十数年前。私が新卒で入社したとき、当時の社長が語ったこと。
産業と言っても様々な分野、役割がある。
人々の生活を豊かにし、社会に貢献する産業とは
物価・賃金の上昇に対して、相対的に安価・高品質なモノ・サービスを提供する。
たとえば航空運賃。
昭和の半ば。一部の限られた人が使う、贅沢な乗り物だった航空機は
大型ジェット機の登場等によるコスト低減によって、身近な交通手段となった。
たとえば外食。
戦後すぐ生まれの父世代は子供の頃、外食なんて特別なものだったそうだ。
昭和50年生まれの私は子供の頃から、普通に外食を楽しんでいた。
個人商店しかなかった外食に、産業化の波が訪れた。
そして自動車。
その話をした社長は、大卒初任給が3万円の頃、カローラは約50万円。
今(1998年ね)大卒初任給は約20万円、カローラは120万円(安いのね)
そして性能、品質は30年前を凌駕する。これこそが
人々の生活を豊かにし、社会に貢献する産業であると。
我が社には高付加価値、高価格路線の業態もある。
バブル経済崩壊後の低価格ニーズにも対応しなければならない。
低品質、低価格ではいけない。
適正な利潤を得てこそ、繁栄し続けることが出来る。
なにせ十数年前のことですからね、時代が変わったといえばそこまで。
CDプレーヤーや液晶テレビも然り。
登場時は高根の花、それが数十分の一という価格になり
また高付加価値、高価格の商品もある。
パソコンなどひと昔前の電算機何十台、何百台ぶんの性能が
小さな箱に収まっている。
最近の自動車はどうでしょう。物価・賃金は…さておく。
安全性能やら快適性能てんこ盛りで、コスト上昇要因はあると思いますが
高い奴だと軽自動車で180万円!
コンパクトクラスのスポーツグレードは200万台も半ばとか。
高級サルーンもモノによっては、十数年前と比べて2倍とかの値段。
そしてデカイ(笑)
そりゃ気合入れないと買えないよ。
均一で相対的に高品質、低価格なモノと
高価格でも満足度の高いモノ
懐古主義だとか価値観腐っている人間と笑っていただいて結構ですが
1.6L級で100万円台後半、2L級で200万円台、大排気量クラスでも300~400
そんな値段でスポーツがごろごろ転がっている。
二度とこない時代のクルマがね、好きだと。
国家も企業も、大衆迎合の先は破滅だと思っているのですが
(デザインも然り)
最近のクルマやそれを生産・販売しているメーカーの姿勢は
如何なモノかと思うところはあっても
新車買わずに補修部品漁っているハイエナみたいなエンドユーザーの
面倒を見てくれているだけでも、ありがたいと思わなくては?(笑)
耐久消費財でも、30年前のテレビや冷蔵庫、洗濯機を
修理して使おうという人はなかなかいないでしょ。
住宅だったらリノベーションだとか、そこまでいかなくても
規格があるし、現物あわせて如何様にも。
クルマは…趣味性が強いってことですかね。
180SXはオプションパーツなどを除き、まだバックオーダーで揃うから
ちまちま部品を集めていますが、本体壊したら THE END (怖)
70スープラは欠品、生産廃止の嵐で大変。勢い盆栽に…走らなくても傷む。
2L級のスペシャリティが200万円弱(ウチのはタイプS)
3L級のハイウェイクルーザーが300万円強(ウチのは3.0GT turbo-S)
確かにそんな時代もう来ないですね(だから懐古)
そして十数年前の講話を覚えている。そんな話自分は出来ない。
その社長と可愛がってもらった部長が相次いで離れ
後任がアホすぎて嫌気がさし、辞めた自分は短気だったな、と。
人々の生活を豊かにし、社会に貢献する。
無理なので人の嫌がること、出来ないことをやって
小銭を稼ぐ。 そう、ハイエナです。
せめて犬に。
町中で犬が吠えるとすれば、それは辻にヘカテが立つからだ。
それはそうと、在庫持たないお店で買うと近所の量販店の半額。
品質が同じなら、安いところで…これも時代か。
仕事取引先の問屋は、ネットでは教えてくれない情報武装で立ち向かう。
私もお任せで依頼を受けたら、色々調べて提案する。
ネットで買ったのを持ち込みで依頼され…合わなかったらギャラだけもらう。
で、天地無用の意味を正反対に捉えている奴が居るとか。
それも時代か…(苦笑)
だんでぃの社長とお茶したあと、散歩。
Posted at 2015/01/28 17:31:35 | |
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