「ただいま」
…これで、終わるはずだった、この夏。
が、いざ予定表を見てみると
帰宅して1日出勤して、また2連休になっているではないか。
しかも土日。
慎重に天候を見極めた結果、近所で勝機ありと判断。
バッグの撮影機材をバラすこともなく、再び出撃する。
思惑は
「ノスタルジー号が、「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」期間中の
快速みまさかノスタルジー正規運用に就いてるはずだ」
さて、思い立って黒ゲートを飛ばして渡航したはいいが
思ったほど天候が落ち着かない。
勝機を求めてさまよった挙句、けっきょく到達したのは牧山~野々口間の定番なのだが
雑草がジャングル状態でとてもじゃないが普通に撮れない!!
侮っていた。
こうも短期間で、沿線刈り込みの効果は無に帰するのか。
「自然の猛威に抗おうなど、万年早いわ」
だが、もう大々的な移動の余地がない。晴れ間もこの辺りしかない。
30分もしないうちに、くだんの運用はここを通り過ぎる。
何か手がないものかと探し回った結果、たった一か所だけ…

光明が見えた。
この手以外なら、接近して跨線橋から見下ろす以外ない。それはあまりに局所的であるし、なによりここのロケーションが活かせない。
かくして、この10分後

SLT-A77V改
MINOLTA AF 35-105/3.5-4.5茶筒
ほら来た、思った通りだ。
ノスタルジー号・キハ47改一般色は、相変わらず
「決まった曜日の、決まった時間に、必ず同じ場所に現れる」
やはりここは、ロケーション優先の絵がいい。
軽トラとおっちゃんなんて最高の添景ではないか。これぞ里山。
被写体の、予想通りの運転状況が確定。
この先は新たな撮影個所を求めてみることにした。
しかし、国道53号が詰まってしまい、まともに動かない。
当然である。いまは盆休みトップシーズン。
帰省する車、した車、レジャーに向かう車…ぜーんぶメインストリートへ殺到する。
このままでは埒が明かない、時間ばかり過ぎてしまう。
そこで、裏道へ回り
かねてよりストリートビューで目を付けていた、宇甘越え「建部~金川」間を目指す。
実は、野々口から宇甘川に至る山間部に工業地帯があり、峠越えの立派な道路が通っている。
そんなものを知る者は多くはないだろう。実際、交通量は皆無に等しかった。
しかし、暑い_(⌒(_`ω、)_
もう暑いとかそういうのじゃない、「溶ける」とか「灼ける」とか、そうゆうのに近い。
車から降りての撮影行動も、正直、長時間は命に関わる。
地面に目をやれば、干上がった地面が暑さを助長する。

今年の夏の、雨の降らなさは異常だった。
しかも湿度だけはあるというのが、また腹立つんである_ノ乙(、ン、)_
そうこうして、炎天下のなか耐えること小一時間
雲の影を縫うように、ズバリのタイミングで来た「ノスタルジー号」。

SLT-A77V改
SAL1650

Nex-7
MINOLTA AF 35-105茶筒
眩しい夏空と、緑の水田と、国鉄色。
今年は撮れなかった烏山線、これぞまさに「江戸の敵を備後で討つ」。
ついでなのでEK-GC200でパチパチ撮ってたスナップにハメコミ合成も作っちゃうw

Galaxy EK-GC200 ※電車はハメコミ合成
撮った素材は無駄にしないww
いくら暑くて参ってても、こういうのが撮れると「さすがに気分が高揚します」
気力の向上は、自律神経系の働きをよくしてくれる。
そのまま、今度は反対側を狙いに行く。
事前調査済みの立ち位置、これでワンツーフィニッシュ
だがこのあとの通過直前、いつもの持病が。
「陰った('、3_ヽ)_ 」
玉砕。
ま、まあ、赤一色で撮れただけでもよしとしよう…
ノスタルジー号に来年があるかどうか判らないが(´・ω・`)
そう。もはやすでに、かなりの被写体が「次があるかどうかはわからんぞ」なのだ。
すべてが一期一会。
さて、時間は昼下がり。
さっき高揚したもんが、いきなりしょぼくれて何だかなぁ状態であるw
が、まだ後半戦がある。当然、ここで引き下がる道理はない。前進だ。
やや流れの回復した国道53号を津山方面へ下る。
道中を見てても、ここで確実に晴れるという保証は何処にもなし。
ノスタルジー号・岡山への上りは、一発勝負になるだろう。
狙えそうなのは、旭川橋りょう…かな、やはり。
しかしここでも、絵が定まった傍から雲が日を遮る。
少し距離を取れば避けられると考え、近所をうろついてみるが
やはり雲が執拗に追ってくる。まるで私の居場所を狙ったように。
思い切って、さきの場所へ陣取り直す。もう恨みっこなしの一発勝負だ。
どうせ危うい日差しなら、いちばん良い絵を狙おうじゃないか。
陰って、日が差して、陰って、陰って…
とうとう来た。

SLT-A77V改 SAL70200G
間一髪!影は辛うじて背景へ抜けた(後ろの山が暗いのが際どさを示している)
熱かった夏の締め括り、青空を掴み取った!

Nex-7 SAL1650
…いや、まだだ。
まだ日が沈んでいない。
もしかしたら、日没までにここまで戻ってくるかも…?
先刻日差しを求めてうろついていた、近くの田園地帯で構え。
ここもまた、後日に至るまでじっくり詰めてゆく価値のあるロケーションだった。
夕日に照らされながら、赤いキハが行き…
そして今度こそ大トリ。
日没寸前の斜陽が照らす田園に、国鉄一般色が輝いた。

Nex-7 SAL1650

OLIMPUS Stylus-1
…最後の最後まで輝いた、「なつやすみ」。
松屋でメシ食って、ゆるりと帰る。
翌日も休みだ、焦ることもない…
以上、熱く長いなつやすみの記憶でした。
こうして2ヶ月弱ほども掛けて、のんべんだらりと絵日記を綴っていても
昨日の事のように、何処で何があって何をどう感じたのか、鮮明に思い出せます。
それが、自分の「生きた時間」を過ごした証しなのだと思います。
日本人は、諸外国に比べ、夏季などの休暇を極端に取らない・取れないことで有名です。
その状況は人間の生き様として正直どうよと思いますが、社会構造の問題に盾突いて何か変わるでもないので、そこはさておき
日数だけの問題ということには、ならんもんですねー。
ちょっと元気が足りないと思いながらも意を決して行程を企図し、もう組んでしまった・予約を取ってしまったのだから後に引けないぞと自身を追い立て、
いざ行ってみれば概ね天候に恵まれ、新たなもの・懐かしいもの、いろいろな体験や光景を吸収し、一生忘れん想い出にして持って帰る…
去年も、今年も
その目的に関して、類い稀な成功を収めたといえます。
ここでやり切ったから、今がんばってられます。
絶対必要なんですよ。誰が何と謗ろうと、これが生きるためのエネルギーです。
大事にして行きたいし、皆様にも「そういう時間」、大事にして欲しいと思います。
次の「夢」を信じて。これが「わたしの、最高のなつやすみ2016」