタ経由接続する場合
セットしている状態で既に絞りリングで「絞り込み」された状態にあるため
常にプレビュー動作した状態と同じなので、モニタで見たものがそのまま「写る画像」となり、
絞りで露出を変えないかぎり問題は起こりません。



このレンズ。
本来持っている描画力は、巷の一般的な評価とは随分違うものだと思うんです。
ただ、それを引き出すのに、特定の条件や操作を要する。

レンズをシステムの一環として見た場合、果たしてこれで
「いいレンズ」と呼んでいいかどうかは、聊か疑問は残りますがねw



時代は進んでも、「癖玉」というものは無くならないもんですね・・・w
Posted at 2012/10/12 09:56:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | 写真・カメラ | 日記

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