高速時のステアリング特性はニュートラルステアで、運転が上手くなったと誤解するくらいスムースに曲がる。
高速のコーナーリング中に何気なくスピードメーターを見て、信じられないくらいのスピードで曲がっていることに気づき、普通の車ならコーナーから飛び出すか、曲がれないくらいのスピードが出ていることに気がついてびっくりする。
中低速の連続するコーナーではパワーアシストの無いステアリングが非常に重く、また車の重量を感じるが、アクセルを踏みながら走れば連続するコーナーも楽しい。
ホイールベースが短くミッドシップのレイアウトのためか、ゆっくり走ると、路面の凹凸で車体が多少煽る。低速ではそのために背中に重いリュックを背負って走る感じで、重い質量が後部で動いている慣性を感じる。リア・エンジンのポルシェは後部でMR2のような重量感を感じないので、このMR2はアブソーバーとのマッチングが悪かったのかも知れない。アブソーバーが多少へたっていたのかも知れないが、低速では路面の凸凹に応じて特にリヤが上下に煽るのを感じて不快。
急制動時にはボディ全体が沈む感じで安定感は良好。
コックピットの中は天井が低く、額とサンバイザーが近くて余り気分が良く無いが、ガラスサンルーフは明るく、また、ダッシュボードが低くて前が広く、ゆったりした感じがある。
ダッシュボードのデザインは凝っているが、スイッチなどの操作性は良くない。
物入れは沢山あるが、車検証サイズのものはやや入れにくい。
シートは柔らかすぎる。もう少し固くても良い。スッポリと包まれる感じだが、腰回りの通気が悪く、腰が蒸れる感じがする。
ドアの幅は長くて開け閉めする際に重い感じがする。
ボディの剛性はかなり良好で、ガラスルーフのガタも少ない。
エンジンの音とスーパーチャージャーの音は喧しく、音楽を聞きながらドライブを楽しむのは無理。
エアコンは吹き出し口が多く、快適に室温が保たれる。
シフトレバーのストロークはやや長めだが操作性は良好。
リヤのスポイラーは後方の視界を妨げる。
それほどパワフルな感じはしないが、一旦スーパーチャージャーが動作を開始するとかなりの加速感がある。
燃費は8.6~11.2で、平均では10キロとスーパーチャージャーで過給しているにしては良好。
画像の車両はオークションで売却、現在オーストラリアのマニアのもとにある。