まずは前提として
私は、TOYOTAという自動車メーカーを、基本的に好きません。
こればかりは、個人の嗜好の問題もあり、仕方のないことです。
また、自ら好んでTOYOTAを選ぶドライバーを何ら貶すものではありません。
ですが
「世界レベルでNo1を争う自動車メーカー」であることは、間違いのない事実です。
そんな吟持を持つトヨタが
先日、ある特許を取得し、それを大々的に公表しました。
「例のアルミテープ」です。
正直「おいおい」と思ったのが第一印象です。
私と同じように、混乱してるのは何処も一緒のようで
ものすごく賛否が割れています。
特許に記す動作原理がまちがってない?とか(正直どっちが正しいのかも解りかねますが)
とにかく変わるんだから文句のつけようがない、とか
ですが、先の前提条件にも挙げましたとおり
「世界レベルでNo1を争う自動車メーカー」のやったことです。
そこいらの似非科学ベンチャーがホイホイとやる事とは根本的に性質が違うはず。
なにしろ「社名」を賭けてますからね。下手な発表をしようものなら、VWの二の舞は必至ですよ?
ならば、理屈を理解したうえでやってみましょうよ。
騙されてもネタで済みます。部材費
1000円以下ですからねwww
(トヨタ曰くには「市販のアルミテープで充分いけます」とのこと)
まず、自分なりに原理を考察し、プランを立てます。
貼る相手は「非伝導体」いわゆる樹脂やガラスの類となります。
導体はそもそも帯電しないので、ボディ金属部に貼る意味はありません(厳密言えば塗装が乗ってはいますが)
トヨタ曰く、車は走行することにより、プラスに帯電するらしく
静電則に則ってプラスに帯電する「空気」とは、反発の関係にあるらしい。
これは、すぐにわかります。
このため、ボディ非導体部の表面は、クーロン力に従い空気を遠ざけるため空気の層が剥がれやすく
実際の設計値と微妙に異なる結果が出るのだそうな。
自分が思い付いたのは
インマニに至るまで、吸気系という吸気系がすべて樹脂で出来ていると言い切っても過言ではない
ZY-VEの「吸気系の樹脂部分」。
つまり、インテークパイプ・エアクリボックス・インマニの全てに
帯電防止用のアルミテープ素子を張り付けてしまおう、というもの。
トヨタの発表が嘘でないんなら、これで差異が出るはず。
まずは、様々な形状の素子を作ります。

素材は、ニトムズのアルミテープ。
強い糊が薄く直接塗布されているもので、貼り付けは剥離紙を剥がして行う。
糊部は絶縁不十分のようで、なんなく電気が通ってしまうという実験結果があった。
つまり、今回の目的には好適というわけだ。

静電気は、側面周囲や鋭角な端部から、コロナ放電の理屈で空中放射される。
要は、端部から「セントエルモの火」の現象が発生すればいいわけで、
このため、トヨタでも「個人的にやる場合は大きな面積よりも側面をギザギザにするのが効果的、なんなら表面を荒らすのもひとつの手」と公表している。
この理屈に鑑み、ギザギザハサミでテープを刻み、様々な長さや形状の短冊を量産する。
で、インテークパイプ・エアクリボックス・インマニに貼り付ける。
そして、走り出してみます。
嘘だろ…
嘘だと言ってよバーニィ!!!(←
まさかこれも特許に含まれてたりしないよな?って思ったら
ありました、そのものズバリが、やっぱり_(:3」 L)_
えー、一言で申しまして
エンジンの回りが軽い。
車が軽くなったような感覚です。
純正エアクリをHKSのリプレイスに差し替えて、差が解らない人はまずいないと思いますが、あれの6割ぐらいの効果…といったところです。
あ、よく考えたらAutoexe入ってたわwww というオチではありません。
それは
後日まもなくの施工ですw
【翌日追記】
あとから特許内容を調査すると
「経路が急激に細くなる」局面でとくに有効とあるので
感覚任せでやった結果、ずいぶん無駄貼りが多いことは否めません。
結果、何処のやつが、どう効いてそうなったのか。それをシュートすることまでは出来ない。
これが「素人細工」の面白さであり、かつまた「限界」なのですね。
現状、インマニはサージタンク接合部まで「ぎりぎり有効範囲内」の可能性、
インテークパイプは吸入口でとくに有効、
先ほどの観察で「CPU真下のボックス→パイプ変換部位は施工必須と感じる、などなど
まだ詰め切れてないと思うので、今後さらに改善が進む可能性も多分にあります。

試験片を剥ぎ取り、今日、本施工をしたのですが
剥ぎ取ると如実に「重たく」なります。
まさかとは思いましたが、残念なことに、わかります。
そりゃそうですね、原理に基づけば
「吸気効率そのものが向上している」わけですから。
(大雑把いえば、帯電除去するだけで空気の通り道が拡大してるにも等しいことです。パイプ内も、エアクリの繊維の空間までもが)
効果てきめんだったのは、ひとえに「ZY-VEが樹脂パーツの塊であったから」でしょう。
ということは、インマニなど全金属性のKeiに同じことをしても、効果はありません。
Keiの場合は、エアクリボックスとインテークパイプ、それから「インタークーラー入口」、ですね。
この結果を受けて
今度は、前後の側面窓下・ドアミラー下部・フロントガラス・ワイパーカバーの樹脂部といった所に
この短冊を貼りまくってみます。

表面には出ていません。
というか空気に触れてさえいればよく、インナーパネル内部、
ドアパネル内に隠れてる部分に、こっそり貼ってあります。
ミラーは底部です。普通に見ることはできませんw
あと
強烈に帯電する、ヘッドライトアッセー
結果。
60km/hあたりでなんとなく、なんとなくだけどたぶん確実に
修正舵の量が減ってますね。
…ああ、なるほど。
素直に真っ直ぐ走っているんです、以前以上に。
ガッシリ支えてるわけではありません。あくまで、通常の構えでハンドル支えてます。
つまり、こういうことですね。(概念図)
デミオはSVXほどに「空気力学的に秀でた」車ではありません。
だからこそ解るのだと思います。というか
近付きました、あの感じに、一歩。
…ぐうの音も出ない。
これは、よりエアロダイナミクスでは劣るkeiだと
蒼莱号以上に違いが出てくる可能性もある部分だ。
おもしろいのは
たとえばエンジン。高回転・高負荷になると、あまり変わらないんです。
あくまで、軽負荷~巡行、日々普通にやってる加速のような
「全力運転とはとても言えないパーシャル領域」の、過渡特性が
ずいぶんと改善された感じ、とでも言いましょうか。
これは推論でしかないですが、高回転・高負荷のような
大量の空気が高速で流れ込む領域まで行くと
クーロン力の閾値を、流体力学が上回るんじゃないかと思うのです。
だから、全力運転時には殆どと言っていいほど差がない(最大出力が上がるわけではない、あくまでパーシャル領域で、設計値の100%に近付くというだけ)
外装も同じことでしょう。
Cd値が変わるなんてことはないんだそうです。
クーロン力の物理限界を超える領域では、概ね設計値通りとなっているのだと思います。
つまりそれは、レースシーンのような状況下のことだと思います。
性能評価とかも、基本、全力がこんだけで…という方向性から攻めると思いますし。
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ここで、あるものを思い出しました。
ひところ物議を醸しだしたオカルトチューン…
SE●とでも呼んでおきましょうかw
あれ、実際に効いてるんだから仕方ないだろ!って人が必ず一定数いるわけですが
もしかしたら、そのうちの何割かは「本当に違いがあった」のかな?と思うのです。
なぜならば、あの商品のなかには
「尖端部を持つ金属の塊」とか
「サクションパイプに巻く導体のベルト」とかあったわけでしょ?
彼らの意図とはまるでかけ離れたところで、思わぬ効果を発揮してた可能性がありますね。
そう。
「静電除去」ですw
ただ「それ同じことが
アルミ箔で充分出来るからwww」ってだけでw
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最後に残ってるのは、最もメジャーな「フロントリアのバンパー内部」。
のこりの部材でも出来んわけではないんですが
この部位だけでも、トヨタの発表、その勇敢さにささやかな敬意を表し
トヨタ純正で施工しようと思います。
最後の総仕上げ、さてはて、どう変わりますことやら。
最後に一言
「100の見聞より1の実験」
効果のあるなしは、やってみてから。
(実際あまり効果が解っていないのは、コラム下。研究の余地あり。そも電動じゃないってことも影響している気がするが)
やってみましょ、楽しく!
小さい頃に還ったような、工作的楽しさを感じますよ。
【追記】
「冷間時に貼って走り出しから効果が」というのはプラセボだ、という
実に正確なツッコミが各所で見られます。
そのとおりです。走り出さないと帯電はしません。
自分の検証環境を追記します。
自宅で駐車中の作業ではなく、ドアパネル取り外し施工など可能な広々した場所を求めつつ
作業前の車両の感覚を事前に掴むべく、30キロ程度を走行した直後となっています。
このため、既にかなりの帯電があったものと推定されるのです。
吸気系で違いが判りやすかったのは、恐らくこれです。
再施工時に剥がす前も同様、車が定常走行の状態に安定した後で
アチアチ言いながらw 剥がしてました。
良くも悪くもディーゼル的なところのある、ZY-VEのフィーリングに戻ってました。
少なくとも、最大パワーとかの問題というより
シュッとした伸びの良さを感じられるようになったという方向性で、
実際のところ、すぐに感覚が標準化して「慣れる」レベルの差ではあるでしょう。
エアクリほどではないというのは、そういうことです。
そこでAutoexeというわけですよwww
このAutoexeのリプレイスフィルターには、ステンレスメッシュが張られています。
つまり、吊るしの状態で導体と接しています。
トヨタの理屈に照らせば、フィルターの帯電は、もとより無いものと考えた方がよさそうです。
となれば、吸気口とボックスとインマニ周りといったボトルネックを狙った施工は
下準備として概ね間違った方向性ではないものと、確信します。
この先は、やってみないとわかりません。
また、「お前の改造は、バンパー内部をほんの少しだけ残してある…」状態であり
これがそもそもの主軸たる部分であるため、さらに変化があるのかないのか
後日、機会があれば、まとめてみたいと思いますw