正月の勤務を一人で支えたことへの労いもあってか、1/4は休みに変更。
・前日の現場が昼過ぎでつつがなく終了
・翌日が晴天
・水曜日なら「キハ47改 ノスタルジー号」は安定して撮れる
このような条件に加え、それを狙うにせよ、どっちみち朝は現地で何もすることがないので
久々に水島臨海を覗いてからでも遅くはあるまい…
タービン&足回り施工直前の一日
エンジンをすっかりリフレッシュした黒ゲート号は
F6Aの咆哮も勇ましく、再び本州を目指したのでした。
ホンマに、くだんの条件でたまーに出る白煙以外は何の問題もない。
高回転まで淀みなく、力強く回る。
遠出しても信頼感・安心感に溢れてます。
さて、水島に到着。
迷わず三菱自工前の操車場を覗く。
今日の出走は、国鉄色、
キハ38と…
キハ30か!!
……ああ、やれやれと苦笑。
まだ、私はこの趣味から離れさせてはもらえないようだw
キハ30には冷房がありません。
従って、撮るなら秋冬が基本。あとは余程のことがない限り「予備」です。
概ね、季節限定と言い切ってもいい、この車両、
弟とともに、久留里線で
想い出のなかにある懐かしい姿を収めんと、在りし日のZC11スイフトで追い回した
二重の意味で想い出に残る車両、

(在りし日のキハ30 98 現在、三菱自工前にて部品取りとして留置)
まさかの近所での再就職を知って以来
車庫で控えている姿しか見たことはなく
彼が、生きて再び走るその姿を
再びこの手で撮るのに…
…私は、2年半待ったのだ…!!

…再会は、霜の降りる寒い朝だった。
そういえば久留里線へ行った時も、ものすごく寒かったっけ。
折り返して帰ってくる頃には、側面に朝日が降り注ぐはずだ。
移動はせず、ここの絵を完全に押さえることにする。
やがて山の稜線を乗り越えた朝日が辺りを煌々と照らし。

SLT-A77V改 SAL1650
待ちに待った、胸の高鳴るこの瞬間…!
外吊りドアの武骨なディティールが、半逆光に輝き、ひときわ引き立つ。

昭和の情景、ここに再び蘇る
Nex-7 SAL1855
…感無量。
そこに存在すること自体が奇跡ともいえる、古強者の雄姿だった。
さて、これを撮るまえに
最後の三菱行をどう撮るか、考えていた。
付いている向きからして、選択肢は
・福井駅の近くでサイドから、工場と畑のロケーション
・球場前の踏切からインカーブ
・倉敷駅至近の順光ストレート
この3つが妥当といったところ。
安パイは移動の少ない福井だが、やはり半逆光であることと
側面からの撮影だと、これと似た感じになってしまい、変化に乏しい。
そういえば、今はまだ「正月休み」覚めやらぬ時期。
車の通りもまばらだ。通常の朝では考えられない。
なら、きっとここ(浦田~弥生間)から倉敷まで飛んでも間に合うはず。
なので、通過と同時に三脚を引っ掴んで車へ走り
すかさず倉敷方面へ移動。
選んだのは、ストレート。
一か八か、SAL70200G、一本勝負で迎え撃つことを選ぶ。
なにしろブランクが長い。
以前まともに電車撮ったのっていつだっけ?ああ、夏かwww
この鋭くも気難しいレンズを御する技を、身体が忘れていないだろうか。
準備時間に不安が残るが、撮影地に付くと同時に
列車は倉敷方面へ走り去る。
ほら間に合ったww
平日ではできない芸当だ。
最初から、倉敷折り返しを撮れればいいという目論見なので、無論これでよいのだが
あと3分速く着いていたら、さっき撮ったものを追い越して、もっかい撮れてるところだw
…資料を持参していれば、思案の余地もなく一瞬でセットできるところだが
あいにく持ち合わせがない。
ネットから自分の画像を引き出す時間もない。
線路上の列車の大きさを目測する感覚が鈍っている。
どう合わせたものか、悩む。いや、悩んでる暇はない、あと数分で帰って来る。
そこで奇策。
雲台の横軸の固定をナシにした。
最適な大きさになるポイントを、横軸の修正で、即興で合わせることを試みる。
(被写体の倍率が一緒なら、絵だけ横に振ってもピントを合わせる一点に変動はないため)
さあ…帰ってきた。
ジョイント音が後方から迫る。
全神経を集中し、ファインダー内の列車の大きさを瞬時に判定
「右ちょい!!テー!!」
…間一髪、自分の印象ではやや左を向いていたカメラを、右へ振った瞬間
SLT-A77V改 SAL70200G 100mm f5.6 ※クリックで原寸
ああ…これぞ「正調・編成ポートレート」
文句なしのバランスで、狙い違わず、寸分のピントの狂いもなく決まっていた。
ピントが完璧に真芯の状態で捉えたので
3コマ後を135mm相当にトリミングしても、存分にイケる。
冬枯れと蒼空、八高線あたりにあったかもしれない景色の垣間見。
作戦成功。
拳を突き上げてました、思わずw
この瞬間がないと、やっぱり自分はダメなんだなと痛感。
この撮影結果が、先へ進む元気をくれた。
次は津山線、ノスタルジー号を狙う番だ。
国道53号を飛ばし、御津のカバヤを通り過ぎ
工業地帯を縦貫する峠を越えると、そこはあの夏の日に降り立った撮影地。

SAMSUNG GALAXY EK-GC200
だが、降り立った傍から雲が発生し、撮影を阻む。
赤いキハは程なく撮れたが、曇ったり晴れたり曇ったり曇ったり晴れたり…
全く、いつもながら、この空模様にはやきもきさせられるものでw
列車は予想した時間を回って、まだ来ない(推測が甘かった)
そして、すぐ近くの金川駅で交換する列車が向かった頃から…
この「ノスタルジー号」通過の30秒後まで…

SLT-A77V改 SAL1650

Nex-7 SAL1855
とうとう、空模様は持ちこたえた。
あと30秒遅れていたら、どす黒い「青曇り」の写真になり果てていたところだった。
危ない危ないww
空模様は既に下り坂の様相であったが、もはや作戦は成功といえた。
あとはもう、いくら曇っても悔しくはないw

究極の一輪挿しフィギュア、秋月紗綾ちゃん。
(もともと持ってたのは、一部にホウキと揶揄されるススキの穂)
…ただ、この時点で
ちょいと昼寝をしたうえで、まだ13時半。
このまま帰るだけではもったいない。
この先に繋がるような「何か」を得られないだろうか?
黒ゲート二世号は、さらに「宇甘越え」の峠道を目指す。
個人的に、この先につながる可能性を最も感じたのは、これ。

宇甘越えの峠を越え、津山線がトンネルを出た直後の場所である。
柱が手前にあるのは残念だが、峠越えに挑む線形と、SA6Dの咆哮も甲高く
それを全力で駆け上ってくるキハ47改。
四国の原型キハ47では、間違いなく一瞬で失速しているところだろう。
既に時間が遅く、顔にしか陽が当たっていないが
正午までなら問題なく側面まで陽が当たる。
地図上では、これより標高で20~30mほど高い場所から見下ろせる山道と、開けた農地があるように見受けられる。
日当たり的に、火曜・水曜・木曜ならば、ノスタルジー号で良好に撮れるチャンスあり。
この後、ここを下りきった所「建部」駅の周辺でも
ベーシックながら良くまとまった撮影点が、数多く見出された。
その後は青曇りの場面しかなく、戦果もここまでだったが
それでも充分やれた。
大戦果だ。

行ってよかった。
やってよかった。
何もできず、荒むばかりだった年末年始に、せめてもの一矢を報いた。
次に訪れる時には、黒ゲート二世号も仕上がっているはずだ。
そしたら、また此処を走ろう。
やっと、私の2017年が始動しましたww