2011年06月13日
「さあ行こう!本当の力を見せてくれ!」
アクセルを一気に踏み込む。
ヴォオンッ!キュキュッ!
一瞬リアタイヤが鳴き、強大なトルクで押し出される。自然吸気のロータリーではありえない感覚だ。
あっという間に最初のコーナーが迫る。
ブレーキング。少し残してステアリングを切るとスッとノーズをインに向ける。記憶通りだ。いや、記憶以上に安定した動きに感じられる。
クリップを過ぎ、アクセルを入れて加速。次はS字だ。
アクセルを緩め、前加重にしてステアリングを切る。左、右と軽くステップを踏んでいるかように軽快にクリアする。初代よりもクルマとの一体感が一層強く感じられる。
次の直線はこのコースの最高速が出るポイントだ。アクセルをさらに踏み込む。
クォーーーーーーーーーンッ!
10B-RENESISが吠える!
「この咆哮が聴きたかったんだよ!」
RX-8は一気に加速した。
「EV」モードではバッテリーの消費を押さえるため、アクセル・レスポンスは抑えてある。
しかし「RE」モードではロータリーエンジンが強制的に始動し発電する。
アクセル開度に呼応してエンジンの回転数が上がるようになっていて、
アクセルを踏む→ロータリーエンジンの回転数が上がる→発電量が増える→駆動用モーターにより多くの電流が流れる
という仕組みになっている。
その伝達スピードは人間の感覚よりもはるかに速いので、タイムラグを意識することはない。
よくロータリーエンジンの回転フィールはモーターに例えられるが、まさにその通りとなったのだ。
「こんなものはロータリー・マシンでは無い!」と思われるかもしれないが、クラッチとトランミッションが発電機に、プロペラシャフトとドライブシャフトが電線に替わったと考えてはどうだろうか。
「お山SS」を新型RX-8で存分に楽しみ、自宅に帰る。
RX-8を車庫に停めた後も、しばらくそのコクピットで余韻に浸っていた。
(続く)
Posted at 2011/06/13 20:06:17 | |
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RX-8 | 日記
2011年06月12日
初代RX-8には7年間乗った。その時の感覚はまだ体に残っていると信じたい。
当時の記憶と感覚をたぐりよせて、初代と新型RX-8の違いを確かめながらバイパスを走らせる。
低速からの力強い加速はEV化による最大の恩恵だ。アクセルを軽く踏むだけでグイグイ加速していく。インホイールタイプのブラシレス・モーターが2機搭載され、それぞれ左右の後輪に直結されている。トランスミッションやドライブシャフトは存在しないのだ。
ボディ剛性も大幅に向上しているのか、クルマに一体感がある。ハンドリングも軽快で、初代のフィーリングに極めて近い印象だ。
足回りは4ドアということもありガチガチに固められてはおらず、しなやかに路面に追従し上手に衝撃をいなしている。フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンクが採用されている。スプリングはアイバッハ社製、ショックアブソーバーはビルシュタイン社製が奢られた。
足元を彩るエンケイの19インチ・アルミホイールとミシュランのパイロット・スポーツ4との組み合わせは新型RX-8をプレミアム・スポーツの領域まで押し上げるのに一役かっているようだ。
ブレーキは回生ブレーキが併用されているとは思えない自然なフィーリングに仕上がっていた。踏んだら踏んだ分だけ効くようになっていて、私好みだ。
新型RX-8の素性を探るように走らせること1時間、いつものコース「お山スペシャル・ステージ」に到着した。
電池残量は70%となっていた。なお、スペック上ではフル充電で230kmの走行が可能だという。
ここでシフトノブを回し、走行モードを「EV」から「RE」に切り替えた。
大きめのローター型シフトノブはダイヤル式の走行モード切り替えスイッチになっており、「EV」・「AUTO」・「RE」の3種の走行モードを切り替えることができる。
キュンッ!ヴォ~ン!ヴォォォォォォォォォォ。
セルの回る音がし、フロントに搭載された10B-RENESISに火が入った。
3眼メーターの中央には回転計が、左側には水温計、右側には燃料計が点灯し追加される。
窓を開け、シフトノブをNにスライドさせ、アクセルを煽ってみる。
ヴゥゥンッ!ヴゥゥゥゥゥゥン!
初代RX-8よりコンパクトになったロータリー・エンジンが雄叫びをあげる。
そよ風が懐かしい匂いをコクピットまで運んできてくれた。
(続く)
Posted at 2011/06/12 23:36:42 | |
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RX-8 | 日記
2011年06月11日
新型RX-8が目覚める。
かすかにヒューンと音がして計器に灯がともる。
そして再び静寂に包まれる。
初代のイメージを残した3眼メーターは、中央にデジタル速度計、左にシフト・インジケーター、右に電池残量計が表示される。
そう、新型RX-8はEV(電気自動車)なのだ。
サイドブレーキレバーを下ろし、ローター型の大きなシフトノブをPからR・N・Dとコの字を書くようにスライドさせる。その感触は、まるで本物のローターを濡れた氷の上で滑らせるような感じだ。
「じゃ、お借りします。壊さないように注意しますけど、保証はできませんよ」
「大丈夫ですよ。存分に楽しんで来てくだいね。息子さんにヨロシク♪」
ディーラーを後にして、バイパスに出る。
新型RX-8は力強く、しかしスルスルと静かに加速する。まさにEVならではの加速感だ。
ただ、ロードノイズしか聞こえない車内が異様に感じたので、気を紛らわそうとラジオをつけてみる。FM放送が臨場感たっぷりに聴こえるのはBOSEのせいなのだろうか。
私は初代RX-8が納車され、初めてステアリングを握った時のことを思い出していた。
(続く)
Posted at 2011/06/11 22:11:34 | |
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RX-8 | 日記
2011年06月11日
MAZDAロータリー・スポーツのフラッグシップといえば「RX-7」だ。しかしRX-7の生産が中止されてすでに10年以上が経過している。
現在その後継車である「RX-9」の開発が最終段階に入っていて、久々のロータリー・ピュアスポーツだとして世間に注目を集めている。
一方、「次期RX-8」もRX-9とパワー・コンポーネンツを共用するため、同時に開発が進められていた。
新型ロードスター(ND)とプラットフォームを共用するRX-9は完全な2シーターとなるが、次期RX-8は従来のプラットフォームを大幅に改良して使うことになった。
4ドア・4シーター・ロータリースポーツとしての地位を確立した「RX-8」は優れたパッケージングはそのままに、新たなパワートレインを搭載されて生まれ変わることになったのだ。
しかし、完全新型ピュア・スポーツの「RX-9」が世間の注目を集めるのに対し、「二代目RX-8」は完全に影に隠れてしまっていた。
私にとって、むしろそれは好都合であった。なぜなら、こうして「新型RX-8」の公道テストに参加できる幸運に恵まれたのだから。
息子には悪いが、一足先にこの「新型RX-8」を味わわせてもらうことにしよう。
私はRX-8の「START」ボタンを押した。
(続く)
Posted at 2011/06/11 10:00:40 | |
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RX-8 | 日記
2011年06月10日
遡ること3時間ほど。
私はいつも世話になっているMAZDAのディーラーにいた。
アクセラを車検に出すために預けにきたのだが、本当の目的は「代車」にあった。
「これ、ホントに借りちゃっていいんですか?一週間も?」
「大丈夫デス、最終テストの一環ですから。本部からそう言われてマス♪」
「ていうか、バレバレでしょ、コレ」
「エンブレムついてなきゃマニアにしか判りませんよ、特に仙台では。」
「そういう問題じゃ・・・、広島ナンバーってだけで十分目立つよ」
「大丈夫、RX-9の影に隠れてイマイチ注目されてませんから」
「うぅっ、なんか傷つくな~」
「バレたほうが宣伝にもなりますしネ♪」
担当とこんなやりとりをしていたのだが、要はRX-9と同時に開発してきた次期RX-8があまりにも注目されないので、宣伝を兼ねた「極秘最終テスト」をすることになったのだ。
(続く)
Posted at 2011/06/10 23:36:54 | |
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RX-8 | 日記